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閑話 決定

短めです。

申し訳ありません。

 ——ラトスフィア帝国内 とある一室——


「——という話だよ」

「なるほど、ありがとうミクちゃん」

「いやいや、どういたしまして。でも珍しいね、ナナちゃんが話を聞き漏らしたなんて」

「ちょっと考え事しててね」

「分かった! 食べ物のことでしょ! 美味しいもんね〜【セルヴァッファローの串焼き】」

「「・・・・・・」」


 私は今ナナちゃんの部屋にいます。

 先程の王様の話を聞き逃したので詳細をミクちゃんに聞きに来たんだけど・・・。


「はぁ〜。シホ、直ぐに食べ物に繋げるのはやめなさい」

「ふぇッ!? 違うの!?」

「違います!」

「そんなぁ〜」


 いつものようにシホちゃんとナナちゃんは、楽しそうです。


「じゃあなんで聞き漏らしたの?」

「えっとね。なにか〝大切なこと〟を忘れている気がして」

「「〝大切なこと〟?」」

「うん」


 2人に自分が誰か忘れているような気がすることを話してみた。

 なぜかシホがニヤニヤしている。


「むふぅ〜、それって好きな人じゃない?」

「シホ、オヤジっぽいよ」

「おッ!? オヤジィ!?」


 確かに少しおじさんっぽい。

 でもシホちゃんの言う通りそんな気がする。

 や、やだ、恥ずかしいな・・・。


「うん・・・。好きな人かは分からないけど大切だった人なのは覚えてる。忘れるはずのない人なのに・・・」

「ん〜誰だろうね、その人」

「ごめんね、助けにならなくて」

「いやいや気にしないで。話を聞いてもらっただけでも嬉しいから」


 実際こんな話、誰に言ってみようも無かった。

 だから、少し胸のつかえが取れた気がした。

 でも不思議に思う。

 分からないけどハルト君には言えないんだ。

 頭よりも体がそれを拒否してる。

 本当は隠し事は無しって()()()で決めたのに。


 ん?

 みんなって?

 私とハルト君以外に誰?

 ——ダメ・・・。

 やっぱり思い出せない。


「ナナちゃん? どうしたの?具合悪い?」

「あっ! ごめん。今思い出せそうだったんだけどダメだった」

「ありゃ〜まぁしょうがないよ。いつか思い出せるよ」

「うん、そうだよ。そんなに悩んでも出てこないならいつか自然に思い出すよ」

「うん、そう・・・だね。ありがとうシホちゃん、ミクちゃん」


 そうだ。

 今じゃないかもしれない。

 絶対いつか思い出す。

 さっきもそう信じたじゃないか。

 よし、気持ちを切り替えそう!


「そういえば冒険者の件どうする?」

「うーん、私は興味あるなぁ」

「私は反対かな」

「え、そうなの?」


 ミクちゃんが反対した。

 でも、なんか分かる気がする。

 きっと——


「私は委員長だからね」


 やっぱり。

 責任感強いからな、ミクちゃん。

 絶対そう言うと思った。


「えー、ミクやらないのー?」

「当然だよ。誰がみんなをまとめると思ってるの」

「じゃあ誰が冒険者になる人達をまとめるの?」

「「ッ!?」」


 す、鋭い・・・。

 やっぱりシホちゃん、時々針穴に糸を通すようなこと言うからな。

 でもあんまり深く考えてないんだろうな。


「ぼ、冒険者ってみんな自由でしょ? まとめることってないと思うけど?」

「でも最初のうちはみんなパーティ組むと思うけど」

「「ッ!?」」


 本当に今日のシホちゃんは冴えてる。

 的確にミクちゃんを籠絡していくなぁ。

 ミクちゃんも黙っちゃうし。


「クラスメイト達は騎士団長さん達がまとめると思うから大丈夫だよ! ねぇねぇ、冒険者になろうよー。」


 お菓子売り場の子供のように駄々をこねるシホちゃん。

 ちょっと子供みたいで可愛い。

 あ、ミクちゃんも白旗っぽい。


「はぁ分かったよシホ。あ、そうだナナちゃんも一緒にどう?」

「わーい!! そうだよ! ナナちゃんもどう?」

「わ、私ィ!?」


 ビックリしたぁ。

 まさか私も誘われると思ってなかった。

 でも、いつまでもここにいても何も変わらないよね。

 記憶のこともあるし、いい機会かもしれない。


「う、うん。私もなろうかな、冒険者」

「いぇーい! じゃあ決まりだね。早速騎士団長さんに会いに行こう!!」

「ちょッ!? シホ! 待ってー!!」

「ははは・・・」


 あの2人は変わらないな・・・。


 ------------------------------------------------------------


「聞いたか?」

「お、おい! まずい! こっち来るぞ!!」

「よし隠れるぞッ!!」


 危ねぇ・・・。

 本当にギリギリだった。

 あの後、この(サル)をなぜか俺と脳筋(ゴリラ)と一緒に追うハメになったのだけど・・・。


「で、どうするお前ら?」

「〝で〟じゃねぇよ!」

「ミクさんがなるなら俺もなる!!」

「だよなぁー。俺もシホちゃんがなるならなるわ」

「お前らなぁ・・・。」


 そう、追いかけがてらこっそり聞き耳を立てていたんだ。

 そしたらこれだ。

 (サル)はシホさんが好きだし、脳筋(ゴリラ)はミクさんが気になるそうだ。

 正直、盛り前の動物みたいで気色悪い。


「なんだハルト、その目は」

「いやー別にー」


 これくらいのこと、こいつらに言っても大したことないと思うけど言うとめんどくさいから当然言わない。


「はははッ!、どうせハルトもナナさんがなるからなるんだろ?」

「ッ!?」


 なんでわかった!?

 (サル)なら分かる。

 癪に障るが分かる。

 こいつはなんだかんだ言って勘が鋭い。

 野生の勘ではないだろうか?


 でも、こいつは違う。

 こいつは筋肉だ。

 脳みそ筋肉だ。

 だから俺がナナのことを想っているなど知る由もない。

 でも知っている。

 これは共犯者がいると見ていいだろう。

 それは・・・。


「おい、サル・・・」

「ウキッ!?」

「お前勝手にこいつに喋ったな?」

「な、なんの事かな〜」


 目が泳いでいる。

 ビンゴだ。


「チッ、この話はあとだ」

「ふぅ〜」

「逃げんなよ?」

「に、逃げないよ〜」


 逃げるな、絶対。


「で、なるのか?」

「あぁ、当然だ」


 これは決定だ。

 ナナがなるんだ。

 当然俺もなるに決まってる。

 ナナは俺が守らなきゃいけないんだ。

 危ない目に合わせるわけにいかない。

 それは〝下種〟の役目じゃなくて、俺の役目だ。

 ん?

 〝下種〟って誰だ?

 まぁいいや。

 ろくな奴じゃないだろうし。


「なら決まりだな。俺達も団長のとこに行こうぜ」

「待て、サル。お前にはまだ聞きたいことが残ってるんだ」


 そう、このサルにはまだ聞きたいことが、あれやこれやと残ってるんだ。


「ウキッ!?、逃げろー!」

「なッ!? 待てッ!!!」

「お? かけっこか? 俺も参加するぜッ!!」


 こうして俺達は走り出したのだ。


次回新章です。


面白い、続きが読みたいと思われた方はぜひ評価のほどよろしくお願いします。

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