謎じゃない彼女 2
「長澤」
俺が名前を呼ぶと、長澤はわかりやすく反応した。
やはり、俺が何かを言うのを待っていたようである。
「何よ」
「まぁ、単刀直入に聞くんだが、俺の計画、手伝ってくれるのか?」
長澤は俺がそういうと、少し呆然としていたが、それから経ってから何を言われたのか理解したのか、ニヤリとほほ笑んだ。
「ええ。そのためにわざわざここまで来たんだもの。もちろん、協力してやるわよ」
俺にとってその言葉は意外だった。
この前の長澤の反応からしてみても、絶対に協力などしてくれないものだと思っていたのに……一体どういうことなのだろうか。
「いいのか?」
「ええ、もちろん。ただ、条件があるけどね」
「条件? なんだと?」
俺が怪訝そうに眉を寄せると、長澤は得意げな顔で俺を見た。
「簡単よ、アンタ、私と付き合いなさい」
「あ? だから、付き合ってくれっていうのが、俺の計画であって――」
「フリじゃないわ。マジで、真剣に私と付き合いなさいって言ってんの」
俺が続きを言おうとするのをさえぎって、長澤は間髪いれずにそ続ける。
……なんだって?
俺は思わず長澤の顔を見る。
コイツ、マジで言っているのか?
というか、なんだそれ。
真剣に付き合えって……どういうことだ?
「わからん」
「わからんって……何が?」
「だから……真剣に付き合うってのは?」
俺がそう訊ねると、長澤が呆れたように俺を見る。
金髪じゃなくなった分、どこか知的に見えるが、やはり目つきの悪さは相変わらずだった。
「普通のことよ。普通の高校生がやるみたいに、彼氏と彼女の関係になるってこと」
「彼氏、彼女。俺とお前が?」
長澤は気まずそうな顔をしていたが、コクリと小さく頷いた。
もちろん、付き合うってそういうことだってことはわかっていた。
しかし、正直言えば、俺としてはそんなことはしたくない。
そんなこと、考えただけでも……いや。そもそも想像できないのだ。
仮に俺と長澤が……いやいや。なんだそれは。やっぱり想像できない。
「わかった。で、もし俺が断ったら?」
「私としては協力できないわね。もちろん、強制はしないわよ?」




