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失意の剣士とアミーウェルス  作者: 隙織尾
プロローグ
8/21

7話 無力なグラディ

 セシリアはサラエルがキョトンとしてても、話を続ける。

 彼女曰く、氷塊の魔法士団は国からの依頼で、最近活性化しているミクレスの調査をあらかた終え、東へ帰還している最中に、町が襲われているのが見えて、調査ついでに魔法の才がある人間がいるかどうか見にきたらしい。救助はそのついでらしい。


「...と言うわけで貴様には今から私たちに同行してもらう。拒否権なんぞ貴様にはない」

「ちょっと待ってください!だ、だったらグラディも一緒に連れていってください!」

「はぁ、貴様は私の話を聞いていなかったのか?そのゴミは魔法の才は一切ない!ましてや他国の人間なんぞ助けてどこに意味があるというのか!他の人間は皆、多少なりとは才があるものだが、こやつからは一切感じない!一切だッ!救ってやったとこでただの穀潰しに過ぎん!」


 セシリアはまるで虫ケラに唾を吐きかけるが如く罵声を浴びせた。

 ほら行くぞと言わんばかりにサラエルの腕を強引に引っ張る。

 するとグラディオルが意識を取り戻す。


  ――誰だ、こいつら?


 だが、グラディオルは直感的に理解した。


「おい、サラをどうする気だッ!」


 こいつらはサラエルを連れていく気だと。

 しかしグラディオルは怪我がひどくあまり力を出せる状態ではなかった。


「チッ、暴れられたら面倒だ拘束しろ」


 後ろにいた団員が返事をして魔法を放った。


「「「アイスチェーン」」」


 氷の鎖がグラディオルの手足に絡みつき、身動きを取れなくした。


「グラディ...!グラディ!!」


 サラエルが叫ぶ。そしてセシリアに対し抵抗するが、あっけなく制され、気を失う。


「サラ!おまえら、ふざけるなァ!」


 いくら叫んでも何も変わらない。魔法士団はセシリアの合図により、どんどんと撤退していく。

 どれだけ足掻こうと鎖が擦れる音しかならない。グラディオルはただサラエルが連れ去られていくのを見ているしかなかった。

 ただ叱責するかのように無力な彼を雨が打ちつけ続けた。

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