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ダンジョンマスターは、アットホームな職場です!  作者: 桃野産毛
第一章 未経験者歓迎!

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閑話 敵対

●ダンジョン管理室●


 ポータルの向こうに見えたのは、

大きな掲示板とたくさんの人。


 そして、掲示板にはダンジョンの攻略情報。


「攻略情報!?

情報を集積、分析して、公開してる!

無法者なんて、嘘だった!」


 やっとクミのトシオに対する認識が『敵』になった。

しかし、もうすぐ二階層が突破される。

 一階層、二階層共に広さは百二十ヘクタールある。

日本の有名なテーマパークより少し広いくらいだ。

その広大な敷地に迷路、罠、モンスターを配置していた。

普通に攻略すれば、

一階層だけでも十数日はかかる広さだ。


 それを、冒険者たちは数時間で突破した。


 理由は明確。

公開されたダンジョンの地図には、

モンスターと罠の分布。

次の階層への最短経路まで書かれていた。

いくら広くても、

そこまでされたら高速攻略は必須。


「掲示板を破壊して、情報を奪う!

それから、一階層のマップを変えれば!」


 クミの策は、かなり良い。

しかし、もっと早くにやるべきだった。


「き、キメラが!」


 掲示板を破壊するより先に、

二階層のボスが討伐された。

モンスターをポータルに集中させたため、

一階層が手薄になり大量の冒険者たちが二階層へ向かったからだ。

そして、カーフェイとミルヒィたちに冒険者たちが合流し、

数十人でキメラを袋叩きにした。

 その内何名かは蛇の尾の毒で仕止めたが、

冒険者の数はそんなに減っていない。

胴体をたくさんの武器で貫かれ、

弱点の心臓を破壊されたキメラがダンジョンから運び出されていく。


「キメラの倒し方も的確!

誰? 誰の入れ知恵なの!?」


 元はトシオの策だが、

カーフェイが改良した。

キメラを囲み、火矢と火球の魔法で蛇頭の注意を引く。

その隙に、前衛は蛇に気を付けながら、

胸へ武器を突き立てる。

武器をキメラに突き刺したら、

すぐさま手放して逃げる。

人数がいるのでできる策だ。

 クミがダンジョンの二階層をよく見る。

冒険者たちの先頭でハルバードを掲げる大男がいた。

明らかに実力者だ。


「なにあれ?

Sランク!?

こんな秘境に、なんでいたの!?」


 こればかりは、トシオの運だった。

ただし、彼の運だけではない。

彼が諦めず三年間もの間、

ダンジョンについて調べ続けたから、

彼にカーフェイが興味を示したのだ。

だから、彼のいる町にカーフェイとミルヒィが訪れた。


「三階層が最後……。

どうする?

モンスターを追加して、守りを固める?

 ポイントが残り半分しかない!

ボスを復活させても、

攻略方法が確立してるから壁にもならない!

掲示板もなんとかしないと!」


 クミは、やっと自分の命の危険を感じる。

ダンジョンコアが破壊されれば、

クミは、ダンジョンマスターは死ぬのだ。


「ダンジョンコアの隠し場所さえバレなきゃ、

なんとかなるかも」


 自分に都合の良い情報に飛び付くくらい、

クミは追い詰められていた。


「掲示板を先に破壊する。

その後で、一階層の道を変えて、

モンスターを配置し直せば良い。

 あわよくば、

掲示板の近くのアイツを殺せる」

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