捻くれた彼女 5
「あ、あり得ない……何やってんの? アンタ」
未だに目の前の俺の存在を信じられないようで、長澤は頭をイラ付いた感じでかきむしりながら俺をにらんだ。
「何って、お前に話があるからお前の家に来た。それだけだ」
「はぁ? 話があるなら学校ですればいいじゃない! それなのに、なんで? なんで家にまでやってくる必要があるのよ?」
「そりゃあ、学校だとしにくい話だからだよ。それに、お前とゆっくりと喋りたかったしな」
「はぁ? 私はアンタとなんか全然喋りたくないんだけど?」
「そうか。じゃあ、俺が勝手に喋るから、勝手に聞いていろ」
不満そうな顔のまま、長澤は俺の座っている椅子の正面に腰を降ろした。
「……そもそも、なんで家に入れるのよ。アンタ、私のストーカー? 家の住所なんか知らないわよね。普通」
「ああ。それは栄介に聞いた」
「栄介……ああ。伊丹か。なるほどね。で、お母さんがアンタを私の友達かなんかと思って家にいれちゃったわけね」
「友達っていうか、彼氏か何かって思っていたようだな」
すると、なぜか長澤は頬を紅くした。無駄に彼氏と言う言葉に反応したらしい。
「か、彼氏って……ふ、ふざけんじゃないわよ! あ、アンタなんかを彼氏にしたって思われていたなんて……お、お母さん私の趣味悪いって思っているんだ……」
「俺が彼氏だとお前の趣味が悪いってことになるのか?」
「あ、当たり前でしょ! 勝手に人の家に上がり込む変態野郎が彼氏だなんて……」
変態、と言う言葉に俺は反応してしまった。
なるほど、変態と他人から言われたのはこれが初めてなわけであるが、中々悪い気分ではなかった。
無論、俺は自分のことをすでにだいぶ変態を認めているので、そういわれるの今更な気がするが。
「そうだな。変態なんだ。俺は」
俺は思わず満足そうにそう言ってしまったが、やはり、長澤はブスっとした顔で俺を睨んでいた。




