266.全ての転移ポイント開放①作戦会議と少しの慢心
「以上で拠点作成についての説明を終了いたします。長話にお付き合いくださり、ありがとうございました」
「フレンこそ質問とか色々答えてくれてありがとう。これで明日はいいコンディションで挑めそうや」
「ふふふ、お役に立てたなら幸いです」
「ははは……って、もう8時過ぎか。この後予定あるしこれで失礼するわ」
明日の依頼についての質疑応答も終わり、知りたい事は大体聞き出せた俺は、フレンにお礼を伝えた後席を立つ。
その際、トーマス用のクッキーを絶対渡すように、フレンに再度お願いしてから、俺はギルドを後にした。
(ふぅ〜。いよいよ開拓&拠点作りっていう、リアルじゃまず体験出来へんイベントの始まりやな……って、冒険用にジョブとかの準備が必要なの忘れてた!?さっさと帰って準備せな)
ジョブの構成すら終わっていないのを思い出した俺はすぐにホームへと帰還。そして大急ぎで冒険用のジョブとスキルを組み替える。
(ベースは調査隊行った時の構成でいいとして、【見習いカメラマン】のセットは最優先。でも、余りまくったSTを【伐採】で使い切るんやったら、序盤はあえて外すのもありか?)
獲得経験値やスキルの組み合わせなど考える事は山ほどあったが、なんとか3パターンのプリセットが完成。
時間が少し余っていたので、付与魔術師ギルドで新しく受注した魔力電池を充電したり、木馬に跨りながら明日のスキル講習用の資料を読み込んだりして集合時間まで時間を潰した。
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「みんな揃ったか〜」
「セキライ君が未確認のイベント踏んでしまって、抜け出せないようです〜」
「あちゃ〜。タイミング悪すぎだが、新イベントじゃあ仕方ないな……。誰か代わりに参加したい奴いるか?」
「あっ、それなら参加したいです」
「よし、それじゃあマロンに決定だな。他のメンバーは各々好きに動いてくれ。
集合直前に少しのハプニングが起きたが、なんとか開始時間までに参加者は出揃う。
ちなみに今回の大冒険には、俺・ユサタク・ゼロ・フワフワ・アマネ・マロンの6人に決まった。
「さて、今からソーイチの【転移ポイント開放ツアー】に行くわけだが、その前に現在の開放状況を共有しようか」
「無駄足になったらいけませんしね〜」
「う〜ん、解放してるポイントか……とりあえず東西の森と泉。あとは大森林の入り口・出口と大樹に海岸線の合計6ヶ所やな」
「つまり町から最北端までの一直線上は開放済みなんだな。それじゃあ、第一部を東側を中心に、第二部を西側を中心に回っていく。それでいいか?」
そういって辺りを見渡すユサタクの問いかけに、全員が頷く。
「よし、それじゃあ【ノア東部の森】へ転移を行い、そこから山岳地点まで移動。3時間以内に4ヶ所の開放を目指す。あと、結構キツイ山道だから体力の少ないソーイチやアマネの事は常に気にしてやってくれ」
「はい、わかりました」
「バフでの体力アップはおまかせあれです〜」
「ソーイチさんのことは、私が常に見つめ続けますよ!」
「あの、マロン?私も庇護対象なんですけど……」
「お〜い。まだ話の途中だぞ〜」
「あっ、ごめんなさい!続けてください」
冗談混じりのやり取りに苦笑していると、ユサタクが強制的に雑談を終わらせる。そして咳払いを一つして、冒険についての最後の注意を口にした。
「コホン……あとは山岳地帯は魔物との戦闘も多くなると思うから、出発前にポーションは全種類10個以上持ち込む事。そして残数の確認は、転移ポイントに到着するたびに忘れずに行う事。いいな!」
「「「「「はい!!!」」」」」
「よし、いい返事だ。それじゃあ出発するか」
こうして作戦会議を終えた俺たちは、ユサタクの転移に相乗りして、【ノア東部の森】へと一斉に転移した。
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「……よし。ST消化終了!
「お疲れさん。何十発アーツを放つつもりなんだよ」
森へと転移した俺が最初に行ったのは、温存しておいたSTをフルに使っての伐採作業。その回数が予想以上に多かったのか、苦笑いしながらユサタクは突っ込む。
「いやいや!そっちがST残しとけって言ったんやろ。そのおかげで、もう少しで溢れるところやったんやぞ」
「確かに俺が言ったことだったな、すまない。でも【伐採】って【見習いカメラマン】に経験値入らないだろ?だから途中で切り上げると勘違いしてたんだよ」
「いや、今回はメイン【開拓者】、サブ【木こり】にしたから無駄になってないで」
「えっ!?ワールドアナウンス狙いで絶対にカメラマンで来ると思ってたぞ!?」
「少しの経験値効率のために賞金レースのポイントを後回しにするとは、らしくないですね」
「まだ移動したばかりですし一旦戻りますか〜?」
話を聞きつけたのか、意外そうな顔をしたゼロとフワフワが会話に加わる。
「それは大袈裟すぎやって。次の転移ポイント開放したら一旦ジョブチェンジするし、心配せんでええって」
「確かにソーイチ以外で【カメラマン】に一番乗り出来そうなプレイヤーは居ませんしね。数十分のロスは許容範囲ですか」
「そうそう、だからお説教はこれくらいにして、ロスを減らすためにも急ごうや」
「その油断がフラグにならないことを、祈っておきますね〜」
少し納得してない様子であったが、時間の無駄だと悟ったのだろう。これ以上の議論は起きず、全員が目的地まで走り始めた。
この決断が成功するかどうか……ダイスでも振るかな(ボソ
次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。
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