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ナマケモノの妖精  作者: 尾生 礼人
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9/11

其の蜂

 さあ、こうなってしまえばハックの天下──

遊び ほうだい です。


 でも、子どもはいつか大人になるもの……。


 いつまでも そのままでは、お世話をなまけていたことが ばれてしまいます。


 これ がネコなど、他の生きもの なら ごまかせたのですが、人間は神様が自分に にせて作ったほどですから、どうしても めだちます。


 そこでハックは、エリオンに こう ささやきました。


「──私は神様だ。

お前は お手伝い も勉強も せずに遊んでばかりの悪い子だ。これからは、私の言うことを よく聞いて よい子になりなさい。」


 これを聞いたエリオンは、

『悲しいけど、やっぱりボクは悪い子だったんだナァ……。でも、神様がボクを見てくだすっている……。』

と感動し、言われるがママに お手伝いや勉強を がんばるよう に なったのでした。

(これまでは、しようとしてもジャマされて できなかったのです。)


 でも、悪い子が いきなり よい子になったらヘンですよね?


 ハックは、乗っ取る回数をジョジョに減らしていくと、エリオンが だんだん よい子になったように見せかけました。


 妖精たちが 生きものを悪い子に仕立てるとき、階段を一段 一段 のぼるように 慎重に仕立てますが、その逆をやったのです。

(思いとどまるようなら背中を押しますが、かならず ()()() ()()()()()()()()()()())


そうして、しばらく…。


 ハックは、エリオンの善行が板についてきたのを たしかめると、自分の手柄を神様に報告しました。


「あんなに悪い子だったのが、私の おかげで、こんなにも よい子に なりました」


 すべてを知っていそうで、なぜか なにも知らない神様は、ハックをベタぼめです。


 天使たちは、今度も なにも言いませんでした。


 神様に ほめられて得意顔のハックでしたが、そうは問屋が おろしません。


 どうやら最近、エリオンが『のっとり』について気づき始めているようなのです。


 あわてたハックは、いそいで お父さん や お母さんをあやつると、


『自分の やったことを、人のせい に するんじゃ ありません!』


『自分のココロが みにくいこと を みとめなさい!』


とサンザンに しからせました。


 そうして エリオンに、

「だれでも、悪いこころをもっている」

「それ を みとめてこそ、リッパになれる」

と ささやき、あらためてザンゲさせ、それを日記に つけたのでした。


 エリオンは、ときおりシャクゼンとしないものの──

『ボクは、しょうね の いやしい 人間なんだ……。』

と、内心 ウツウツと すごしていました。


 しかし、そんなある日、ふとしたはずみでホントウのことに気づくと、大声で泣きだして しまいました。


挿絵(By みてみん)


 だれも相手にしてくれないけれど神様だけは……と思っていたのが、ウソだったからです。


 すると、どうでしょう。


 その声が神様に届いたではありませんか!


挿絵(By みてみん)

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