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◇ ◇ ◇
――東京。
収録スタジオ。
大型モニターには、島で共同生活を始めた十二人の姿が映し出されている。
その映像を見守るのは、『Love Archive』のMC三人。
人気お笑い芸人・高木。
恋愛トークに定評のある女優・藤咲奈々。
そして恋愛心理学者・城戸先生。
「いやぁ!」
VTRが一区切りすると、高木が早速身を乗り出した。
「今回は豪華だねぇ!」
「豪華ですね。」
藤咲も笑う。
「アイドルに俳優、モデル、シンガー。」
「本当に恋愛リアリティーショー? って思っちゃいました。」
「恋愛できるのかな?」
高木が笑うと、スタジオも笑いに包まれる。
「まず気になったのは。」
城戸がモニターを見ながら口を開く。
「第一印象ですね。」
「一ノ瀬さん。」
画面には、自己紹介後のインタビュー映像。
『第一印象なら、ほたるちゃんが一番かな。』
『話してみたいです。』
「おぉ!」
高木が手を叩く。
「いきましたねぇ!」
「これは素直。」
藤咲も頷く。
「変に駆け引きしてない感じが素敵。」
「二十七歳の余裕ですね。」
城戸も微笑む。
「そして、こちら。」
画面が切り替わる。
女性部屋。
『方向音痴の人。』
「一ノ瀬さん!?」
「そこ!?」
VTRの中で女性陣が大爆笑している。
スタジオも爆笑だった。
「あははは!」
高木が机を叩く。
「理由が!」
「方向音痴だから可愛いって!」
「そんな選び方ある!?」
「天然ですねぇ。」
藤咲は笑いながら涙を拭く。
「でも結果的に、一ノ瀬さんを選んでるんですよ。」
「そう!」
高木が指を差す。
「現時点!」
「第一印象!」
「相思相愛!」
スタジオから拍手が起こる。
「まだ恋愛感情ではありません。」
城戸が冷静に補足する。
「ですが、お互いが『一番気になった相手』という意味では、一番早く線が繋がりました。」
「なるほど〜。」
「これは今後どうなるんでしょう。」
藤咲も楽しそうだ。
「一方で。」
高木がニヤリと笑う。
「Asterism!」
画面には四人の映像。
「いや!」
「仲良すぎる!」
「あれ反則!」
スタジオが笑う。
「ドラマ共演とは聞いてましたけど。」
藤咲が苦笑する。
「ほたるちゃんを囲む空気が、すごく自然でした。」
「視聴者も。」
「『妹みたい』って感じる人、多いでしょうね。」
城戸が分析する。
「特に神崎さん。」
「保護者感がすごい。」
「恋愛する気あります?」
高木が笑う。
VTRには短すぎる自己紹介。
『仕事ばかりしてきたので。』
「あれ!」
「十五秒で終わった!」
また笑いが起きる。
「逆に気になりますよね。」
藤咲が笑う。
「仕事しか見えてないって言う人ほど、恋に落ちると一気に変わったりしますから。」
「あるある!」
「水城くんは?」
画面には。
『彼女募集中!』
「正直!」
「最高!」
高木が親指を立てる。
「こういう人、一人いてほしい!」
「番組が動きます。」
「黒瀬くんも恋愛一直線でしたね。」
「彼女欲しいって即答。」
「分かりやすい。」
藤咲も笑顔になる。
「そして。」
城戸がゆっくり言う。
「私が少し気になったのは。」
「御影さんです。」
画面には弓弦。
王子様のような笑顔。
『みんな魅力的でした。』
「完璧。」
「百点。」
高木が頷く。
「でも。」
「逆に完璧すぎる。」
「そうなんです。」
城戸も頷いた。
「感情を見せていません。」
「本心が読めない。」
「王子様キャラだからなのか。」
「それとも。」
「まだ様子を見ているだけなのか。」
「ここは今後注目ですね。」
「あと!」
藤咲が身を乗り出す。
「女性陣も個性豊か!」
「橘ひまりちゃん!」
画面には。
『イケメンは主食です♡』
「好き!」
高木が爆笑する。
「正直すぎる!」
「番組回してくれそう!」
「天野莉子ちゃんも面白い。」
「場を明るくしますね。」
「白石あやめさんは包容力。」
「美月さんはクール。」
「MASHIROちゃんは人見知り。」
「本当にバランスがいい。」
十二人それぞれが違う色を持っている。
だからこそ。
誰が誰を好きになるのか。
まだ誰にも分からない。
ただ一つだけ、確かなことがあった。
「第一印象。」
高木が笑いながら締めくくる。
「現時点のリードは!」
「一ノ瀬くんと、ほたるちゃん!」
「さぁ!」
「このまま恋に発展するのか!」
「それとも!」
「ここから大どんでん返しが待っているのか!」
スタジオの期待とともに。
島での一か月が、いよいよ本格的に動き始める。




