表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスターは、アットホームな職場です!  作者: 桃野産毛
第六章 副業・兼業OK

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/115

閑話 失策

●会議室のようなところ●


「なんで、ダンジョンバトルができるんだ!?

サトウ トシオの『ダンジョンコア』は、

回収したはずだ!

あれがないと、

ダンジョンマスターとは認識されないはずだ!」


 『死の神』が、

その細い手が砕けそうなほど机に叩きつけて言う。


「落ちつけ!

それ以前に、

残りのダンジョンマスターたちが、

なんでここにいる!?

 生き残りのダンジョンマスター三人には、

ダンジョンに『封印』をかけて閉じ込めたろ!?」


 『火の神』は部屋の端にある大きなモニタを指差して言う。

『水の神』がノートパソコンのようなものを操作して言う。


「待ってください!

今備品見たら、

サトウ トシオの『デコイコア』って目録になってました!」

「はぁ!?

どっ、どう言うこと!?

本物は回収できてないの!?」


 『風の神』はスマートフォンのようなものを操作して、

頭をかきむしる。

『命の神』がトシオの魔法鞄から出したコアは、

大海のダンジョンとのバトルの時のデコイ。

偽物だった。


「じゃぁ、どこかに彼のダンジョンコアが!?

急いで回収しなければ!」


 『鋼の神』が必死に紙の資料を広げて叫んだ。


「アイツら……!

皆、聞いて。

ダンジョンマスター三人がダンジョンから逃げ出してる。

 シェイプシフターを身体に纏って、

魔力を人間に似せて、反応も人間に近づけて。

さらに、ダンジョンにあった冒険者たちの死体を、

自分の首から下、身体につぎはぎして移植してる。

身体を魔物から、

人間に近づけて逃げ出したんだ。

 移植してるパーツが拒絶反応を起こさないのは、

身に纏ったシェイプシフターが『繋ぎ』をしてるからみたい。

だから、神経や血液まで、ごちゃ混ぜでも生きてる」

「……狂ってる!」


 『土の神』の話を聞いた死の神は、

もう一度机を殴り付けた。


「とにかく、

ダンジョンバトルを止めることが先決だ!

『教会』は!?」

「異端審問官を全員向かわせたらしい。

ウチからは、鍛冶神から武具を出させた。

フェニックスには効果出ねぇが、

火魔法の強化加護を撒いた」


 火の神はそう言ってモニタをにらむ。


「ウチは水魔法の加護を。

神官たちは、逃げる人の誘導をしてるみたいです」


 水の神はそう言ってパソコンに顔を戻した。

風の神はヒールを脱ぎ捨てて。


「あそこは、海運で有名な所だったよね。

私の風魔法の加護を、ギリギリ限界まで送る」

「気をつけて。

私も土の加護を出せるだけ出してる」


 眼鏡をあげて土の神が言う。

火の神がヒールを拾って、

風の神の近くで揃えておいた。


「……あの。

ここは、使って貰いませんか?」


 鋼の神が、そう言う。

死の神は、一応聞いてみる。


「誰に、何をだ?」

「ビトメさんに、加護を。

そして、

それに私たちの加護を上乗せしませんか?」


 死の神はモニタに顔を向けた。


「……彼女は?」

「気を失ってるみたい」


 火の神はそう言って、指でほほをかいた。

会議室に緊張感が満ちる。


「彼女の誓いを、破らせるのか?」

「彼女の精神の安寧のためにも、です。

彼女はこの前のことで、

戦闘、闘争にトラウマを持ってしまってる。

このバトルが長引くほど、彼女は辛いはずです」


 死の神の心配も、

鋼の神の言い分も間違いではない。

風の神は髪を乱暴にまとめてペンをかんざしがわりにつきさし、

留める。


「私の加護はもう使ってるから、

後五つ」

「この状況、目の前の魔物を止めても、

ダンジョンバトルは止まらない。

どうするつもり?」


 土の神が鋼の神に質問した。


「ダンジョンバトルの勝利条件は、

そこに何を書き込んでいても、

必ずあるのが『相手のダンジョンコアの破壊』です。

 貴女の加護は、

ダンジョンコアまで、踏み均せますよね?」


 聞き返された土の神が腕を組んで眼鏡をかけ直す。


「ダンジョンの中で使えば、行けるかも。

擬似的な『踏破』の力として使えるけど、

ダンジョンコアが土に面してないとダメだよ?

相手は『天空のダンジョン』でしょ?」


 光の神の『文明』の権能の力が踏破。

人の足の力、と言うと弱く思えるが、

地球世界の星のほとんどの大地を歩き尽くし、

空を飛び、海をわたり、地図にしてしまう壮絶な力だ。

以前の聖女の力はそれだった。

 今ビトメにある土の神の加護は、

似ているものの異なる力だ。

土の神の力は、大地の隆起。

大陸プレートの動きであり、地震の原因であり、

山を持ち上げ、大地を海へ沈める力だ。

人の足の力より強力だが、その効果は空まで届かない。


「じぁ、私ですね」


 水の神はそう言って手を挙げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ