ルールはルールだ
第三章を待ってくれてありがとうございます
何時間も走り続けた末、ユウリはようやく一つの神殿を見つけた。
そこへ向かって駆け寄ったが、神殿に近づいた瞬間、目に見えない障壁に阻まれた。
障壁に手を押し当て、神殿の頂部に刻まれた記号を見上げる。
(違う漢字だ……やっぱり、この記号で判別してるのか……)
ユウリはその神殿を諦め、再び走り出した。
しばらく走ると、また別の神殿を見つけたが、記号が違うことを確認し、そのまま通り過ぎた。
さらに走り続け、幾つもの神殿を通り過ぎていく――。
走り始めてから数時間が経った頃、ついに自分と同じ漢字が刻まれた神殿を見つけた。
(あった……!)
ユウリは無我夢中で駆け出した。神殿に近づくと、今度は障壁を通り抜けることができた。
重厚な扉に耳を押し当てると、中から話し声が聞こえてくる。
(中に誰かいるのか……?)
息を整え、意を決して扉を押し開けた。
そこにいたのは、あの銀髪の少女と、部屋の隅で身を縮めていたミナだった。
ユウリが扉を開けた瞬間、室内の空気が一変した。
数秒間の沈黙の後、その静寂を破ったのはユウリだった。
「この野郎……! 俺を見殺しにして逃げたくせに、よくも知らん顔でここにいられるな!」
ユウリは彼女に詰め寄り、胸ぐらを掴んだ。
「こんな時間まで生きてるなんて、驚きね」
少女は冷ややかな態度を崩さなかった。
「ユウリ、やめて!」
「……ミナ?」
「彼女がひどいことをしたのは分かってる! でも、彼女は私たちのチームメイトなのよ!」
「それが何の関係があるんだ!?」
「もっと冷静に考えて! もしメンバーが死んだらペナルティがあるかもしれないし、チームごと失格になるかもしれないでしょ!?」
ユウリはハッとして、考えを巡らせた。
(あのクソ野郎のことだ……裏に何か仕掛けがあってもおかしくない……)
「ところで、あんたの腕はどうなってんの? 斬り落とされたと思ってたんだけど」
少女が尋ねた。
「……くそが」
ユウリは数秒間彼女を睨みつけた後、ようやく手を放した。
「どうなったかは俺にも分からない。でも、気がついたら治ってたんだ」
彼はミナが身を縮めていた場所へ歩み寄り、その隣に腰を下ろした。二人は静かに言葉を交わし始めた。
四時間後――。
ユウリは窓際の床で横になって眠り、少女とミナは暖炉の近くで眠っていた。
突然、強い光がユウリの瞼を刺し、目元に不快な熱を感じさせた。
その不快感で目を覚ましたユウリは、すでに朝になっていることに気づいた。
(朝……か。外に出るべきか……?)
ユウリは体を起こし、窓の外を眺めた。
その時、あの天使の言葉が脳裏をよぎった。
(……日が沈むまで待った方が賢明かもしれないな)
◆ ◆ ◆
別の神殿の中で眠っていた一人の男が目を覚ました。
差し込む日の光を目にした彼は、何も考えずに扉へ向かって走り出した。
しかし、一歩外へ踏み出した瞬間――彼の全身が激しい炎に包まれた。
「ぎゃあああああああッ!?」
男は絶叫し、地面を転がり回った。
◆ ◆ ◆
考えに没頭していたユウリの思考は、頭の中に直接響き渡った声によって遮られた。
『北方向にて「爆発」トリオのプレイヤーが焼死。死因……太陽』
女性の声だったが、無機質で機械的な響きを帯びていた。
それを聞いたユウリは、目を見開いたまま凍りついた。
そのアナウンスを聞き、ミナと銀髪の少女も飛び起きた。
(待て……待てよ、死因が太陽……!?)
ユウリは窓から差し込む日光を見つめ、本能的に後ずさりして光の当たる場所から逃れた。
「ユウリ! 今の何!? 一体どういうこと!?」
ミナが悲鳴を上げた。
「詳しいことは分からねえ……だが、一つだけ確実なのは、昼間は絶対に外に出ちゃ駄目だってことだ」
「なるほどね。どうやらこのゲーム、本気で私たちを殺しにきてるみたいじゃない」
銀髪の少女が、まだ眠気の残る声で冷ややかに呟いた。
「作戦を立てるぞ。こんな所で死んでたまるか」
ユウリが強い意志を込めて言った。
「じゃあ、今すぐ始めましょうか。日が沈むまでまだかなり時間があるしね」
「彼女の言う通りよ!」
「よし……あの天使から聞いたことを話す」
ユウリが切り出すと、少女とミナは彼のそばに寄り、静かに耳を傾けた――。
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