表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/61

第二十七話 入国

 ——ラリト国 門前——


「ここがラリトか」

「デカイな」

「ラトスフィア程じゃないけどね」


 現在、少年少女10人が人間界最西端の国、ラリトに入国しようとしていた。

 だが、入国しようにも長蛇の列で入国にはしばらく時間がかかりそうであった。

 既にラトスフィア帝国がクラスメイト達の中で冒険者を募集してから一ヶ月経っていた。

 冒険者になったメンバーで男子は


 ハルト

 スバル

 ノリヒロ

 ケン

 サトシ


 の5人であり、また女子は


 ナナ

 シホ

 ミク

 シズク

 コトミ


 の5人、男女計10人である。


「本当にいつ入れるんだ?」

「それな」


 そう言ったのは林 (ケン)と高山 (サトシ)であった。

 見た目は毳々しく、所謂不良という奴らである。

 素行が悪くあまり世間からよく見られていない。

 ケンとサトシは中学からの付き合いで、二人ともサッカー部に所属していた。

 そのためハルトとはそれなりに仲が良く度々話す機会があった。

 そしてこの二人はシュンのことがあまり好きではない。

 そのため揶揄ってやろうと企むことがしばしばあり、そのストッパーとしてハルトが抑えていたのだった。


 ハルトもそこまでシュンのことが好きなわけでは無いので虐めようと思えば虐めていたかもしれない。

 しかし自分の立ち位置というのもあり、それを崩す訳にはいかなかった。

 また最大の理由はナナである。

 やはり彼女がいればシュンを虐めることなどできるわけが無い。

 だからこそ偽善者振って人気を取りつつシュンからも信頼を得ていたのだ。

 とんでもない下郎である。


「マジで長すぎんだけど。なぁシズクさん、そう思わない?」

「それな」

「・・・・・・」


 東山 (シズク)はいつも誰も寄せつけない冷徹な瞳で自分の領域(テリトリー)を守っていた。

 だが異世界に来ればそんなルールも破壊されてしまう。

 実際彼女はナナと同じで容姿端麗、才色兼備といった存在で、成績は学年一位というほどの超人であった。

 しかし、絶望的に他者と関わらないため「孤高姫」と呼ばれていた。

 その中でもケンやサトシのようなコアなファンが数人いるのが現状である。

 ケンやサトシは是非ともお近付きになりたいと思い頻繁にシズクを構うのだが、彼女の瞳は塵芥を見る目であった。

 シズクが面倒くさそうに二人を見ていると、


「ケン声でかいんですけどー」

「あぁ?」

「マジ待っててイライラしてるのに、頭に響く声出すのやめてくんない?」


 彼女の名前は鈴木 琴海(コトミ)

 コトミはギャルでありシズクとは真反対の性格をしている。

 性格も歪んでおり、自尊心の塊でもあるため周りの追随を許さない。

 厚化粧で自分の顔を偽っておりウェーブのかかった金髪である。

 SNSではいつもチヤホヤされていて一部の界隈ではちょっとした有名人だ。

 メイクの腕は確かで将来はネイリストになるのが夢だそうだ。

 この世界「原霊界(セルフィア)」の人間界でも化粧に似たものが存在しており、今もお色直しは欠かせない。


 そんなコトミは別にシズクを助けるためにケンを批難した訳では無い。

 ただ自分より目立っているのが気に入らなかっただけである。

 コトミはハルトのことが好きであり、ハルトがケンやサトシと仲が良いことも知っている。

 そしてハルトがケンとサトシのお守りをしているのもほとんどの人が知っていた。

 だからこそ迷惑しているであろうハルトのためにご機嫌取りを、と思い態と大きい声でケンを止めたのだ。

 コトミはチラチラっとハルトの方を確認する。

 しかし・・・、


「ナナ疲れたら言ってくれ、いつでも俺が荷物を持つよ」

「ありがとう、ハルト君」


 ハルトはナナのことしか考えてなくコトミのことなど眼中になかったのだった。


(何よ、あの女・・・)


 当然コトミは面白くなくナナを敵視するのだった。

 一方シズクはと言うと、


(冒険者になれば一人になれると思ってたのに見当違いだったわ)


 シズクは自分が冒険者になれば好きに原霊界(セルフィア)を回れると思い志願した。

 だがシズクがなるならと志願したケンやサトシが今まで以上にくっついて来るので願いが叶うことはなかった。


(これならラトスフィアにいた方がマシだったわ・・・)


 彼女は自嘲気味に心の中で呟くのだった。


 ------------------------------------------------------------


 ——ラリト国 商業区 宿屋内——


「はぁマジで疲れたぁ」

「こんなに歩いて俺の腓腹筋が歓喜の声を上げてるぜ!」

「相変わらずだなぁノリヒロは」


 彼らはラリトに入国してからまずは宿屋へと向かった。

 部屋割りは男子三人と二人、女子三人と二人といった風に4つの部屋を確保した。

 この部屋には、ハルト、スバル、ノリヒロの3人がいる。


「入国手続きが長すぎるんだよな」

「やっぱり魔界に近いから警備には力を入れてるんだろ」


 入国は身分を示せるものを提示できれば入国できる。

 彼らは冒険者カードを提示したため入国することが出来た。

 因みに冒険者カードには過去の経歴が自動的に乗ることになっている。

 勇者という経歴は隠蔽される特別なカードを王様から貰ったため勇者とはバレずに入国することができた。

 シュンのカードは魔界の冒険者ギルドで発行されているため人間界の物とは別物である。


 そして無事に入国出来たはいいが目的(・・)を達成するためにまずは身を休める場所を求めたのだった。

 宿舎はなるべく大きく、風呂のある宿を選んだ。

 これはラトスフィア帝国からの補助金や冒険者家業で稼いだ金が幾許かあったからだ。

 彼らは二週間ほどラトスフィアの冒険者ギルドで冒険者家業を務め、残りの二週間でラトスフィア帝国の北西グリスを経由しながらラリトへと到着した。


「にしても本当に()なんて倒せるのかな」

「10人で竜を倒したんだから行けるだろ」

「楽勝楽勝!」

「確かに俺らのステータスも前より成長したよな」




 ◇◆◇◆◇

 タチバナ ハルト 年.16 男

<ステータス>

 HP 800/800


 MP 400/400


 攻撃 280


 防御 260


 速度 250


 的中 240


 幸運 300



<スキル>

『勇者の手』


光球(ライトボール)』『光針(ライトニードル)

光雨(ライトシャワー)


激励(チェアー)



<補助スキル>

『不屈の精神・下』『光攻撃・中』

『剣使い・中』『魔法初心者』



<称号>

『忘れし者』

『訓練に耐えし者』

『冒険者見習い』

『運動神経バツグン』

『イケメン』『カリスマ』

『片想いを拗らせし者』

『嫉妬神に好かれし者』



 ◇◆◇◆◇




 ◇◆◇◆◇

 カゲヤマ ノリヒロ 年.15 男

<ステータス>

 HP 900/900


 MP 150/150


 攻撃 350


 防御 330


 速度 150


 的中 140


 幸運 200



<スキル>

『勇者の手』


発光(フラッシュ)


硬質化(ロック)



<補助スキル>

『光攻撃・下』

『ハンマー使い・下』『魔法初心者』



<称号>

『忘れし者』

『訓練に耐えし者』

『冒険者見習い』

『おっちょこちょい』『ムードメーカー』

『空気の読めない者』

『ゴリラ』

『筋肉好き』『片想い』



 ◇◆◇◆◇




 ◇◆◇◆◇

 ミライ スバル 年.15 男

<ステータス>

 HP 600/600


 MP 300/300


 攻撃 180


 防御 200


 速度 310


 的中 270


 幸運 230



<スキル>

『勇者の手』


光針(ライトニードル)


速度(スピード)



<補助スキル>

『光攻撃・下』

『短剣使い・下』『魔法初心者』



<称号>

『忘れし者』

『訓練に耐えし者』

『冒険者見習い』

『おっちょこちょい』『ムードメーカー』

『空気の読めない者』

『サル』

『女好き』『片想い』



 ◇◆◇◆◇




「ハルトマジで強いよな。」

「男子の中で一応一番だもんな。」

「そういうお前らも秀でてるところがあるじゃないか。」


 ハルトは全体的にステータスが高く、ノリヒロは攻撃や防御、スバルは速度や的中に数値が偏っている。

 ここで人間界のステータスについて説明しょう。

 そもそも人間界の一般人のステータスは


 HPは300


 MPは100


 攻撃 30


 防御20


 速度40


 的中40


 幸運40


 といった風になっており、いかに勇者のステータスが高いのかが伺える。

 人間界の人間これを人間(ヒュマー)というのだが、人間(ヒュマー)の男性は物理的な攻撃を得意とし、女性は魔法を得意とする。

 普通男性は補助スキルは持っていてもスキルは所持していない。

 反対に女性は男性のパラメーターよりも数値が低い。

 魔法の強さは〝MP〟の数値に比例しており、女性のMP含有量は男性よりも高い傾向にある。

 結論から言えば男性でもスキルを使え、女性は強力な魔法を放てる勇者という存在はチートに近いのである。

 そしてハルトは男子の中で一番ステータスに長けていた。

 つまり人間界で一番強いのがハルトでもあったのだ。


「俺達の成長の確認も済んだし全員で今後について話し合わないか?」

「お、いいな。シホさんに会えるもんな」

「ミクさんもだろ?」


 三人は騒ぎながら自室を後にした。



お知らせ。

活動報告でも掲載しましたが「第三話 魔王と第四話 歓迎」、「第十話 期待と第十一話 決闘」を合わせることにしました。

理由は文量がそれぞれ少なかったからです。

内容に変更はありません。


そしてプロローグを削除し第一話として掲載しました。

理由は作者が実際に読んだ時「これプロローグの意味なくない?」と思ったからです。

こちらも内容に不備はございません。

不都合な点がございましたら感想でお知らせくだされば幸甚です。


そして、「女神様が異世界に行かせてくれない件について」という新作を執筆しました。

こちらは緩く書いていければと思っています。

ぜひ読んでいただければと思います。


長くなりましたがこれからも破者と勇者をよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ