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聖女君と呪いの王子の異世界生活〜5人の友人付き〜  作者: 橋本衣兎


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料理は大切、そして当たり前にある訳じゃない ④


「よし、」


「母ちゃん大丈夫?妹も大丈夫?」


「大丈夫だよ、でもまだ完全には治った訳じゃないからまた診に来るね」


「うん」


妊婦さんの治療を終えてその子供の男の子を慰めながら、次の患者の元に行こうと思って辺りを見渡したら、ほとんど対処が終わっていた。

アルバート師匠が珍しい髪かき上げスタイルで話しかけてきて現状を教えてくれた。優しいこの人。イーサン師匠とは違って。

ぁ、怒鳴り声が聞こえる。


「殆どの患者は見終わって治療も終えた。と言っても完全には治ってないから、暫くは滞在する事になったけどね」


「そうなんですね、あれ?イーサン師匠は?」


「イーサンは、原因と見られる料理に使われた食材や食器、あとは大鍋を王宮魔導師達と調べてくれてるみたいだけど」


「兄貴!ぁ、千結(ちゆ)も居たか、検査結果が出た、色々ヤバい」


「?ヤバい?」


「どう言う事?」


「とにかく説明は王子達も居た方が良いだろ、来い」


どことなく焦った様な表情をして、リュカさん達の居る野営地と言うか借りた拠点へと向かうイーサン師匠の様子に気付いたのはアルバート師匠も同じだった。

流石双子流石兄弟と言った所かな。

そう思いながら早足で拠点の中に入ると、剣一(けんいち)(はるか)の姿があった。

(まこと)(ねい)(りん)の治療を終えた後は確かリュカさん達に詳しい説明していたはずだけどこの様子だと終わった感じかな。


「それで、師匠原因が分かったんですか?」


「あぁ、、、、マシロダケだった」


「!、、、、え、ちょっと待って、マシロダケって毒の成分ないキノコですよね?俺そう教えられましたけど」


「そうだね、僕とイーサンがちゃんと教えたよね。じゃあどう言う事?」


「、、、、俺も良く分かってないが、村の中に残ったマシロダケの成分物質の中に毒の物資があった、としか言えない」


深刻そうな表情で検査結果の書かれた紙をテーブルに置くイーサン師匠。相当参っているのが伝わる。

リュカさんとレイさんは真剣な表情で検査結果を見つめている。流石は王子。

だが、この空気をある意味変えたのは俺と同じく異世界転移者な幼馴染のお馬鹿代表の剣一だった。


「あのさ、そのキノコに似た毒キノコがあったとかじゃねーの?」


「いや、マシロダケに似たキノコは存在しないと分かっている。目立つ色合いだからもし存在してもすぐに世間に出ているはずだからな。だよね、兄さん」


「うん、そうだね、レイ。それに同じ料理を食べたはずなのに体調を崩してない者も居るのが気になるね」


「それに関しては参考になるかは分からないんですけど、私と剣一食べた後に運動してたんですよ、服村長であるエリックさんも薪を割ってて」


「と言う事は運動した者は体調を崩さなかった、と言う事になるね」


ますます分からない状態になった。

毒の成分が存在しないはずのキノコに毒の成分があって、剣一達にかかってないのは馬鹿だからって思ったけど頭良さそうなエリックさんがなってないから予想は外れたけど、運動なのかな。


そもそもマシロダケに毒が検出されたって事と毒の成分が何故かあるって事は、第三者が毒の成分を入れた、って事になるよね。


「うーん、、、、もしかして」


「千結、何か分かったのかい?」


「いや、リュカさん、、俺の世界には2つのものを組み合わせて合体させて1つの商品にさせるみたいなのが良くあるんですよ。今回のも毒なしのキノコに毒を性能を加えた、みたいな事だから」


「!、そうか!兄さん、これは魔法で作られたんだ!」


「、、、、そうか、魔法であればなかった物を作る事が可能だ。固有魔法やスキルであれば更に繊細に作る事も可能になる」


「じゃあ、第三者がキノコに毒の成分を入れて鍋に入れたって事?」


「え、でも俺と遥、村人さん達とキノコ採取してマシロダケ一緒に採ったぜ!」


「うん!根っこからちゃんと」


「生態系にまで関与出来る魔法も多少は存在するはずだし」


訳が分からなくなって来たので頭の中で整理する事にした。

まず、マシロダケと言うキノコには毒のないキノコで食用としても広まっているキノコのはずなのに何故か今回毒の成分が検出された。

そしてマシロダケに似た毒キノコは存在しない。

従って、マシロダケを毒キノコにした第三者が存在しており、生態系を変化させ毒キノコを生やした第三者が居るって事。


うーん、整理したけど訳が分からなくなって来た。

でもとりあえず、分かる事はただ1つ。


「そんな事をした奴は悪意があってやったって事だよね」


「当たり前でしょ、今回は大事に至らなかったけどドクの成分表を見る限り最悪死ぬ可能性だってあったんだから」


「レイ、怒る気持ちは分かる。でも、少し気になる所がある。この毒の成分表で出る症状を見る限り既存の毒キノコとはちょっと違うね」


「流石リュカ様、良くお気付きで。一緒に調べてた奴らも言ってたんだが、現在国で登録されてる毒の成分と症状どれも一致しないは愚か、毒キノコに魔力を吸い取る症状は今までなかったそうだ」


「!嘘」


「確かに、言われてみれば納得だね」


「これは大変な事だね」


「こんな事態が起こった時点で大変だろ、兄さん」


「???何事?遥、分かる?」


「んや、分かんない」


理解が出来てない剣一と遥は置いておいて、ヤバい事態が発覚した。

まだ、他の毒キノコの毒成分を取ってマシロダケに入れたって言うのであれば理解は出来るが、存在しない毒、未知の毒となればヤバい事には間違いない。


第三者が作った毒だった場合、解毒薬の生成は不可能、だが第三者以外が作った毒であれば解毒薬の生成は可能になる。


それが分からなければ今回の事態は最悪の結果になる可能性すらあるのだ。


「(とにかくだ許せない事には変わらない)」























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