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ダンジョンマスターは、アットホームな職場です!  作者: 桃野産毛
第四章 フレックスタイム制!

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閑話 再出発

●オスマンサス王都、プニャード●


「マンチャータの状況は?!」

「街は大破!

港は利用不能!

土地が割れて海に水没し、

街の大きさが半分になってます!

 しかし、住民の避難は完了していたので、

人的被害はゼロです!」


 オスマンサス王は、

トシオから事前に聞いていた事を踏まえて行動を起こす。


「『教会』からは、何も来てません!」

「よし!

議会の設立を、国民へ通達!

選挙についても伝えて、

各地の学校でも授業内容に取り込め!

授業の名前は『政治』とする!」

「既に公示しています!」


 百年待った。

国民は民主化の是非による内戦で疲弊し、

民主化に拒絶反応を見せる事もあった。

 しかし、今や生き証人はもうレオ一人。

新しい国のかたちに、国民の大半は期待を寄せている。


「さっそく、議会を召集しました!

開会宣言は、いつでも可能です!」

「レオ殿は?」

「まだ戻られていません!」


 レオは『死の荒野』から魔法使いによりプニャードに転移してもらう手はずだ。

だが、レオはもう少しトシオを見届けたいと希望していた。

 オスマンサス王は手を打って。


「分かった!

レオ殿が戻られたら、

議会を開会しよう!

銀行の方は!?」

「国庫との接続完了!

議会が銀行を経由して予算を運用し始めれば、

信用が得られるかと。

 ただ、嬉しいことに、

商人の一部は既に銀行の利用を表明してくれています」


 間違いなく朗報だ。

商人の利用があってこそ、銀行は成立する。


「はっはっはっ!

そう言う予想外なら、大いに結構!

トシ・オーみたいなのは、

もうたくさんだ!」


 王は笑う。

周りは苦笑いだ。

王は気になることを確認した。


「何もかも急に動かしたんだ!

軋轢はあって当然なのだが」

「今のところ目立ったものはありません。

各地の領主も、

待っていましたと言わんばかりです」


 領主の中から反対意見もあるかと身構えていた王は、

思わずはぁ?、と言ってしまう。


「我が国の商人たちは驚いていますが、

好意的な者が多数です。

 領主系の商人は、

むしろ遅かったじゃないか、と怒鳴ってましたよ?」

「百年前にそれの用意をして、

そのまま待ってくれていたのか。

謝罪しておかねばな」


 何もかも、突然の事だ。

民主化で、皆が得するわけじゃない。

損をする者も確実にいる。

それなのに、ついて来てくれることに、

オスマンサス王は嬉しくて嬉しくてたまらない。


「他国に本拠地を持つ商人の一部は反対してますけど、

銀行と彼らは直接的な関係は『まだ』ないので。

今は置いておきます」

「自分のコネや利権を商人名義に変えて、

逃がそうとしてる領主もいますが」

「いい、いい。

それくらいはいいさ!

 商人の中に入っても、

それを守れるだけの商才が彼らにあるなら、

むしろ大歓迎だ。

 できないなら、

自由競争の原理の元に自然に全てを失い、

散っていくだけさ!」


 オスマンサス王の言う通り、

商売は甘くない。

資金やコネがあればいいが、

そのお陰で絶対に儲かると言うわけではない。

 王は後は自然に任せるのが、

むしろ健全だと判断した。


「両替業もおこなうんだ、

偽金と偽の手形には注意せよ!

偽金は、銀行に来たら回収して本物と交換。

厳罰に処さない代わり、

それを入手した経路を聞き出して裏を取れ。

 回収した偽金は潰すな。

流通経路ごとに集めて保管せよ。

そうすれば、偽金の発行元がわかる。

そこを潰しにかかればいい」

「手形には有効期限と失効期限を付けましょう。

頻繁に銀行に持ち込む必要が産まれ、

偽の手形だとすぐに分かります。

 これも回収して流通経路を聞き出せば、

毒の源流が自ずと分かると言う寸法ですな」


 銀行は信頼があってこそ。

オスマンサス王は元々、

ダンジョン保有国として国際的な地位を上げ、

『教会』に並び立つ国になって民主化に取りかかるつもりだった。

 それに引き換え、銀行はダンジョンがなくても、

信頼を守れれば国際的な地位が上がる。

国を問わず商人の信頼を得られれば、

更に国際的な地位が上がる。


「商業ギルドは、

こちらに人員を派遣する代わりに、

銀行について詳しく教えてほしいと要望が来てます」

「今はダメだ。

立ち上げは我々で信用にたる者を選ぼう。

 数年後には、受け入れられると伝えよう。

そうだ。

十年後には業務提携をしたいと、

商業ギルドへ打診もかけよう」


 オスマンサスとしての国の信頼に、

商業ギルドの信頼が重なれば、

『教会』も第三国も手を出しづらくなる。


「銀行の名前は?」

「決まっている。

カラシシ銀行だ」


 レオの本名から取ることで、

レオの名前を国に残す算段だ。


「そして、新設する『科学省』には、

『白の教会』の方々をお呼びして、

『科学』について、存分に研究していただこう」


 オスマンサス王は、

『死の荒野』の土の研究を諦めていない。

彼は虎視眈々と、

トシオにも恩を売って取り込めないか思案を始めている。

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― 新着の感想 ―
光=昼=活動=革新、闇=夜=休息=保守 で、社会のバランスが崩れた状態だった。ということかな。
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