2話 少年、飯とギルド
焚き火、肉、少年
火が薪を燃やす音
肉の焼ける音
串刺しの肉が流す肉汁
少年の静寂
この空間を支配している食欲
肉
いい響きだ、こいつさえ食えればどんな場所でも生きていける。
そう思うぐらいには肉は良いものだ。
肉を前にした時、少年であれ皆等しく男
見た目や年齢など些細なものだ
地竜の肉、剥ぎ取りと解体を終え、1日の労働という任を終えた男の最高の晩餐
現地解体、現地での食事、これすなわちハンターの醍醐味であり、特権でもある。
火で炙る
炎が肉に触れる。
炎、人類が生み出しせし、最初の発明において、今もなお食と密接に関わるもの
雑に串に刺した肉を、パチパチ パチパチと
炎が肉汁を食らいながら焼く。
まさしく火炙り。
肉の加減をみながら、いまか、いまか、待つ
「ん、」
ゴクリ
う、美味そう、美味そすぎる
腹が減っているからといってこんなに、こんなに肉を求めてしまうとは。
しかし、この空腹はスパイスだ、最高の食事のためのスパイス。
「も、もう いいだろうか」
串を触る、少し触れるだけで、肉汁がポタポタとしたたる。
ジュワ ジュワ
「は! はぁ はぁ うン 」
ゴク
う、うまい、絶対うまい
食べなくてもわかる!、食べるけど!!
中まで火が通ったことを確認する
串から外し、適当に切り分ける
最高の出来加減
「い、いただきます」
手掴み、分厚いステーキ状の肉を、いや分厚い肉の塊を。
「はぁあーー」
大きく口を開け
「ん、」
喰らう
ブシャリ
分厚い肉を噛みちぎり、咀嚼、
噛む 噛む 噛む
噛みまくる
肉汁が口中に溢れる
それを全て
ゴクン
呑み込み
「あ〜〜〜」
訪れる瞬間は
「最高かよ」
至福
食欲という生存本能を、腹を満たすという原初の欲望を、生物としての野生を喰らう、肉を喰らう。
一度余韻に浸ればあとはもう、くらい尽くすのみ
ひたすらに噛んで、噛んで、噛みちぎって
口の中で咀嚼、咀嚼、咀嚼
溢れ出る肉汁と共に全てを
ゴクリ
呑み込んだ。
ーーーーーーー
「あー食った、食った」
喰らい尽くした、もう食べれる場所は存在しない
満腹間に身を委ねる
「最高」
条件反射に出るその一言は、男の幸せである。
ーーーーーーーーー
翌日
ギルド
「お姉さん♩」
鬼気迫る空気を安らかな覇気が切り裂く
「おや?どうかしましたか」
(迷子かしら?)
獲物を狙う者たちへのあっせんじょう
この年の少年が遊ぶ場所にしては
血と欲望が多すぎる
早く日常へ帰さなければと、幼き少年への親切
「討伐完了の報告に来ました、これ地竜からとれた魔石です。」
が、笑う死神は
礼儀を持ってこの場に立った
「え! あっ え!! ちょっと待ってね」
受付の女が奥に下がる
視線が一斉に集まる、
幼き少年を見る目と竜を討伐した強者に怯える目
2つは同時に存在し、疑いと恐怖、好奇心とプライドがこの場に溢れる。
視線と空気、重圧がこの場にはびこる。
この泥に触れていれば、いかな人間も肩に力が入る
子供がハンターというのはどこでも珍しいものなか?
はずなのだが、呑気
されど、少年の、いや、あらゆる強者の纏う覇気はそれを寄せ付けない
「し、失礼します」
奥から老人がでてきた
「地竜討伐お疲れ様です、よければ奥でお話をお聞かせ願いたいのですが」
この誘いにあるのは善意だけではない、
思惑が見え隠れする
白と黒のはびこる世界はグレーを落とす。
純粋な善意もなければ、純粋な悪意もない
人の世界だからこそ言える、気色の悪さ。
竜を討伐できるほどの人材、真偽の程は後に
確保しない訳にはいかない、あわよくば専属のハンターになってもらう。
死神はニコリ笑い
「すいません、急いでるので」
静寂が場を覆う
一同全員 え?
瞬間的にば思考が止まる
どこのギルドもこれだな
そう思いながら去るのだった




