聖女の手料理と王子達との距離感 ②
「出来た」
「「「「これは、、、、」」」」
11時30分が過ぎた頃、料理が完成して額に垂れた汗を手の甲で拭きながら完成した料理に視線を向ける。
マレシアス、王子3人は出来上がった料理を見てから気になってる表情を俺に向ける。
厨房で働く料理人さん達からの視線を感じるのは気のせいだろうか笑
1番最初に視線に入ったのはおにぎりだったので、まずはそれを説明しようか。
「まず、これはおにぎりって言って俺の居た国が昔から食べてる料理でお米に塩を混ぜて握って中に色んな具材を入れたりして海苔を巻く料理だよ」
「おにぎり、、、、じゃあこっちのスープは?日本のスープの味噌汁?ってやつとは少し違うぞ」
そう言ってレイさんが指さしたのは【インターネットショッピング】で緊急お取り寄せ、俺使用の味噌と鰹出汁、そして豚肉、こんにゃく、ゴボウ、人参、大根、ごま油、生姜を入れた芯からあったまる豚汁の入った容器だった。
どうこの世界には味噌汁はあるけど、些細な違いに気付くなんて流石ブラコn、じゃなくて王子様だな。
「レイさん良く気付きましたね。これは豚汁って言って、味噌汁と同じで味噌と鰹出汁を使ってるんですけど、ごま油と生姜を入れたり、豚肉、こんにゃく、ゴボウなどを入れたりする料理でとっても美味しいんですよ」
「ふーん。ステラ、ルーチェ何か気になる料理あるか?」
「えっと、このパンとパンの間に食材が挟まった料理はなんですか?サンドイッチ、とは少し違うと言うか」
ステラの視線の先にあったのはマレシアスに勝って来て貰った食パンの一枚丸ごと粉々にしたパン粉を王族直属討伐部隊の人達から分けて貰った豚肉にまぶして作ったカツサンドと今朝採れたての卵をふんだんに使った甘くてフワッフワな卵サンドだった。
料理人さん達、嬉しそうに分けてくれた。良い人達、ガタイは良いけど。マジ。
「ぁ、それは豚肉にパンを粉々にしたパン粉ってのを付けたトンカツを挟んだカツサンドと、もう1つが甘い卵焼きを挟んだ卵サンドだよ。因みに食パンはマレシアスが買って来てくれました」
「走りました!」
「じゃあじゃあ、これもサンドなの?あとことふわふわなオヤツは何???」
ルーチェがそう言った視線の先にあったのはパン屋で売ってたハンバーガーのバンズっぽいパンに挟まれたハンバーグと野菜とソースとチーズの普通のハンバーガー。
その近くには少し分厚くクリームとかフルーツが乗ってないパンケーキじゃなくて日本古来からあるバターと蜂蜜で綺麗な狐色の焼き目がついたホットケーキだった。
「ふふっ、ルーチェこれはね、サンドではなくて、ハンバーガーって言う料理だよ。ハンバーグとトマトやレタス、あとソースとチーズを乗せた料理なんだ。それでこっちのオヤツはホットケーキって言って色々混ぜて牛乳を入れて焼いてバターと蜂蜜を乗せたスイーツ、これは食後にね」
「!!!!!!美味しそう!」
目を輝かせながら、ハンバーガーとホットケーキを見つめるルーチェに思わず笑みが溢れる。
そして何故かヨダレを垂らしかけてるサイラスには苦笑いが溢れるな。子供か。
「沢山作ったから、まずは4人が食べてくれない?ぁ、料理人の皆さんも休憩に入ったらどうぞ食べてください。保温魔法かけておくので」
「「「「「「「「ありがとうございます!聖女様!!!!!!」」」」」」」」
そう言って大声で料理人さん達に感謝されて危うく鼓膜が破けそうになったな。料理人とは思えない声量で、なんか運動部、野球部みたいな声の出方だったのは気のせいだろうか。
でも今はそれよりも楽しみにしながら、料理を食べるのを今か今かと待ち望んでる4人に食べさせるのが先決、かな。
手早く盛り付けをして、食堂に運んで4人の前に置く。
「はい、どうぞ」
「「「「いただきます」」」」
そう言えば、4人は慣れてない料理に少し戸惑いながらも食べ進める。
ある程度作法を習っているのかサイラスとレイさんは箸を持つのを少し苦戦しながらも食べ進めて、美味しそうな顔をしながら食べている。
手掴みで食べるサンドをハンバーガーを食べているステラとルーチェは食材がはみ出ないように気を付けながら、食べているけど頬にソースが付いていて可愛い。
でも、全員揃って美味しそうな顔をして食べてくれてるな。
嬉しいな。
ー千結にとって料理を美味しく食べる姿を見る事が言葉に出来ない程嬉しい事、幸福な事なのだ。初めて作った日、それを食べた親、兄弟の顔、練習して上手く出来た日、幼馴染達が美味しそうな顔をして食べてた顔、それが全て千結の料理を好きにさせる要因であり、思い出の一部なのだ。その思い出が今新しく書き加えられていくー
「ど、どうかな?」
「美味い!」
「美味しい、、千結にしてはな」
「美味しいです。トンカツを初めて食べたが、食パンと合いますし、サクサクしてて、ソースも美味しいです」
「美味しいよ!お肉からジュワッて肉汁が出て来て、野菜とソースとチーズとパンと一緒に食べるとなんで言えば良いんだろ。とにかく美味しい!」
「、、、、そっか、良かった」
みんなからの反応に心が温かくなる。
サイラスとレイさんに関しては感想もないし、レイさんはツンデレ加減抑えれないのかな。と思ったり思わなかったり。
あと30分、リュカさんはどんな反応してくれるかな。
聖女として頑張ろうと思ったから此処に来て2ヶ月以上、料理してこなかったけど、此処までの反応されたら料理再開しようかな。
そう思いながら、ニコニコと笑顔が溢れる。
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「うん、美味しい。お味噌汁は食べた事はあったが、豚汁は少し違うね。ご飯と豚汁だけで満足出来る」
「それは良かった」
30分後、いつも通り一緒に昼食を取りながら俺の作った料理のリアクションを見る。美味しそうな表情をしながら、感想を言ってくれてとっても嬉しい。それに、幸せそうだって言うのが伝わる。
あと、箸の使い方が上手。練習したのが分かる。
「このトンカツも美味しいよ。揚げる料理はあるけど、パンを使って揚げる料理は初めてだから、どんな味か分からなかったけど、ソースと付けると美味しい」
「ソースに関しては企業努力の賜物だけどね(お○みソース様々だな)」
「ん?何か言った?」
「ううん、何でもないよ」
ポロッと出た言葉も素早く拾うとは流石リュカさん、侮れないな。でもすぐに誤魔化せた俺も流石だと褒めたい気分だよ。
そう思ってると、部屋の外からヒューゴさんの怒った声とサイラスの焦った声が聞こえて来た。
「お前、千結様よりも先に食事をするとは、それも城下にまで行ったとは、何を考えている」
「すみません!ヒューゴ先輩!!!!!!」
「来い、指導してやる。今日はいつも以上に手は抜かないからそのつもりでな」
「嫌ァァァァァ、し、死んじゃうゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
サイラスの嘆きと言うなの叫び声が離れるのを苦笑いで聞き流す。元は俺のせいとは言え、ちょっと不憫だな。
今度何か作ってあげよう。ぁ、でもそしたら調子乗って怒られるって可能性もあるか。
うーん、難しい話だな。これは。
そう思いながら豚汁を啜るが、うん、やっぱり美味しい。俺天才。心の中で自画自賛する。
なんて馬鹿な考えしてたら、リュカさんの手がモジモジしてるから、視線を上げる。
「千結、たまにで良い。こうやって、千結の料理を食べたいんだが、良いかな?」
「!、全然良いですよ。寧ろ、料理するの好きなので、オッケーです!」
「、、、、そっか、良かった。ありがとう」
「感謝するのは俺の方なので、、、、リュカさんは好きな料理とか、食べ物ありますか?」
「好きな食べ物、料理かぁ、うーん鶏肉を使った料理と、ジャガイモを使った料理は好きかな。ジャガイモって意外と美味しくて」
「へー、参考になります」
やっぱり、と言うか中世時代ってジャガイモはあんまり使われてなかったって聞いてたけど、この世界でもそれは適応されるとは。
でも、リュカさんのおかげで次作る料理は決まったもんだ!それにリュカさんのおかげなのかな、レイさん以外の王子2人とも接触と言うか仲良くなれたし、良かった良かった。




