1話 夢
「ゔわぁあああぁーー!」
「うわぁあん!おがあぁさん?どこ?どこなの?」
「きゃーー!」
「嫌ァー、あなたぁ!!」
周りは喧騒と恐怖に満ちている。
異形の存在、ミクレスの集団から逃げ惑う人々、亡き骸を抱える女、咽び泣く子供、そんな中少年は何もできずにいた。
動きたくても、体が言うことを聞かない。足が震えて立ってすらもいられない。
その時、幼馴染のサラエルが遠くに見えた。よかった!まだ生きてる!
そう思ったのも束の間、彼女にミクレスの脅威が降りかかる。
足が動かない、助けに行けない。
「ゃ...ろ、やめッ...ろ!」
やっとの思いで出した声も虚しく、非情にもミクレスの刃がサラエルの体を何度もを切り裂き、見るも耐えない無惨な姿になり原型を留めていない。
満足したのかミクレスは次の獲物をまた探し始める。
「あぁ.........うぁ.........」
声にならない声が出る。
◇◇◇
「ぉ...、お...い、おーい、朝だぞー!起きろねぼすけ!えいっ!」
少女が少年のほっぺをつねると少年が飛び起きる。
「うわっ!痛いな何すんだサラ!」
サラと呼ばれた少女はサラエル・マリアベータ(14)、少年グラディオル・セルフォス(14)の幼馴染で金髪の髪を肩下まで下ろして、首には昔少年が誕生日にプレゼントした青色の石がついているネックレスをぶら下げている。
「起きない方が悪いんでしょ?それに結構うなされてたみたいだけど大丈夫なの?」
胸に手を当てながら心配そうに聞いてくる。
「うーん、あんまりよく思い出せないだよなー。なんかでも、すごく嫌な夢だったような。」
「何よそれ。そういえば!さっき、おばさんがグラディのこと呼んでたよ?」
「あ!朝イチで頼み事があるって言われてたんだ!ありがとサラ!」
グラディオルは急いで階段を降りていった。
「まったくもう。」
青色の石を触りながらそう言い、サラエルも後に続いた。




