↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある聖女のお話し  作者: 海野 はなび
第1章 遠征にレッツゴー
4/11

4話 流石です!先輩!

私達、遠征部隊が王城を出発してから、早2日程が経っていた。

話によれば、今日中には、カリクスに着くだろうという事だっだ。


私としては、早くカリクスに着いてほしい。何せ、馬車の中が、私とリヴェラとアテルなのだ。しかも、アテルに至っては、馬車の雰囲気に耐えかねて、私が本を読もうとすれば「なぁ、何読んでんの」とか「どんな本なんだ」とか、聞いてくる。


子供かよ!そんなにあなたが気にする程の本じゃないって!

なんて、質問の度に心の中で一人ツッコミ大会を開催しているのだが、当然そんな事口に出せるはずもない。

こんな事が続いて、もう2日だ。

もうそろそろ、こっちはカリクスに着く前に、体力がすり減ってしまう。


あぁ…頼むから、早く着いてくれ〜!!


と、心の中で叫ぶが、この後結局3時間程馬車に揺られ、その間にまたアテルに質問攻めされる事になるのだった。



✽✽✽



日が落ちかけた頃、私達は、ようやくカリクスに着いた。

今は、街の中にある、こういった遠征でよく使われることの多い、館に着いたところだった。


「ようこそ、お越しくださいました。」

館の1階部分にあるホールでは、初老の、モノクルをかけた執事と大勢のメイド達が満面の笑みで出迎えてくれた。


その時、隣に立っていたはずのアテルが一歩前に出てから、にこやかな笑顔を浮かべて言ったのだ。


「これは、ご丁寧に、出迎えありがとうございます。」

それは、例え使用人という立場の人が相手でも、位の高い筆頭魔術師という立場に驕らず、丁寧な対応をする。

理想的な筆頭魔術師としての振る舞いだった。

そして、その振る舞いは、私がまた、


いや、誰だよ!

あなた、そんな普段、にこやかに笑わないじゃん!

というか、そんな振る舞いできたんかい!


という、ツッコミ大会を一人開催するほどに完璧だった。


「これは、ご丁寧にどうも、ありがとうございます。

さぁ、お部屋の準備ができておりますので、是非皆様お部屋へどうぞ。」

執事がそう言うと、後ろで控えて居たメイド達がレニタス先輩やアテルのところに向かうのが見えた。

そして、私のところにも一人のメイドが向かってきた。


メイドは、私の目の前にくると、綺麗な御辞儀をしてから、満面の笑みで挨拶をしてくれた。

顔には笑窪があり、茶色のふわふわとした髪が印象的なとても元気そうなメイドだった。

「メイドのミリアと申します。早速ですが、お部屋に案内させていただきますね。」

ミリアについていくと、階段を上った3階にある部屋に着いた。

「こちらが聖女様のお部屋になります。もし、ご不便なところがあったら何でも私に仰ってくださいね!」 

 

「ありがとう、では、滞在中は何かと頼らせて貰いますね」


「はい!では、私はこれで失礼いたしますので、またご用があればお呼びください。」



✽✽✽



部屋に入って、荷解きをして少し落ち着いた頃、私はリヴェラを連れ添って少し館の中を散策していた。

その時、丁度左側にあった部屋から突然怒声が聞こえてきた。

「全く、あなたという人は、自分の立場を理解してらっしゃるのですか!

だいたい、騎士団長であるあなたが、勝手に遠征先に置き手紙だけで向かうとは、一体どういう事なんです!」


あれ、もしかしてこの声は…


気になって、部屋を覗くと、そこにはアンナマリーが予想したとおりの般若のような顔をした人物と、騎士団長の制服を着た少し赤みがかったオレンジ色の髪を高い位置で結い上げて、正座をしている女性が居た。


やっぱり、レニタス先輩だ!

レニタス先輩にもなると、あんなにもはっきりと自分の意見を言えるんだ、流石だなぁ。


普通なら、上司に向かってそんな態度をとっていいのかと不安になるところだが、もはや、先輩であるアテルに叫びちらかしたアンナマリーの感覚は狂っていた。


正座してる女性は、騎士団長の制服を着ているから、もしかして…


その時だった、思いっきり正座してる女性と目が合ってしまった。

女性はニヤリと笑うと、レニタス先輩に向かって口を開いた。


「ねぇ、レニタス、どうやらお客さんみたいだけど、いいの?」

「お客さん?」

怒りを顕にした声で、そう言いながら振り返るレニタス先輩ともまた、目が合ってしまった。


「アンナマリーさん…?」


「えっと、はい…」

そう言いながら私は、あまりの気まずさに、隣に居るリヴェラに目で「緊急事態、やばい」という語彙力皆無なサインを送り続けるしかなかったのだった。

読んでくださりありがとうございました。

今回のお話しも楽しんで頂けていたら幸いです。

もしよろしければ、ブックマーク登録や感想など、お話しを書く上での励みになりますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。