第十三話 友人
——ロステルラッテ 宿屋の一室——
「よし、とりあえず寝床は確保したな」
「なんで2つに部屋分けちゃったんですか!?」
「当たり前だろ・・・」
現在シュンとフィーアはロステルラッテの南、商業区にあたる宿屋の一室にいた。
シュンは豹変して1日経ったあと、すぐに荷造りをして城を飛び出したのだ。
理由は2つ。
1つはシュンが早く城から出たかったこと。
それもそのはずである。
一ヶ月軟禁状態だったようなものだからだ。
ましてや、異世界である。
夢と希望に満ち溢れたファンタジーな世界に一ヶ月味わうことすら出来なかったのだ。
もう既に我慢の限界だった。
そしてもう1つは・・・。
「百歩譲ってそれはいいです! でも置いていくことないじゃないですか〜」
「・・・・・・」
そうフィーアである。
シュンはやはり一人で冒険してみたかったため、フィーアに何も言わないで出発してしまったのだ。
これにはフィーアもシュンに対して不満を持った。
確かに行きたいって言ったのはフィーアのほうであり、シュンからは勝手にしろと言われたから許可は貰ったようなものなのだ。
だからといって〝置いていく〟とは本人も思わなかったようだ。
そして今、宿屋の部屋割りでも一悶着起こし、このような状態になっているのだが。
「なぁフィーア」
「なんですか〜」
涙目になりながらシュンを見つめるフィーア。
一ヶ月前と雲泥の差である。
「お前、俺の事どう思ってんだ?」
この時シュンは僅かながら頬を赤らめていた。
自分で言って恥ずかしいのである。
シュンの性格も一ヶ月前とかなり変わっていた。
そして、答えは予想とは違ったものだった。
「——え? 友達ですよ?」
「ッ!?」
そう、友達である。
今までの反応で少なからずシュンは気があるのではと思っていた。
だからこそこの答えは、かなり衝撃的なものだった。
「なッ! ? お、お、お前、本当か?」
「本当ですよ? 私友達とかそういうのいなかったですからね。だからシュンといるのは楽しいんです!!」
「な、なるほど・・・」
フィーアは友達がいなかった。
フィーアはグルラージ伯爵の長女であり、本人の能力が認められて大魔人になったのだ。
その過程で友人と呼べる存在はいなかった。
だからこそ同年代のシュンはとても近しい存在だった。
だが問題もある。
近しい年代の人物とどのように接していいか分からないのである。
でもこれはある意味仕方の無いことだった。
だからスキンシップが多いことも許容すべきものだった。
「私はまだ友達と呼べる人がいません。だからシュンと一緒にいると楽しいし安心するんです」
「そ、そうか・・・」
今まで女性と仲良くしてきたのはナナくらいであったシュンはたじろぐことしか出来なかった。
「私と友達は嫌ですか?」
「・・・ダメじゃねぇよ。ただ、近すぎるとあれだ。あれなんだ・・・。」
根っこはシュンである。
肝心な時に強く言えない。
それでもフィーアは嬉しかったらしく・・・。
「やったー! これで友達ですね! シュン!!」
(だから近いって・・・)
顔を林檎のように真っ赤にすることしか出来ないシュンであった。
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「何してるんですか?」
「あぁ、ステータスを見てたんだ」
2人が正式に友人になった後、シュンはステータスを確認していた。
◇◆◇◆◇
アベ シュン 年.16 男
<ステータス>
HP 1500/1500→3000/3000
MP 1000/1000→5000/5000
攻撃 170→470
防御 140→380
速度 180→560
的中 130→420
幸運 250→600
<スキル>
『破者の手』
『魔炎』→new
『魔氷』→new
『魔風』→new
『魔雷』→new
『終焉』→new
<補助スキル>
『挑みし者』
『痛覚耐性』
『不屈の精神・上』
『剣の達人』
『偽装』→new
『真視』→new
『探索』→new
『気配遮断』→new
<称号>
『乗り越えし者』→『超越者』→new
『殺戮者』
『ストイック』
『急成長』
『剣術に長けし者』
『魔王の血を継承する者』→new
『青髪碧眼』→new
『オレ系』→new
『勘違い系男子』→new
◇◆◇◆◇
(・・・・・・『オレ系』とか『勘違い男子』って・・・)
そこだけは突っ込まざるを得なかった。
【グリフィルの血】を飲み、かなり強くなったシュン。
MPなどは大幅に上昇していた。
しかし、称号などは不名誉なものが多かったが。
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『魔炎』
使用MP 300
炎系統の魔法で究極の魔法。
威力が膨大なため使用MPも多く、1番注意しなければいけないのは周りの配慮の確認である。
『魔氷』
使用MP 300
氷系統の魔法で究極の魔法。
威力が膨大なため使用MPも多く、1番注意しなければいけないのは周りの配慮の確認である。
『魔風』
使用MP 300
風系統の魔法で究極の魔法。
威力が膨大なため使用MPも多く、1番注意しなければいけないのは周りの配慮の確認である。
『魔雷』
使用MP 300
雷系統の魔法で究極の魔法。
威力が膨大なため使用MPも多く、1番注意しなければいけないのは周りの配慮の確認である。
『終焉』
使用MP 1000
全ての系統を合わせ持つ真の究極の魔法。
その威力はMPが物語っており、使用したら最後である。
周りの配慮を気にしている暇など無い。
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(おいおい、周りの心配しすぎだろ。てか、最後のなんか使う俺すら危ういじゃねぇか。)
魔王が持つ究極魔法がほぼ全て手に入ったが、威力が絶大なため、使用出来るか出来ないかの問題になってしまった。
特に、『終焉』の威力は他の魔法の比にならず、使用者すら命の危険に晒されるものだった。
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『偽装』
人間、魔人、亜人、獣人、男、女等、好きな姿に変化することが出来る。
ただし、魔獣やその他のモンスター、竜・龍などには変化できない。
『真視』
半径30m以内の相手のステータスや、偽装しているものを見抜くことが出来る。
『探索』
半径1kmにいる危険生物に敏感に反応するようになる。
明確に自分または近しい者に殺意を向けるものに限る。
『気配遮断』
自分の気配を消すことが出来る。
さらに、直接肌に触れることでその効果を他人と共有することが出来る。
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(補助スキルは便利だな。『探索』や『気配遮断』には仲間にも効果があるのか。)
利便性の高いスキルが4つも手に入ったシュンだが、称号の説明を見た時、若干頬が引きつった。
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『超越者』
あらゆる困難に耐えた者に送られるもの。
その経験は何者にも揺るがない
『魔王の血を継承する者』
魔王の血が体内に流れている者に送られるもの。
魔王の血に依存せず、日々の特訓に励むこと。
『青髪碧眼』
青い髪、青い目を持つ者に送られるもの。
天然物である。なかなかカッコイイ。
『オレ系』
一人称が変化し〝俺〟になった者に送られるもの。
理由は知らないが幼さが消えたのは良かったのではないだろうか?
『勘違い系男子』
勘違いしてしまった者(男)に送られるもの。
思い出しても恥ずかしい。
今夜も恥ずかしくて寝られない。
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(・・・・・・)
相変わらず巫山戯た説明書きだった。
シュンが説明欄を冷めた目で見ていると。
「シュン、ステータスどうでしたか?」
「かなり成長してたぜ。そういえばフィーアのステータスってどうなんだ?」
「見ます?」
「いいのか?」
「いいですよ。良かったら交換しましょう。」
「そんなこと出来るのか?」
「はい。ステータス場面を開いて、交換するもの同士「交換」って念じればいいんですよ。当然声に出しても大丈夫です」
「なるほど」
思っていたより簡単であった。
既にお互いステータスは開いていたのでそのまま交換するだけだった。
今回は声に出すことにした。
「では早速やりましょう」
「あぁ」
「「交換ッ!」
フィーアはヒロインです。(まだ何人か登場予定)
友達で止まらせるつもりは無いです。
魔王の血で随分強くなりました。
次回、フィーアのステータスが分かります。
ステータス書くのすごい疲れます(本音)
面白い、続きが読みたいと思われた方はぜひ評価のほどよろしくお願いします。




