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ナマケモノの妖精  作者: 尾生 礼人
7/11

其の緑

さて、なかなか あきらめようとしないエリオンに 天使たちはイラついていました。


なぜって、このままでは、言いつけを まもってないことが神様に ばれてしまいますからね。


そこで天使たちは神様に しかられたくない一心で、形だけ遊んであげることにしました。


『なぞなぞ』や『かくれんぼ』です。


それも、大人の学者さんですら むずかしいナゾナゾや、魔法でトウメイになって の かくれんぼ です。


とても遊んであげてるようには見えませんが、なにをして遊ぶかは天使たちの自由なのでした。


イジメを見つかった いじめっ子が、

『遊んであげていただけ……』

と言いますが、あんな感じでしょうか。


よく物語で、人質を取った魔王が、『ゲームをしよう』とか、『ひとつ、賭けをしないか?』なんて言いますが、あのモデルは天使たちなのでした。


みなさん、そんなふうに持ちかけられても、けっして調子を合わせてはいけませんよ?


(まぁ そうは言っても、シナリオを書かれてしまえば自分から了承したと思い込まされて言質をとられ、それを報告されてオシマイですがね……)


さて、最初は がんばって お山に通っていたエリオンでしたが、

『ボクは、天使様にも きらわれているんだ……』

と、なんとなく さっして、公園に通うのを やめてしまいました。


でも、やっぱり さびしいものは さびしいのです。


『そうだ! こんなボクでも、神様なら きっと相手にしてくれる!』


エリオンは そう思いつくと、さっそく教会を たずねようと しました。


天使たちは、おおあわて……。

このままでは、いいつけを守っていないことが、神様に ばれてしまいます。


いそいで大雨をふらせ、カミナリをならすと、エリオンが教会をたずねるのをジャマしました。


そうして夜中に 神様のフリをしてエリオンの夢に あらわれると、

『お前のような悪い子は、来てはならん!』

と伝えたのです。


では、よい子になったら会ってもらえるのでしょうか? もちろん、ちがいます。


翌日、天使たちは、ふたたびエリオンの夢にあらわれると、

『テストに合格すれば、会ってあげよう。』

と伝えました。


自分よりも ちいさな生きものを大切に出来るか?というテストです。


もちろん、イカサマでした。


じつは天使たちは 妖精のイタズラなんて、とっくに お見通し。


イタズラが ばれて妖精たちがクビになれば 自分たちの仕事が ふえるので、だまっていたのです。


なにをかくそう、妖精たちのイタズラの おてほんは、天使たち……。


天使たちは早くから、生きものをオモチャに していたのです。


チガイがあるとすれば、妖精たちの目的がイタズラなのに たいし、天使たちの目的は『恋愛』なのでした。


でも、それは あきたらオシマイの恋愛『ごっこ』……。


もし、恋のトラブルがふえたら、それは天使たちのせいかもしれませんね。

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