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第十五話 登録

 ——ロステルラッテ 冒険者ギルド前——


「で、でけぇな・・・」

「はい、一応魔界で1番大きい冒険者ギルドですからね」


 シュンの眼前にあるギルドは二階建てで魔界で1番大きく、数多くの依頼が寄せられている。

 2階は上級の冒険者のみが入れるらしく、そこにギルドマスター、通称「ギルマス」がいるらしい。

 当然規模から冒険者の数も多く、ロステルラッテは冒険者が1番多い国としても有名であった。


「とりあえず入るか」

「はい!」


 元気のいいフィーアと一緒にギルド内に入ると、数多くの冒険者がいた。

 マントやローブを着て依頼を受けている者や、剣や杖などを磨いている者もいたり、昼間から飲んでいる者もいた。

 どうやら真ん中が受付で、左側には簡易のバーがあり賑わっている。

 右側は2階に続く階段があった。


「受付で登録するか。そういえば、フィーアは登録しているのか?」

「いえ、私も初めてです」

「なら一緒に済ますか、簡単そうだし」

「そうですね、一緒にやりましょう」


 そういいながら冒険者受付と書かれた場所まで向かう。


「こんにちは! 本日はどういったご要件でしょうか?」


 そう明るく接待してくれた女性は、茶色いショートヘアーをしていて柔和な笑みを浮かべていた。

 おっとりとしたタレ目と額に生えている小さい角が印象的であった。


「今回は冒険者登録に来たんだ。俺とこいつの2人で登録したい」

「なるほど、彼女さんですか?」

「違います」

「はやッ!? シュン! 否定するの速くないですか!?」


 正直何故フィーアがここまで動揺するか分からないが、この受付嬢は気さくな人らしい。


「はははっ! 明るい子ですね! 申し遅れました。私カルナって言います。よろしくお願いします」

「俺はシュン。こいつはフィーアだ。早速登録をお願いしたい」

「ねぇ聞いてます!?」


 シュンはフィーアの言うことを受け流しつつ、登録を進める。


「登録は初めてですね」

「あぁそうだな」

「では改めてご説明させて頂きます。」


 カルナ曰く、等級があり下から、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSと続くらしい。

 この等級で受けられる依頼が決まるそうだ。

 ひとつ上のランクまでの依頼なら受理されるらしい。

 その身分としてカードを渡された。


 カードはギルド側が読み取るらしく、身分証の変わりや、買い物の際カードで支払うことが可能らしい。

 日本のス○カのようなものだと納得した。

 また等級は魔界だけのものらしく、人間界や獣人界では違うらしい。

 それには冒険者ギルドの派閥が違うらしく、魔界のギルドのトップは今いるこのギルドだそうだが、当然人間界のギルドとは運営方法が異なり、仲も良くないため違うそうだ。


「そのため、人間界や獣人界に行くようなお仕事は待遇が良くないため人気がないんです。でも、その分報酬は高いですよ」

「なるほどな。当然他の依頼も危険な分報酬が高いんだろ?」

「そうなりますね」


 ここら辺はよくあるテンプレものだと思った。

 人間界や獣人界で、登録し直さなければいけないのは億劫だと思ったが。


「そして等級なんですけど、この珠に触れてください」


 どうやらこの珠で等級が分かるらしい。

 これは中には実力のある人がいきなり冒険者になることがあるため、下から、つまり最初のFランクから始めないようにするためのギルド側からの配慮であった。


「じゃあ俺から行くか」

「頑張ってくださいね!」


 さっきまで駄々をこねてたフィーアだったが、急に大人しくなった。

 きっと、構ってもらえなくて諦めたのだろう。

 シュンが珠に触れると


(・・・・・・・・・)


 もう一度。


(・・・・・・・・・)


「あの、点かないってことはFランクってことなんです。だから何度も触れる必要は無いですよ?」


 おかしい事に全くピクリとも反応しない。

 シュンは焦燥に駆られていた。

 少なくともSランクくらいにはなれると思っていたからだ。

 だからこそまさかの〝反応無し〟は期待を裏切るものになったのだ。


(絶対アイツのせいだ・・・)


 そう、神(悪魔)である。

 神(悪魔)は下手に問題事を起こさないように予め〝破者〟、つまりシュンに規制をかけていたのだ。


 その事を知らないシュンでも大抵の事は神(悪魔)

 の仕業だと予想できたのだ。


「シュン、落ち込まないでください。きっと異世界人は特別なんですよ」

「フィーア・・・」


 小声でフォローするフィーアにこの時ばかりは助けられた。

 ふつふつと湧く怒りを沈めることが出来たのだ。


「とりあえず次は私ですね」


 そう言いながら珠に触れるフィーア。

 すると、珠は銀色に輝いた。


「おー!! 凄いですね! SSランクですよ!! お強いですねー!!」

「「・・・・・・」」


 どうやらかなりの高ランクであったようだ。

 これにはシュンもかなり心臓を抉られた。


(フィーアはSSランク・・・、俺はFランク・・・)


 あまりにも絶望的な状況に胸が堪える。

 あれほど厳しい特訓を重ねたシュンでも、これは少し辛かったようだ。


「だ、大丈夫ですよ! シュンは強いです!! それは私もわかってますよ!! もちろん私も誰も勝てませんから! だから元気だしてくださいよ〜!」

「あ、あぁ・・・」

「——おい、そこのお前新人だな?」

「あ? あぁそうだが?」

「うッ!?」


 シュンが振り返ると体格の良い男が立っていた。

 身長はシュンよりも高く、非常に筋肉質で腕と太ももの筋肉が服の上から隆起していることから、格闘タイプだと予想がついた。

 この時のシュンは機嫌が悪く、いきなり後ろから声をかけてきたため相手を睨みつけてしまったのだ。

 それはまさに蛇に睨まれたカエルの如く硬直してしまった。

 だが、すんでのところで意識を取り戻し次のように放つ。


「お、俺は新しく入る新人を品定めしようと思ってな。どうやら隣の嬢ちゃんは中々やるようだな。どうだ?俺たちCランク「獣の寄り道」に入んねぇか? 少なくとも隣の坊主よりはマシだと思うぜぇ。うへへ」

「いえ結構です。シュン、行きましょう」

「あ、あぁ」


 フィーアが醜い笑みを浮かべた男を一蹴すると、シュンと一緒にこの場を後にしようとした。

 当然この男は面白くないわけで・・・。


「おい!お前!! そこの青髪!!」

「チッ、なんだよ」


 青髪と呼ばれ少し頭にきたシュンだが、早くこの場から去りたかった。

 だがここで無視すると後々面倒くさい。

 なんともテンプレだなと思っていた矢先・・・。


「俺としょ・・・」

「ねぇラリック? あたしと冒険行かない?」

「げッ!? キャサリン!?」


 そう、シュンに絡もうととしたラリックと呼ばれる男は更に体格の良いピンクのワンピースを着た男(?)に冒険に誘われたのだ。

 シュンも含め周りの男達は一斉に顔が真っ青になった。

 何故かこの男(?)、ガタイのいい割りにピンクのワンピースを着用している上に髷をしているのだ。

 よく分からないファッションセンスに開いた口が塞がらない。


「げッ!? てなによ。せっかくあたしが誘ってあげたのに」

「い、いやぁ用事があったんだ。悪ぃな、また誘ってくれ」


 野太い声に誘われるもラリックと呼ばれる男はそそくさと逃げていった。


「ふん。なんでかあたしが誘うとみんな逃げるのよねん」


(格好を見ろ。格好を・・・)


 シュンは心の中でそう思いながらも、問題が起きなかったことに内心息を吐いていた。


「なんか悪かったな。えっと・・・」

「キャサリンよ。よろしくねん」

「あ、あぁ俺はシュン。こっちはフィーアだ。よろしく」

(で、でけぇ・・・。そして硬い・・・)


 互いに握手を交わす。

 シュンの手も一般人よりは大きいが、キャサリンの手はその比では無く、さらに、皮が厚かった。

 恐らくこの男(?)も武闘家の1人であろうと推測できた。


「う〜ん、じゃああなた達パーティ組みましょ?」

「すまん、ちょっと用があるんだ。フィーア行くぞ」

「え? ちょっ、待ってくださいよ〜!」


 ここで絡まれたらさっきの男より拙いと思い、内心謝罪と感謝を向けつつも、矢継ぎ早にその場を後にするのだった。


「え〜? じゃああんた達あたしとパーティ組まない?」

「うぇッ!?」


 キャサリンのパーティ参加はまだ決定しないのだった。


いきなりSSSランクだと思いましたか?

絡まれて相手をコテンパンだと思いましたか?

そんな都合よくいきませんよ〜。

でも必ず上手くいくようになると思います(多分)


面白い、続きが読みたいと思われた方はぜひ評価のほどよろしくお願いします。

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