↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/167

捻くれた彼女 4

「そうなんですか? 初耳でした。それは」


「うん。でも、学校に行くようになったらなったで、髪も茶色く染めちゃって、どうしたのって聞いてもファッションだから、って。私は流佳ちゃんは優しい子って知っているからそういう不良みたいな見た目はあまり賛成ではなかったんだけれど……」


 お母さんは悲しそうな顔でそう言っていた。


 一方で、俺は心の中でニンマリと微笑んでいた。


 そして、丁度その時だった。


「ただいまー」


 玄関の方からけだるそうな声が聞こえてきた。


「あ! 流佳ちゃん!」


 お母さんはそのまま玄関の方へパタパタと走っていった。

 俺は紅茶を口の中に全て流し込んだ。


「え!? ど、どういうこと!?」


 次の瞬間には予想通り玄関の方から長澤の驚愕の声が響き、そのままこちらへ走ってくる様子が聞こえてきた。


「あ……アンタ……!」


「よぉ。長澤」


 俺が振り返ると、肩を震わせて長澤はその場に立っていた。


「お、お母さん! どうしてこんなヤツお家に入れたのよ!」


 長澤はかなり怒り気味でお母さんに訊ねる。


「え? だって、流佳ちゃんのお友達でしょう?」


「お、お友達って……そ、そんなんじゃ……」


「ふふっ。ダメよ。流佳ちゃん、恥ずかしがっちゃ。じゃあ、二人の邪魔になるといけないからお母さん買い物に行ってくるからね」


「え? ちょ、ちょっとお母さん……」


 そういって長澤のお母さんはなぜかウィンクすると、そのまま玄関の方に行ってしまった。長澤は立ち尽くしたままその後姿を眺めていた。


 玄関の扉がガチャリと閉まり、完全に家の中には長澤と俺の二人だけとなった。


 俺は目の前にあったチョコレート菓子を口に含み、バリバリと噛み砕いた。


 長澤はゆっくりとこちらに顔を向ける。


 その表情はまるで汚物を見るかのような軽蔑した視線だった。


 俺は噛み砕いた菓子を飲み込み、自然と長澤に向かって微笑んでしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。