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ダンジョンマスターは、アットホームな職場です!  作者: 桃野産毛
第二章 年休120日以上!

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閑話 刺客

●とあるダンジョン管理室●


 男はダンジョンマスターだ。

鍛えた身体、整えられた身なり。

しかし、その顔は醜悪の部類になる。

 男自身、心底自分の容姿に嫌気がさしている。

だが、生まれもったものから逃げる手はない。

 管理室は理路整然とボタンが並ぶ、

さながらロボットアニメの操縦席のような部屋だ。

大きなダンジョンを管理する上で、

自動化できる作業は自動化し。

知恵のあるモンスターに適切な指示をして配置。

ダンジョンマスターとして行う作業をボタンでまとめて、

さらにダンジョンを大きくする。

 そのお陰で、彼のダンジョンは広大な敷地を有する。

四十階層からなるダンジョンは、罠も魔物もきちんと管理され。

補充される宝箱を目当てに冒険者たちが日々入ってくる。


「調子はどう?」


 そこへ現れたのは、

黒をメインにしたドレス姿の女。

『闇の神』だ。

なにもない空間からにじみ出てきて、

男の後ろに立っている。

 男はすぐさま席から立ち上がり、

彼女の前にひれ伏す。


「敬虔で素晴らしい。

でも、頭を上げてちょうだい。

今日は私からお願いがあってきたの」

「神様のお望みならば、どんな手を使ってでも」


 男はそう言ってさらに頭を下げた。


「さすが、

最大のダンジョンを誇るマスターね。

頼りにしてる、ショウ」


 闇の神は男をショウと呼んだ。


「ある男を捕らえて、

この契約書にサインさせて。

 一番確実なのはダンジョンバトルで勝って、

署名するよう強制することです」


 闇の神は契約書と人相書と資料をショウの前に置いた。

ショウはそれを受け取り、読み始める。

ショウは闇の神に確認した。


「……ダンジョンマスターなのに、

ダンジョンをもたない。

新人ダンジョンマスターをダンジョンバトルで滅ぼした。

この男、殺してもいいのですか?」

「殺すのはダメ。

契約書にサインさせてから、殺すの。

順番は変えられません。

先に殺しちゃったら、この世界が終わるからね」


 ショウは少し思案した。


「先日公示された、聖女の予言は」

「えぇ、私からのものよ」


 闇の神はそう言って笑う。


「かしこまりました。

この男を急いで探しましょう」

「いいえ。

場所は分かったの。

『死の荒野』のダンジョンを管理してるマスターが、

偶然見つけたって連絡があったの。

貴方も知ってるマスターのはずだけど」


 そう言って闇の神は名刺を一枚ショウに渡した。


「その名刺で一時的にそのマスターと連絡できるようにしたから。

後は二人で相談してちょうだい」

「承知しました。

お任せを」


 ショウはそう言ってまた頭を下げた。

闇の神は満足そうに笑って消えていった。

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