同盟の破綻 2
「今日は、良く喋るんだな」
俺がそういうと、カチンと来たようで長澤は眉間に皺を寄せて俺を睨む。
「あ、アンタねぇ……バカにするのもいい加減にしなさいよ! わ、私は不良なのよ! あ、アンタのことなんて私がその気になればどうにでもできちゃうんだから……!」
「だったら、すればいいじゃないか。いや。これまでもどうとでもできたはずだ。それなのにお前はそれをしなかった。つまり、お前はそれをする気がないというわけだ」
俺の言葉に、長澤は何も言えないようだった。
しかし、今俺が言ったことは真実である。
長澤にしてみれば、犬井に真実を話すことなど造作もないことだったはずだ。それなのに、長澤はそれをしなかったのだから。
長澤は何も言わずにそのまま口を閉じてしまった。
「で、お前に何を協力してほしいというとだな……」
「……嫌」
「は?」
長澤が何を言ったのか、俺には聞こえていたがあえてなんと言ったか分からないふりをした。
長澤はなぜか悔しそうな顔で俺を見ていた。
「これ以上……アンタの好き勝手に事がうまく行くと思わないことね。絶対アンタになんて協力してやらないんだから」
「はぁ。そうか」
俺がそういうとやはり長澤は拍子抜けしたようだった。どうやら、長澤の協力がないと俺が困ると思っているらしい。
「な、何よ。困るんじゃないの? 私の協力がないと」
そして、俺が思った通りのことを、長澤は口にした。
「まぁな。だが、それで俺が八方ふさがりになるってわけじゃない。だから、最悪お前の協力がなくてもなんとかなるようには考えているが」
「なっ……! 何よ、それ! じゃあ、何? もう私はお祓い箱ってこと?」
「そういうことじゃないが、お前が協力してくれないっていうのなら、それまでだろう?」
長澤は自分がどうしたいのかよくわかっていないようだった。俺の目から見ても長澤自身が酷く混乱しているのは見てわかる。
長澤は唇を強く噛みしめていたが、その後で大きく溜息をついた。
「……とりあえず、教えなさいよ」
「え? 何を?」
俺のわざとらしいとぼけ方がより長澤の気を逆なでしたのか、目つきを吊り上げて俺を見る。
「アンタが私にどう協力してほしいのか、ってことよ!」
そう怒鳴る長澤を見て、なんともコイツは御しやすいヤツだと俺は改めて認識したのだった。




