表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月4日①決戦前夜と前線基地

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

297/298

267. 全ての転移ポイント開放②【ノア山地(麓)】と若干の後悔

ごめんなさい!投稿設定間違えました!!!

「はっはっ……はっはっ」


すでに3度目となる転移ポイント開放のための長距離マラソン。俺はいつも1人バテバテになりながら走り続けてきたのだが、今回は違う。


「……かひゅ〜……かひゅ……」

「はぁ〜……はぁ〜……だ、大丈夫かアマネ?俺より辛そうというか、人間から出たらあかん音が口から出てるで」


そう。俺と同じくらい町に引きこもっていたアマネが今回参加しているのだ。同じ境遇(バテバテ仲間)がパーティー内にいるというだけで、フォローする仲間たちへの申し訳なさは和らいでいく。それどころか自分以上に辛そうな彼女の存在が、俺に気遣いできるくらいの余裕すら生まれた。


「……ひゅ〜……ひゅ〜……」

「会話すら無理そうなや……って、そんなに体力ないのに、なんで俺のポイント開放ツアーに付き合ってくれたんや?」

「ふふっ。実はアマネも露店業務に掛かりっきりだったせいで、転移ポイントを開放出来てなかったんですよ」

「なにしろIN時間の7割以上、店に立ち続けてましたしね」


答える気力すらないアマネの代わりに、フワフワとゼロが説明してくれた。


「というか……ぜぇ〜……大森林ほど足場悪くないとはいえ、はぁ〜……歩きづらい森の中やのに、ペース早すぎやろ……」

「最初の目的地である【ノア山地(麓)】まで、アクティブな魔物はほとんどいないので、戦闘が起きない分あの時よりもペースが落ちないんですよね」


「た、確かに前回はほとんどが瞬殺とはいえ、襲ってくる魔物多かったもんな……逆になんで襲いかかってくる魔物がおらんの?」

「今移動中の山岳方面は、岩石系の魔物の出現エリアなんですよ。で、岩石系の習性なのですが、こちらから攻撃しない限り、彼らは石のようにじ〜と動かないんですよ」


横で並走していたマロンが、俺の何気ない疑問に楽しそうに答えていく。


「ぜぇ〜……な、なるほど。遠くから見た感じ、目的地って岩山っぽいな。そこに出てくる魔物も岩のように、どしっと構える魔物が多いんやな」

「ええ!……でもソーイチさんって魔物図鑑読んでましたよね?あそこに出現する魔物の分布リストもありましたよね」

「あっ……俺知ってるはずやん!うわぁ〜恥ずかし!知識全然活かせてへんやん!」


情報をまとめただけで、俺は満足していたのだろうか?その情報を引き出さず、実用的な知識もないではないか。

【司書】の俺より、常に現場で活躍するマロン達の方がよっぽど有効に情報を集め、活かしてるのに気付き、自分の未熟さに顔を赤くする。


「おお〜い、マロン。推しのソーイチ先生とのおしゃべりもいいが、アマネが死にかけだ。切り上げて、面倒見てやってくれ」

「は〜い!……それじゃあソーイチさんも頑張ってくださいね」


最後にウインクをパチリとしてからマロンはアマネの元へ駆け寄る。


(流石に移動中にする話じゃなかったな。とりあえず悩むのはやめて、走るのに集中するか)


今の俺に求められているのは、知識の披露でも感傷に浸ることでもない。道案内をする仲間たちに遅れないように必死で追いかけつつも、アマネにも意識を向ける。パーティー全体で考えるべきなのだ。


俺はアマネの真横のポジションをキープすると、彼女のペースに合わせつつ励まし合って走り続けた。

それから20分ほど走り続けただろうか。鬱蒼とした森が途切れ、その代わりに岩山の大きな影が足元を黒く染める。そんな岩山の影から少し少し離れた場所で俺たちは足を止めた。


「お疲れ様です。最初のポイントに到着しましたよ」

「ぜぇ〜はぁ〜……やっと、着いたな……」

「……ひゅ〜……ひゅ〜……」


ゼロの声掛けに頷くことでなんとか反応した俺たちは、たまらずその場に崩れ落ちた。


「よし、2人のポイント開放が終わったら、15分間の休憩時間を設ける。ソーイチは今のうちにホームへ戻って、【見習いカメラマン】に転職しておいてくれ」

「あっ、それがあったか……。これからさらにキツそうな山登りやのに、俺だけ転職する分、休憩短いやん……」


「ははは、お前自身が選んだ道だろ。疲れているとは思うが、甘んじて受け止めてくれ」

「はいはい……こんなことなら最初から素直に【見習いカメラマン】にしとけばよかったわ……」


目の前には、岩肌が剥き出しになった険しい山の入り口。そんな山を早足で登らなければいけないのに、転職する時間の分だけ休憩時間が削られると悟った俺は、半泣きになりながらホームへと一時帰還。

ジョブをメイン【見習いカメラマン】、サブジョブを【付与魔術師】にささっと変更してから、元の場所へとんぼ返りした。


「お疲れ様。ちゃんとジョブは変えたか?」

「もちろんや!と言うわけで再開まで、俺は寝る!」


そう宣言した俺は、いつの間にか救護室と化したアマネのところまでフラフラと歩き、彼女の横で倒れるように寝転がる。


(現実やったら虫とかおるんやろなぁ〜)


少しでも癒されてほしいとの気遣いからか、ゼロ達が葉っぱをかき集めて作った天然物の枕に頭を預けながら、俺は変に現実的な感想を心の中で呟いたのだった。



次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
はじめまして。3日前におすすめで知り、読破しました。 ソーイチさんもタラシ枠ですねぇ。愛され枠というか。 ノア以外の街の話はナウシカの原作を思い出しました。色々と違うしあの旧人類とは180度違いますし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ