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聖女君と呪いの王子の異世界生活〜5人の友人付き〜  作者: 橋本衣兎


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命を蔑ろにする人は軽蔑するよ ①


千結(ちゆ)〜、どうだ?」


「どうって何がさ」


「いや、治療どうなってんのかなぁ、って」


「何それ」


村に滞在して2日が経った。

定期的に倒れた村人達の様子を見て治癒魔法をかけたり、問診をしたりしてやっと休憩に入れたら剣一(けんいち)が話しかけて来た。


剣一、王宮と村に瞬間移動のスキルで行ったり来たりのはずなのにめっちゃ元気なのはやはりバグだなって思う。


「軽症の人達は随時回復してるけど、中症重症の人達は長引きそうかな」


「マジか。それって誠達もか?」


「うん、魔力が俺が見た時にはだいぶ吸われたせいで毒が肥大がしてる。あの3人は特に魔力が多かったからそのせいかもしれないけど」


「、、、、まさか毒のないキノコに毒が入ってるとは思わねーもんな」


「、、だね。一応、今毒が何処で作られたか、マシロダケが生えてた付近で捜索してるみたい」


王宮騎士団や兵士達総動員とはいかないけど、リュカさんが集めた騎士達を使って捜索してるみたい。

仮に第三者がした犯行であればまだ村の付近にいる可能性は十分にあり得るから、とイーサン師匠から教えて貰った。


俺が今出来るのは村人達の治療のみ、それが聖女の仕事であり俺がやりたい事。


命を救えれば即ち犯人の目的も叶わないと言う事だ!

なんてね。


「と言うか剣一寝てる?いくら馬鹿でも寝ないと体力が持たないでしょ」


「馬鹿は余計だっての!!ポーションがあるからな!俺には!だから平気だ!」


「全部没収だよ、馬鹿!」


「なんで!?つか、馬鹿じゃないし!」


「あのねぇ、ポーションは確かに体力は回復するし、睡眠不足にも多少は効くが、寝る方が効率良いんだよ。とっとと寝ろ」


「だけど、起きてた方がなんかスッキリするって言うか」


「注射で無理矢理眠るのと自分で寝るのどっちが良い?太いやつだけど、針」


「おやすみなさい、千結閣下」


「おう、とっとと寝ろ」


明らかに寝不足の顔をしてる剣一に聞けば本当に寝てなくて呆れてやっぱり馬鹿だって思った。

そしてポーション使って誤魔化してるって聞いて更に馬鹿だって判明して気が遠くなりかけた。(はるか)もこうだったらどうしよう。


ポーションは確かに効能は良いし、睡眠不足にも補えるけど基本的には睡眠はちゃんと取らないと体に負荷がかかる。

それをまたポーションで誤魔化してたら後で痛い目を見るんだよ、と、アルバート師匠から怖い顔で教わった俺。


剣一の苦手な注射器を懐からスチャッと取り出すと、脱兎の如く、泊まっていた宿屋に走り去っていく。


こう言うところはまだまだ子供だな。いや、14歳ってまだ子供の部類だったわ。


そう思いながら、次の患者の元へと歩き出していると、スンッと花の匂いがしてピコっと雪豹の耳が動いた。

その匂いがある方向に視線を向けると、妊婦さんの息子君がお花の入った花瓶を両手で運んでいるのが目に入った。


「、、何してるの?」


「?、!、聖女様!えっと、母ちゃんにお花見せてあげようと思って!」


「そっか、偉いね。危ないから気をつけるんだよ。ちゃんと前を見る様に」


「うん!、、、、ねぇ、母ちゃん元気になるよね?赤ちゃんも元気に産まれる?」


「、、大丈夫だよ。さっき検診した時赤ちゃんは元気に動いてたよ、元気に産まれてくるよ」


「そっか、ありがとう!聖女様!」


「ううん、これぐらい当然だよ」


心配した顔から嬉しそうな顔、だけど安心した顔をして感謝されちょっとむず痒さを感じたと同時に、心配してる気持ちが伝わって、早く治さなきゃなって身が引き締まる思いにさせられた。


頑張って花瓶を運ぶのを見届けてから、治療を再開しようと足を踏み込む。


「千結〜!!(りん)(ねい)が悪化した〜!」


「!分かった!すぐ行く!と言うか遥も寝ろ!美容大敵!すきなひとに嫌われるぞ!」


「、それは嫌だ!分かった!おやすみなさい!」


遥からの伝令に返答しながらも遠くからでも分かるぐらい目のクマが見えたので叱れば、相当嫌われたくない様で、阿呆な遥もすぐに聞き入れてくれた。

それで良いのか、って思ったり思わなかったりするけど、ちゃんと聞いてくれるのは結構良いな。


嬉しい様な、阿呆ものを見る気持ちの様な。


なんて思いながらも急いで2人の所へと行くのであった。







































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