265.開拓者専用の特別クランクエストと新しいスキル
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【フィールド内での拠点作成】
ギルド職員立ち会いのもと、指定された箇所へ簡易的な拠点の作成
開始予定時刻:陽の月4週目木の日 9時
集合場所:冒険者ギルドの第3会議室
必要技能:【開拓者】をメイン・サブのどちらかにセットしている冒険者
累計レベル50以上
推奨技能:【伐採】Lv3
報酬: 10万ゴールド BGPチケット10枚 CGPチケット10枚 1,000EXP および、作業貢献度に応じた追加報酬
※当日9時〜11時まで準備段階として、【拠点作成】と【開墾】スキルの講習を行うので、事前に配布した資料を読み込んでおくこと(スキルボード起動用の初級MPポーションは人数分支給)
※開拓時に手に入れた木材などのアイテムの所有権は、基本的に作業者に帰属する
ただし、監視役のギルド職員に取得物を納品する事で、ギルドポイントやポーションと交換することは可能
※監視員の指示する箇所以外の開拓業務は絶対に禁止。もし破った場合は内容により罰を与える
※今回作成した拠点の保有権はノアの町のものとする
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依頼書にびっしりと書かれた内容に、まずは一通り目を通す。そして、いつの間にか運ばれていた紅茶を啜った後、フレンに読み込んだことを伝えた。
「うん、とりあえず全部読ませてもらったわ」
「お早いですね」
「まあ、メインジョブは【司書】やし、文字を読むのは慣れてるよ。それよりも依頼についての注意点とかを、順を追って説明お願いするわ」
「かしこまりました」
俺からのお願いに咳払いを1つしてから、依頼説明が始まった。
「まず大前提のお話なんですが、明日の拠点作成の依頼は冒険者ギルドから2名の職員が同伴することとなっております」
「まあ、無断開拓は犯罪やしな。お目付役がつくのは当然やな」
「ええ、おっしゃる通りです。それに加えて、開拓時に手に入れたアイテムの交換業務。さらに依頼書には書いておりませんが、拠点に転移可能にするための魔道具の運搬も行います」
「ほほ〜、そんな魔道具あるんか。それならバンバン拠点作ったらええのに」
「あはは……それが希少な材料をいくつも使用している上、作成難易度がとても高いんですよ。その分、高価な魔道具なので、吟味した上での設置となるんですよね」
「世知辛いなぁ〜。でも魔道具職人……やっぱりオモロそうやな」
ゲーム的な都合かもしれないが、一応の理屈が通っているので納得。そして休み前から考えていた【魔道具職人】への転職意欲が、自分の中で燃え上がるのを感じた。
「さて話もまとまりましたし、次は集合日時から報酬までの基礎項目についてご説明しましょうか」
「了解。……まあ、書いた人が上手かったのか、依頼書に大体の情報は載ってるけどな」
「ふふっ。実はこの依頼書を作ったのトーマスさんですよ」
「トーマス!?久し振りにその名前聞いたな!って、そりゃそうか、依頼書の担当やったもんな」
サービス初日、俺がロケットスタートの成功に、大きく貢献してくれたトーマス。この依頼書が彼のお手製だと認識した事で、手元の資料がうっすらと輝いて見えた。
「この依頼書を作り終わったトーマスさん、久し振りにソーイチさんに会いたいって言ってましたよ」
「マジか!?……今日明日は用事尽くしで無理っぽいから、これだけ渡してもらえる?」
「モチョさんのクッキーですね。お話が終わり次第、すぐに持っていきます」
「ありがとう!でも、つまみ食いはNGやで」
「もう!いくら私でも、そこまで食い意地張ってないですよ」
「あは、ごめんごめん」
お礼の中に少しの軽口を混ぜたところ、フレンは顔を真っ赤にしてぷりぷりと怒った。
「コホン。話がそれましたね。それでは基礎項目については、ソーイチさんの質問に答える形式でいきましょうか」
「その方が良さそうやな。……それじゃあ2つ質問。推奨技能に【伐採】Lv3が含まれる理由を教えて」
「推奨スキルについてですね。実は【伐採】スキルですが、Lv3から1度に2本の樹木から木材を手に入れられるアーツを覚えるんですよ」
「【コピー】に対して【2枚刷り】【3枚刷り】みたいな役割のアーツがあるんやな」
「その通りです。作業効率や消費STが良くなりますので、可能であれば目指してみてくださいね」
「オッケー」
ユサタクがSTを【伐採】メインで使えと言っていた理由はこれだったのか、と納得した。
「さて残りは補足事項についてですね」
「待ってました!このスキル講習スタートっての気になってたんよ」
「やはり、気になりますか」
「そりゃ一度に2つのスキルが手に入るんやで?気になるに決まってるやん」
「ですよね〜。でも作業中に使うスキルを仕事前に覚えてもらうだけですからね。スキル内容は配布資料を読み込んでもらうだけですし、あまり話せる内容がないんですよ」
「あらら。それなら明日までに資料を読み込みたいし、俺にも1部くれへん?」
「ええ、こちらをどうぞ」
そういって引き出しから2種類の冊子を取り出し俺に渡す。
「ありがとう、空き時間に読ませてもらうわ」
「当日にも簡単な講習しますけど、時間短縮のためにもよろしくお願いします」
「あいよ」
「では、次の説明ですが……」
その後もフレンによる説明は続いた。俺は手渡された依頼書とフレンの顔に交互に視線を向けながら、その他の内容について質問混じりで聞いたのであった。
次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。
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