其の七曜
さて、天使たちはエリオンに『ココロがみにくいから、相手にしてもらえない』ことを認めさせようと やっきに なっていましたので、ハックにも手伝わせることにしました。
天使たちは、ハックを よびだすと、こう伝えました。
『いいかい、ハック?
私たちは これから あの子をテストするけど、ぜったいに手助けしちゃあ いけないよ?
だって、ウッカリ合格なんてしたら、自分の悪いところに気づけなくなるだろう?
これは あの子のためなんだ……。
いいね?』
これは、とおまわしに
『イカサマを手伝え』
と言ったのです。
前にも お話したように、のっとりをしていいのは お世話に必要なときだけ……。
でも、イカサマがエリオンのために なるとしたら どうでしょう?
ハックにとっては、ねがったり かなったり……。
こんな いい おさそいを断ることは ありません。
さて、まんまとハックを だきこんだ天使たちでしたが、もしホントのことが神様にばれたら、どうするつもりだったのでしょう?
なんと、天使たちは、
『マジメにエリオンをテストしていたけど、ハックに だまされて不合格にしてしまった』
ことに するつもりでした。
実際 問題、ホントのことをバラされたら天使たちはオシマイなのですが、
『神様があんなやつの言うこと、信じるものか……』
と、ハックをみくだしていたのです。
それだけ、自分たちは神様に信頼されている、と うぬぼれても いたのです。
とはいえ、そんなわけですから、何回テストを受けても合格できっこありません。
ついにエリオンは、
『ボクみたいな悪い子は、神様にも相手にしてもらえないんだ……』
と、教会をたずねようと しなくなりました。