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三章第五話 小さな人間と巨人と賢者の石

しばらくの間、リックは衝撃をなるべく与えない歩き練習の時間が続いた。 滑らかに足を着き、体が上下に揺れないように足を上げて下げて、滑らかに足を着く。 進むスピードも変化がないよう機械的に歩む。


「賢者の石って魔法って言うのを跳ね返すんだよね?」

ニールから話しかけてくるのは珍しい。

「あぁ。 そうだよ」

リックは歩行練習をしながらそう答えた。

「ふ〜ん。 そうなんだ……そっかぁ……」

「???」

意味深なニールの反応。 どういうことだろうか。 しかし、そこで会話は終了してしまった。



そうこうしていると、いつの間にか太陽が傾いていた。


グゥ


リックの大きな腹が悲鳴を上げる。 そう言えばずっと何も食べていない。

「お腹減ったな」

「うん。 でも僕はお弁当持ってるんだ」

ニールは数ミリ程の四角い物を取り出し、蓋を開ける。 何が入っているのか。 リックの目では解像度が悪過ぎる。

「食べる物何もないの?」

「あぁ。 虫取りに行かなきゃ」

「これ少し食べる?」

少しも何も、弁当箱ごと食べても味すら分かる自信がない。

「大丈夫。 今虫取って来るから」

リックは単純計算で小人の約27万5千食分を食べなくてはならない。 それを探し出すのは大変だ。 小さな国なら1人で食い尽くしてしまうだろう。 結局、ニールよりも大きくまるまる太った芋虫を10匹程捕まえた。

それらを口の中に放り込む。 小人なら何人分の食料になるのだろうか。 リックの腹はあまり満たされなかった。


「じゃあ今日はとりあえず寝るか」

「うん。 おやすみ〜」


リックは地面にニールはテーブルに横になった。 明日の旅立ちの為に。


ちなみに、リックが寝返りを打つ時に何度か腕がテーブルにぶつかり、吹っ飛ばされそうになってたニールはゆっくり寝てる暇ではなかったのだが、この話はリックは知らない……。

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