8話
私は木の根元に体を押しつけて、息を殺していた。
草がわずかに揺れるだけで、肩がびくりと固くなる。
モンスターの足音が、まだ遠くから響いてくるからだ。
家族を失ったのは、二週間前の夜だった。
父が棍棒を握って前に出た瞬間、モンスターの爪が一瞬で体を引き裂いた。
母は私を突き飛ばして「逃げろ」と叫んだが、次の瞬間には地面に倒れていた。
私はその場からただ必死に逃げた。
それ以来、私は家族を失い、部族の残った人たちと一緒に、毎日逃げ回っている。
モンスターたちは残酷だった。
すぐには私たちをすぐに殺さず、少しずつまるで玩具を弄ぶように、こちらの数を減らしていく。
昨日は若い男が二人、茂みに引きずこまれて殺され、夜の間に、子供が一人いなくなった。
誰もがやせ細っていた。
頰はこけ、目は落ちくぼみ、服はぼろぼろに破れている。
私は自分の腕を見下ろした。
骨が浮き出るほど細くなっている。
食料を探す暇もなく、ただ走って隠れてを繰り返すだけの日々だ。
年配の男が近くの木陰から顔を出した。
彼は声を低く抑えて言う。
「ラファ、もう少し先へ移動するぞ。ここは危険だ」
私はうなずいた。
足が重くてすぐに動けなかったが、歯を食いしばって立ち上がる。
皆がゆっくりと動き始めた。
モンスターの気配が再び近づいてきた。
少し離れた場所で低く唸る声が聞こえる。
私たちは慌てて茂みに身を隠した。
女の一人が子供を抱きながら震えて、小さくつぶやく。
「もう何人残ってるんだろう……」
誰も答えなかった。
ただ皆の目が絶望で濁っていた。
私は自分の胸の奥が冷たくなるのを感じた。
逃げ始めてから、部族の人数は半分以下になっていた。
モンスターたちは私たちを追い詰め、弱った者を狙って遊ぶように殺していく。
それは獲物を弄ぶような、執拗なやり方だ。
私は地面に座り込んで膝を抱えた。
体が冷えていて、震えが止まらない。
食料はほとんどなく、私たちは水だけを少し飲んで生き延びている。
年配の男が再び声をかけた。
「ラファ、立ってくれ。動かないとまた狙われる」
私はゆっくり体を起こした。
足がふらついたが、皆の後について歩き出す。
森の奥へ、どこまでも逃げ続けるしかなかった。
モンスターの影が木々の間にちらりと見えた。
皆が息を飲んで身を低くした。
私は自分の耳を伏せながらも、音を聞き逃さないようにする。
モンスターが近づいてくる足音が、はっきり聞こえてきた。
獣人の優れた耳は生きるのに役に立つが、今はただじわじわと恐怖を増すだけだ。
女の一人が子供を強く抱きしめた。
彼女の声が震えていた。
「もう……耐えられない……」
私は何も言えなかった。
ただ皆と一緒に、さらに深い茂みに隠れた。
体にはもう、力が入らなくなってきていた。
部族の残った者たちは皆、目が虚ろだった。
希望はもうほとんど残っていない。
ただ毎日、誰かが減っていくのを待つだけの生活。
私は自分の手を握りしめた。
指は細くなり、皮膚が乾いている。
モンスターの唸り声が少し遠ざかった。
皆がほっと息を吐く、でもそれは一時的な安心に過ぎなかった。
私は立ち上がり、皆の後ろについて再び歩き始めた。
足の裏が痛い、裸足のまま逃げ続けているせいだ。
年配の男が先頭で道を確かめていた。
彼は時々振り返って私たちに合図を送ってくれる。
それを見ながら皆、無言でついていく。
森の木々が密集する場所へ入った。
そこなら少しは、隠れやすいと思ったが、モンスターたちは嗅覚が鋭い。
結局いつ見つかるかわからない。
女の一人が地面に座り込んでしまった。
彼女は小さく泣き言を漏らす。
「もう……歩けない……」
私は彼女のそばにしゃがんだ。
手を差し伸べたが、彼女は首を横に振る。
皆が彼女を支えて立ち上がらせた。
絶望が部族全体を覆っていた。
誰もがやせ細り、目が死んだようになっていた。
私は自分の心が少しずつ折れていくのを感じていた。
モンスターの気配が、再び近づいてきた。
皆が慌てて別の方向へ逃げ始める。
私は必死に足を動かした。
歩きながら、私は前を向いていた。
どこか安全な場所がないか、ずっと探していた。
でも森はどこまでも続き、モンスターの影は消えなかった。
部族の人数がまた一人減るかもしれない。
そんな恐怖が常に頭の中にあった。
私はただ、生き延びるために歩き続けた。
息が上がって胸が痛い。
体を動かすのは重たいのに、体が軽すぎて、風に飛ばされそうだった。
やせ細った体は、もう限界に近かった。
年配の男が前方で手を挙げる。
隠れ場所を見つけた合図だった。
私たちは急いでその茂みに身を潜めた。
皆が息を整えながら周囲をうかがう。
誰もが無言だった。
絶望だけが、静かに広がっていた。
私は目を閉じて、不安と空腹を感じながら、それでもどうにか体を休める。
モンスターがまた来るまで、どれだけ時間が持つか。
私は明日の朝まで生きているのか……恐怖を抱えながらも私の意識はいつの間にか落ちていた。




