聖女としての役目、聖女の自覚 ①
「ん〜、、、、ふぅ、出来たぁ」
「上手ですよ、千結様」
「まぁ、上出来、だな」
今、俺は枯れた花を元に戻す、事をやっている。
完全に戻すのに全身の魔力使ってる感覚に陥りながら、椅子に座ると肩に置いて、褒めてくれた人とちょっとツンな褒め方をしてくれた人は俺の聖女としての教育係で、王族直属の家庭教師のアルバート師匠とイーサン師匠だ。
双子だ。
髪色が同じで左右反対のオッドアイが特徴的で、アルバート師匠が鬼人族、イーサン師匠が龍人族だ。
ー2人は母親が鬼人族、父親が龍人族の間に生まれており、種族の特性上アルバートは火や土に強く、イーサンは水や風に強い。そして2人して共通してあるのは力が強く走るのも早いー
此処に暮らして2週間ぐらい経ってから、俺は聖女としての教育って事で、この2人が付けられた、んだよねぇ。
「でも、何で花を元に戻す、なんて事やってるんですか?」
「そりゃあお前なぁ、初っ端から人の傷治せるかって話だ。最初に説明したろ」
「イーサン、もう少し優しく、ね?慣れてない時から人の怪我を治すってなったら必ず失敗しちゃう可能性もあるからね」
「そう言う事かぁ」
「兄貴は千結に甘いっての」
「異世界から来てまた数ヶ月なんだからしょうがないでしょう」
イーサン師匠が弟だって事に最初はビックリしたけど、納得しちゃったよね。
俺が元に戻した薔薇の花を見る。元に戻す原理としては薔薇の中にある吸収した太陽の魔力と俺の魔力を注いで、葉の全体や菊に行き渡して治癒魔法を使う事で元に戻る。
って感じかな。
難しくて最初は全然出来なかったし、魔力の操作とか魔力を練ったり、魔力の使い方に全然慣れなかったが、師匠2人の厳しくも優しい教育のおかげで出来る様になったのだ。
「それでだ、前にも言ったが、治癒魔法には2種類あるのは覚えてるよな?」
「覚えてます!えっと、相手の魔力を経由せずに怪我や病に作用して、怪我の元や病の元に治癒魔法を付けて、肉体?の方にするって感じで徐々に治癒するって感じ。肉体のにある筋肉や血管などから魔力を通すけど、時間はかかって。内側って言うより外側から魔力を通しての治癒って感じ?かな、それが最初で、もう1つは、えっと、、、、あれ?」
「もう1つは、相手の魔力を経由しての治癒。それは言わば相手の体を完全に自由に治癒出来るって事。体全体は魔力の膜で覆われているでしょ?それで、血管の隣に魔力の管もあって、魔力を経由する事で治療すると、全身に自分の魔力を行き渡して治療出来る時間が早くなるんだ」
「ただ、魔力の適合が高くなければ、魔力は相手の体には入らない。弾かれるって感じかな。適合すれば相手の魔力経由で、呪だったりも排除出来る。相手の魔力も自分の魔力を馴染ませるって感じ。効率はこっちの方が悪いけど」
「分かったかな?」
「はい!分かりました!」
「(アルバートの頭を叩く)馬鹿か、兄貴、何で教えんだ。自分で覚えないとダメだろうが」
「痛いなぁ。イーサンはもう少し優しく、したら?」
「リュカ殿下からしっかりと教える様にって言われただろ?聖女だからって甘くするな」
「聖女だから甘やかしてる訳じゃないんだけどなぁ」
「それだから舐められるんだよ」
「厳しいだけってのも僕はどうかと思うけどね、イーサン」
「あ゛?」
あれれ?何だか空気が悪い?
俺のせいかな、ど、ど、どうしよう。確かに甘やかされてた気はしてたけど!!!!!!
ぁ!そ、そうだ!アレだ!これがあるじゃん!俺には!
俺はそう思って険悪な雰囲気をしてパチってる師匠達を横目に、半透明のパネルを出して2人の好物であるお肉を使ったチーズハンバーガーとフライドチキンをカートに入れて、購入ボタンを押す。
すると、目の前に少し大きめの紙袋が俺の掌の上に落ちた。
「(よし!)」
中身を取り出して、2人の前にチーズハンバーガーとフライドチキンを向けて一言。
「これ食べて機嫌直して下さい!」
「「!、、、、これって、、、、良い匂い」」
「どうぞ」
「「、、、、、、、、いただきます(千結から受け取る)」」
よし、受け取って貰えた。
2人は、俺の迫力にビックリしてたけど、チーズハンバーガーとフライドチキンの良い匂いに釣られて、受け取って2人は少し目を合わせてから食べ始めた。
アルバート師匠はチーズハンバーガーを食べて、食べた瞬間目を見開いてパクパクを食べ続けてる。何が言いたげに俺の方見てるけど、それよりも美味しいからか食べ続けている。
イーサン師匠はフライドチキンを食べて、食べた瞬間目を瞑ってビックリ味わって食べ続けている。何でこんなに美味しいんだ?みたいな不思議そうな顔をして食べ続けている。
部屋の空気が結構良くなっている気がする。
まぁ、美味しいもの食べたら機嫌良くなるよね!そりゃあそうだ!
「機嫌、治りました?」
「、、、、うん。ごめんね、千結様。怖かったよね」
「悪かった。目の前で喧嘩して」
「治ったなら良かった」
「つか、アレどこから出した」
「そうだよ!どうやって!!?!?」
「ぁー、それは企業秘密って言うか」
「「企業って何!!?」」
「ぁ、そこから、まぁ秘密です、秘密」
機嫌は治ったけど、チーズハンバーガーとフライドチキンの出所が気になった2人に揃って詰められちゃう俺。
こう言う所で双子っぽい所出さないでよ。揃ったりしたりしないでよ。
俺は気まずくてと言うか言う事も出来なくて目を逸らしてしまう。
そう、さっきのは俺が獲得したスキルのウチの1つで【インターネットショッピング】って言うスキルだ。
簡単に言えば、さっきの半透明のパネルから俺達の居た地球産の商品を購入する事が出来るスキルと言えば良いだろ。
どうやって此処まで来てるか分かんないけどスキルの中に瞬間移動の魔法とかも含まれてるんじゃないかな、と俺は予想してる。
あの日、このパネルが現れた時は流石に動揺したけど、今は寧ろこれがあって最高!としか思ってない。
まぁ、購入するにはお金が必要だから、リュカさんから貰ったお金を無駄遣いしない様にしてるぜ!
2人からの尋問、じゃなくて授業が終わって俺は部屋に戻る。
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今、俺の目の前には目を背けたくなる光景がある。
「千結〜、ハンバーガー追加〜」
「俺はポテト追加でお願いします」
「ぁ!遥、僕のメロンパン取った!返してよ!」
「え!これ、寧のだったの!?ごめん!千結、メロンパン追加!」
「美味っ、シュークリーム。まだ食べれる」
「出てけ、オメーら」
「「「「「ヤダ」」」」」
何でほざく俺の友達5人。
はっ倒そうかな、って思っちゃうけど、やっても聞かないんだよ。
【インターネットショッピング】通称【インショ】をこの5人にバラすんじゃなかった。バラしたら好きなだけ俺に購入させやがって、、あと人の部屋のベッド汚してはないけど、色々置くなよ!!
まぁそんな俺の気持ちなんて忘れてるかの様に、パジャマを着ながら、食べたり飲んだりしてる。
訓練が大変なのは分かるけど、、、、、ハァァ
「後でお金請求するからな」
「「「「「はーい」」」」」
結局甘い俺が悪いって結論にいつもなっちゃう。
俺もベッドに座って、購入しながら5人に訓練の話を聞いたりする。
夜中だからみんな少し眠そうじゃないし寧ろ、これからだ〜!みたいな感じだからうるさくしそうだけど、まぁ、俺がうるさくはさせないけどね!
「んで、みんな訓練はどう?大変」
「ッ〜!聞いてくれよ!大変ってもんじゃない!超大変!」
「だけど?」
「とっても楽しい」
「「「「「だろうな」」」」」
「毎日素振りとか、腹筋とかやってて無駄に筋肉付いちゃったけど、楽しいんだよなぁ。剣に囲まれてるからかな」
「本当、剣一は剣の事になると馬鹿な頭がもっと馬鹿になってIQ下がりますよね。これ以上下げられたらもっと馬鹿になってしまうのに」
「???、、、、、、、、??????」
「誠、誠、今のは剣一にとってはオーバーキルだから。可哀想だから辞めてあげて」
「俺だって、とっても疲れてるんですからね」
ん〜、誠が1番疲れてる感じ?まぁ、魔力を使うのは体力って言うよりエネルギー使うから、ちょっと気持ちは分かる。
誠と同じなのか、鈴も疲れてる感じでひたすらにシュークリームを食べている。
俺もおむすびを食べながら誠達の話を聞く方に時間を使おうかな。
「魔力を練ったりとか、魔力を集中したりとか、魔力を外に放出するとか、本当に疲れるんですよ!!意味が分かんないし、頭の中で整理してイマジネーションとか普通に疲れます!でも、楽しいんです!難しいって感覚が久しぶり過ぎて本当に楽しいんです!」
「ん〜、誠は難しい事って言うか壁にぶつかると興奮すると言うか、それを超えるぐらい頑張っちゃうタイプだもんね」
「私なら考えられない、かも。流石、勤勉タイプ、、、、私は出来ないし」
「確かに、遥は勉強は一切出来ないタイプだもんね。僕達の中で1番頭が、いや、1番悪かったのは剣一だったか」
「アレ!?俺に被弾してない!!?寧!?」
「してないしてない」
「剣一、うるさい。少しは静かにしてよ」
「ぁ、はい、千結、さん」
あー、やっぱり、友達って言い!そして親友も言いな!
ちょっとうざい時とあるし、めんどくさい時もあるけど、こうやって楽しく話せるのはやっぱり友達なんだって思う。
まぁ、幼馴染って事もあるから、家族以上の絆もあるんだけどさ。




