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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月4日①決戦前夜と転移ポイント開放ツアー

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279.乗り心地と書き心地

「じゃあ、ソーイチ!俺たちは閉門前の追い込みに行ってくる」

「おう、時間オーバーで門から追い出されんように気をつけや」

「あはは、気をつけるっす!」

「ソーイチも色々と頑張って下さい」


こうして3人は転移クリスタルを掲げて再びフィールドへと向かった。その転移の光粒が空気に溶け込み、静かになった第二農地で俺は早速、最高傑作(?)ことD・G・Hに跨がることにした。


右側のサイドテーブルを跳ね上げて乗り込むギミックは、心なしかロボットのコクピットに乗り込むような高揚感がある。


「よし、やるか」


目の前のデスクに【開拓】の資料を、サイドテーブルには【拠点作成】の資料とメモ用紙に加えてMP消費用の魔力電池を置き準備万端。俺は椅子に深く腰掛けた後、ペダルに足をかけ軽く踏み込んだ。


ギィ、ギィ

心地よい微振動とともに、木馬が前後にゆったりと揺れ始める。


(試運転の時にも感じたけど、意外とペダル軽いな。てか、ピッカピカすぎて今の時間でも結構目立つんやけど……)


夕焼けの赤い空の下、俺の乗る木馬はペダルを数度回転させた頃からうっすらと全身を光らせていく。


(外が明るいからこんなもんで済んでるけど、日が暮れたら目立つやろうな……)


あと1時間もすれば訪れそうな事態に、少し恥ずかしくなってしまう。というかフィールドから帰ってきた仲間たちから確実にからかわれるだろう。


(まあ、少し恥ずかしいけど、ゲームと割り切って受け入れよか。それより木馬のレビューを続けんとな)


ピカピカと光る木馬に気を取られていたが、長時間使用するときに重要なのは肝心の使い心地だ。だが、これが驚くほど悪くない。


(お、全然ブレへんやん。これなら普通に読めるな)


通常の木馬なら、全身を前後に激しく揺らすため、視点が上下にブレて文字を読むどころではないはずだ。しかしこのD・G・Hはデスクに本をセットし、椅子に深く腰掛けた状態であれば、視点のブレをほとんど感じない。そのため、乗り物酔いが起きる気配も全くなかったのだ。


さらに驚いたのは、ユサタクが豪語していたサイドテーブルの独立構造だ。

試しに少しペダルを強めに漕いでみたのだが、木馬の本体はそれなりに揺れているが、左右のテーブルはピタリと水平を保っている。

これなら、どれだけ激しく漕いでも上に置いた資料やメモ用紙が滑り落ちる心配はなさそうだ。


「これ、思った以上に完成度高いな……」


D・G・Hの確かな性能を肌で感じた俺は、意識を木馬から資料に戻した。

(ふむ……開拓はジョブアーツを他のジョブでも使えるようにするスキルなんか。よくよく考えたら、町づくりのために開拓者だけってのも戦力的に不安やもんな)


【耕す】のように収穫量に補正をかけるものではなく、【インタビュー】や【ビジョンスキャン】のように他の系統のジョブでも行動を可能にするタイプらしい。また、スキルレベルが上がる毎に【開墾】や【整地】などのアーツを覚えていくようだ。


(それと【開拓】系のスキル経験値が【開拓者】系以外にも等倍で入るってのはええな。これなら【司書】みたいに経験値の稼ぎにくいジョブのレベル上げに使えるかもな)


俺は自分の知名度を利用した配布用サインの量産で序盤のレベル上げを乗り切れたのだが、普通は何冊も本を読み、地道に上げるのが定石である。そこを【司書】では使わないSTを使って経験値を稼げるのなら、レベル上げも捗りそうだ。


そんな所感も含めてメモにまとめようとしたのだが……。


(やっぱり書きにくい!!揺れるから字がガタガタになるし!)


電車やバスの中でもカバンを敷いて執筆作業をしたことのある俺だが、前後に揺れる木馬はそれらとは比較にならないレベルの難易度だった。


(しゃ〜ない、ユサタクとのコール画面をメモ替わりにして、後で紙にまとめるか)


早々に木馬でのメモ取りを諦めた俺はコール画面を開き会話ログで代替することに。これなら思考入力も可能なので揺れとは関係なく作業を進めることができるのだ。


『……というわけで、今からここをメモ帳替わりに使わせてもらうから、通知入っても気にせんといて』

『やっぱり動いている中で書き仕事は無理だったか……それじゃあメモ帳の件はオーケーだが、戦闘中に鳴るのも面倒だし、今日だけはソーイチからの通知はオフにしておくよ』

『それが確実やな。手間かけてすまんけど、よろしく頼むわ』


『ああ。それと急な話でゲーム内時間で20時から2時間、明日のミーティングも兼ねた宴会をするんだが、参加出来そうか?』

『食事会!もちろん参加するけど急やな!』

『ついさっき、モチョが【暁の狼】から良い酒をいただいたみたいでな。じゃあ宴会だって話になったんだよ』

『それなら仕方ないな。じゃあ宴会楽しみにギコギコ漕いどくわ』

『ああ、頑張れよ』


こうして急遽決まった宴会の知らせを聞いた俺は、テンションのままペダルを漕ぎ木馬を激しく揺らす。


(良い酒とかクロードたちには貰いっぱなしやな……いつか恩に報いるとして、時間までに資料を読み切ってすっきりした気分で宴会楽しむぞ!)


この後の宴会に思いを馳せながら、俺は資料を読み込んでいくのであった。

次回は諸事情により少し遅くなるかもですm(_ _)m


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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まぁ書くのは無理でしょうね。 何事も欲張りすぎてはいけないという経験ができてよかったですね! ※ラノベ読みながらでやればエアバイクも日課にできると思い実行したら、マルチタスクの才能がなさ過ぎか、ラノ…
読むのは出来ても書くのは無理ですか。車酔いする私はどちらも無理そうです。というか、たぶん3D酔いするから、VRゲームを出来るかどうかも怪しい。 投稿は作者様のペースで良いと思います。待てますので。ご無…
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