異世界転移は突然に ④
「」は普通の会話 『』は過去や電話など
〈〉は小声で話している () は心の声や動作
・・・は時間経過 ***は話し手交代
○○○は過去振り返 ー文章ーはナレーション
「千結、ちょっと良いか?」
「?なんですか、リュカさん」
そのあと、部屋に戻って紅茶とお菓子を堪能していると、リュカさんが部屋に訪ねて来た。
どうしたんだろ?まさか、他の5人は頑張っているのに俺は何もしてない大馬鹿野郎だって叱りに!!?
アババババッ、だ、だって聖女って何すれば良いか分かんないんだもん!!俺震えちゃう!!
って、馬鹿な事を頭の中で繰り広げるのは置いておいて、リュカさんのとこ行くか。
「紹介したい人間が居る。1人は今日から千結の護衛になって貰う予定だ」
「紹介したい人?」
「あぁ、入って来てくれ」
リュカさんが合図すると、部屋に3人の男性が入って来た。
1人は黒髪に白い目で執事服だけど俺が今日見た他の執事さん達とは少し違うデザインの執事服を着たなんだか吸血鬼風味を感じる男性。リュカさんより身長は低いし筋肉はあんまりついてないっぽい。
2人目は騎士さんの格好をしてて、これまた他の騎士さんとはデザインが違って赤髪に濃い緑色の目をしてて、ぁ、髪一つ結びにしてる。人族、かな、人族の男性。リュカさんより身長は全然低いけど、体格は同じぐらい?屈強って感じはしない、かな。
最後の3人目も騎士さんで2人目の男性と同じデザインの格好をしてて、薄い緑色の髪に黄色の目をしてて、そばかすがあってツノが生えてる。鬼人?族の男性。リュカさんと身長は近くて体格はリュカさん以上、デカワンコって感じ。
なんだか一気に結構広い部屋に圧迫感を感じちゃうなぁ。何でだ?
1人目さんは落ち着いた雰囲気で2人目さんは優しい笑顔を向けてくれて3人目さんはド緊張してる。
それから、リュカさんが俺に優しく紹介してくれた。
「執事服を着ているのは吸血鬼族で俺より2つ年上で俺の専属執事のアルフレッドとこっちの赤髪の騎士が俺と同い年で幼馴染のヒューゴ。最後が19歳の鬼人族で新人騎士n
「サイラスです!」
だ」
「コラ!、サイラス!リュカが紹介しているのに、割り込むな!」
「!、す、すみません!先輩!」
なんだか、俺楽しい雰囲気感じちゃってるぞ。
何処となく、俺の大切な友人達を彷彿とさせるような。
あれ?その場合、誰が誰だ?それに1人足りないし、、、、って、今はそれじゃなくて。
バランスが良いって言うか、ツッコミとボケ、それを傍観者、、、、うん、やっぱり良い。
にしても、やっぱり異世界人だなって思うぐらいイケメンだな、マジ。
いや、違う。リュカの近くだからイケメンって事か!!
何て馬鹿な事考えてたら執事さんであるアルフレッド?さんが会釈してから話しかけてくれた!
「初めまして、千結様。この度はこちらの不手際で、こちらの世界に召喚させた事、まずは謝罪させて下さい。申し訳ございません」
「!、謝らなくて良いですって!俺、不快に思ったとか、怒ってはないんです!」
「、、、、それなら、良いのですが」
「アルは礼儀正し過ぎるな。まぁ、そこがアルの良い所だけど」
「リュカ殿下、こう言うのは礼儀正しくするのは常識です。状況的に巻き込んでしまったのはこちらなのですから」
「ぁ、はい」
やっぱり、リュカさんも年上と言うかちゃんとしている人には弱いんだな。
、、、、分かる。
しっかりしているタイプには弱いのは超分かる。
でも、俺は俺で礼儀正しく接させるのは、照れくさいって言うか、小っ恥ずかしいって言うか。うん。
「初めまして、千結様。ヒューゴと申します。聖女として選ばれたからには、必要以上に守られる覚悟を、一応は言っておきますね」
「、、、、やっぱり、この世界でも聖女って立場上なんですか」
「あったり前ッスよ!!ぁ!サイラスです!気軽にサイラスって呼んで下さい!護衛として、千結様守るんで覚悟して下さい!!」
「(軽くサイラスの頭を叩く)、うるさいぞ、サイラス。コイツ馬鹿ではありますが実力はあるので」
「よろしく、お願いします」
やっぱりさ、ヒューゴさんとサイラスさんコンビ相性良いな。
お笑い芸人になれそう。
いや、そんな簡単に芸人になれるほど甘い世界じゃないけども。
にしても、この世界での聖女の立場って一体何なんだ???って思う。
ファンタジー作品とかなろう系の作品だと、世界を救うとか、どんな病気も怪我を治す、邪気を払うみたいなチートみたいな立場だけど、イマイチこの世界だと分かんない。
こう言う時は、やっぱり聞いた方が良いよな、うん。
早速、俺は次の日王宮を案内してくれているサイラスさんと2人っきりになったので、聞いてみたぞ!
「え?、この世界での聖女の立ち位置、ですか?」
「はい。俺、詳しくリュカさんに聞けてなくて、気になってて」
「良いッスよ!教えてあげるッス!あと、敬語じゃなくても良いッスよ!」
「うん、ありがとう」
「約150年前、異世界から千結様達の様に、聖女召喚されたんッス。当時、この世界には不治の病や魔物達の邪気で亡くなったり、寝たきりになった人達が多発したんッスよ。治癒魔法でも完全に治すことは出来なくて、段々とやる気や気力させ奪われて行って。植物や動物達も枯れたり、死んでいったりしたんッス。人々は諦めて、その日暮らしになって、痩せこけたり、倒れたり、阿鼻叫喚、ッスね。それで、何とか解決しようと当時の王様達は考えてた」
「それで、異世界から召喚する経緯になった?」
「そうッス。違う次元の者の治癒魔法なら解決するかもって結論になったんッスよ。それで、無事に聖女を召喚する事が成功して、王宮魔術師達からの教育もあって順調に成長して、病や邪気を全て解決、事の原因だった当時の魔王も討伐したんッス!だから、この世界では聖女は英雄であり、神様、なんッスよ」
「、、、、」
マジかぁ。
考えてみろ。それってある意味、戦争、みたいなものだ。
たった1人が、たった1人で戦争の原因を倒して、解決したって事だろ?
え?じゃあ、俺その聖女さんと同じぐらいの能力持ってるって事!!?!?
イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ、スペック的に持ってても精神的には持ってねーし!!
なーんか、サイラスさんの方見れねー。雪豹の耳はサイラスさんの方向いてるけど。辞めろ、話聞きたい奴みたいに見えるだろ!!
とりあえず、中庭の方に視線向けよう。
、、、、あれ?でも、150年前って事は、
「何で、召喚部屋で、聖女の召喚が?」
「?、、、、ぁー!それはッスね。100年前に同じ様に不治の病が流行したんッすよ。だから、同じ様に聖女様を召喚しよう、ってなったんッスけど、成功しなくて、、、、、、、、まぁその不治の病は何とか解決したんッスけどね」
「それなら良かった、、、、けど、俺その100年後に召喚されるって、タイミングがズレズレ」
「そもそも、その時千結様産まれてないッスよね?」
「それもそうか」
この異世界と、俺達の居た異世界の時間の進み方は知らんけど、同じだとは思えないんだよねぇ。
だって、人族以外の種族居るし!
明らかに長い歴史辿ってる感じするし!!
まぁ、、、、言うて地球年齢で言えば、億は言ってるんだけど。
そこ比べるのは、馬鹿らしい馬鹿らしい。
「ぁ、サイラスさん」
「?、なんッスか?」
「その、俺の事、様付けじゃなくても良いよ。俺も、さん付け辞めるし」
「え、いや、それは、ヒューゴ先輩に殺されるって言うか」
「護衛の人に、遠慮とか距離感ある感じ嫌いなの!、、、、ダメかな?(必殺上目遣い)」
「ウグッ、、、、分かったッス。千結、、、、」
「うん!、よし!」
やっぱり呼び捨ての方が良いよね〜!
なんか様付けとか堅苦しいし、様付けされる様な事してないし!
って思うからさ。
距離感あるのは、俺は結構嫌いです!
すると、鼻先にリンゴの様な香りが霞む。
何だろ?花?
何処だろ。ぁ、アレは、
「?、千結s、、千結、どうしたんッスか?」
「いや、アレって」
「アレ?、あぁ、聖女の花の花壇ッスか?」
「聖女の花?」
「はいッス!前の聖女様が治療後に必ず、怪我人達の部屋に花瓶に入れていた花、なんッスよ」
「へぇ〜、、、、(この世界では、カモミールって、聖女の花って呼ばれてんだ)」
視界全体に映る綺麗なカモミールの花畑の様な花壇に少しリラックスをする。
そう言えば、カモミールって花言葉「あなたを癒す」とか「逆境に負けない強さ」だったっけ。
前に、鈴に付き合わされた、花言葉ゲームで培った知識のおかげで覚えてた。
それにしても、異世界になかった花をどうやって?聖女だから???、、、、そう言えば、ステータス確認の時にも、なんか気になったスキルあった様な、なかった様な。
何だったっけ、忘れた。忘れちゃったよ。
うーん、まぁ、いっか。
「あ!、狩に出てた部隊が帰って来たッスね!」
「狩に出てた部隊?、、、、!?!?!?」
「はいッス!、今日は大量ッスね〜」
サイラスの向いてる視線を見て、俺は言葉を失っちゃった。
だ、だって、明らかに只者じゃない雰囲気を纏った軍人みたいな人達が、熊とか鹿とか、アレ猪だ!!
様々な多分動物系統の魔物だと思うけど、明らかに一筋縄で倒せるとは思えんのだけれど!!?!?
なんか、全員筋骨隆々で、ゴツゴツしてて百戦錬磨な軍人みたいな。
「流石、王宮専属料理人達ッスね〜」
「へぇ〜、料理人、、、、、、、、料理人?」
「そうッスよ?王宮が誇る選りすぐりの腕を持った料理人達ッスよ!」
「(スペースキャット顔をする千結)」
??????
料理人?料理人ってあの料理人???
いやいやいやいやいや、俺の知ってる料理人とこの世界の料理人は違う可能性がある!そうだ!その可能性だってあり得る!
そうであって欲しい!あって下さい!!
「?、千結?どうしたんッスか?」
「いや、その、料理人って聞こえて、」
「そうッスよ!曜日ごとに、別れてるッスけど、王族や住み込みの使用人達の食事を作る部隊と、狩って来た食材の処理をする部隊と、さっき見た様な動物を狩る王族直属討伐部隊、の3つに別れてるッスね!」
「、、、、へぇ〜、、、、(なかった)」
この世界の料理人、ってどう言う次元の存在なんだろ。
まぁ、いっか、うん。
気にしたら負けだ。負け。
アレ?、あの背中ってヒューゴさんの様な、声かけようかな。
「ヒューゴs ングッ 「千結、ストーップ!」???」
ど、どうした!?
俺の口元抑えて、物陰に隠れるって!!?!?
めっちゃ焦った顔していてるな、サイラス。
とりあえず、離して!
って思ってるサイラスの手を叩いたら、離してくれた。
「???ど、どうした、サイラス?」
「今のヒューゴ先輩、期限悪いッス、声かけたら、俺死ぬッス」
「え?、そうだったの?、、、、と言うか、何で死ぬって?」
「俺、、、、昔、機嫌の悪いヒューゴ先輩に、」
「ヒューゴさんに?」
「、、パイ投げたんッスよ」
「、、、、それ機嫌が良くても誰でも怒るよ???」
俺でも、それはしない。
機嫌が良くても普通されたら、怒る。
にしても、背中だけで機嫌が分かるって、サイラス良くヒューゴさんの事見てるんだな。
それほど慕っているんだなぁ笑
それから、俺はサイラスに部屋に連れて行って貰ってから、夜ご飯を食べたが、なんか、あの筋骨隆々の料理人達が狩って来た料理を食べるって変な感じだった。
お風呂はなんかタイルとかあったけど広くて、とっても心地よかった。
まだ眠くなくて、暇だなぁ、と思いながら、窓を開けて夜風を当たりながら外を見つめる。
「俺、何すれば良いんだろ。剣一達みたく何か目的がないからなぁ」
改めて異世界暮らしの事を考えると、色々気付いた。
異世界って地球にあるご飯とか服とか物とかゲームがないって事だ。
って事は、見たい番組とか食べたい料理とか食べれないって事じゃん!!!!!!
「、、、、どうしよう。どーしよう。好きなのに、食べれないのは、嫌だ」
異世界転移は普通に楽しいけど、楽しいんだけど、普通に地球産の物がないのが、とっても、嫌だ!!
なんか、元の世界の物買えたり出来ないのかなぁ〜!!
出よ!パネル!見たいな!
俺は思わず、心の中で叫んで、手を広げる。
シュッ
「!!?!?」
ーその刹那、千結の前に半透明のパネルの様な物が現れた。そこには、カートの様なイラストや色々な料理の材料などが書かれたりして、まるでネットショップの様な物だー
「何、これ!!?」




