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異世界に転生したら触手で、助けた少女に神様って言われたので神様ごっこします!  作者: frandre scarlet


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5話

 人間たちが平地に散らばって動いている。

 ティアはリョウのそばに立って周囲を見回し、時折寄生した触手を介してリョウから魔力の魔力を受け入れていた。


 男の一人が川から魚を捕まえ、平らな石の上に置いた。

 彼は髭の生えた顔を上げ、ティアの方を向いた。


「ティア、これで、みんなに平等にいけるか?」


 ティアはうなずいて魚のそばに近づいた。

 彼女は魔力を軽く集中させて魚を素早くさばき、身をいくつかに分けた。


「これで皆に行き渡ります」


 女の一人が子供を抱えたままティアの横に座り、分けられた魚の身を小さな葉の上に並べた。

 彼女は、ティアの小さな手に自分の手を重ねた。


「ティア、この場所、ほんとにモンスターが来ないみたいね」


 年配の男が、集めた実を葉に乗せながら、言う。


「ここなら夜も落ち着いて過ごせそうだ。ティアの言う通り、神様の力が効いているんだろうよ」


 リョウは集団の少し離れた位置で、静かに全体を観察していた。

 彼は寄生した触手を介してティアの体を常に確認し、徐々にその体を作り替えるのに、必要な魔力を送り続けている。


(人間たちの生活は問題なさそうだ。ティアが巫女としてみんなをまとめているおかげかな。ティアにはこの調子で頑張ってもらおう)


 ティアは子供の一人が膝を擦りむいているのに気づいた。

 彼女はすぐにしゃがみ込んで魔力を手のひらに集中させ、傷口にそっと当てた。

 寄生触手に補助されて使用した魔法により、傷がみるみるうちに塞がり、子供は痛みが引いて不思議そうな顔でティアを見上げた。


「ティア姉ちゃん、ありがとう!」


 ティアは子供の頭を優しく撫で、立ち上がる。


「これが神様の力だよ。みんなも怪我したらすぐに言ってね。私が治します」


 女たちが集まってきて、ティアの周りに輪を作った。

 一人の女が、ティアに尋ねた。


「ティア、これからここでずっと暮らせるの? 神様はいつまでもこの縄張りを守ってくれるの?」


 ティアは皆の顔を見回しながら答えた。


「はい。ここは私たちのために神様が用意してくれた場所ですから、ここでずっと暮らせます。みんなが神様に感謝し、敬っていれば、ここはいつまでも守られます」

「神様に感謝……。そうね。神様、私たちを救っていただき感謝します」


 女はティアの回答に、一度リョウを見て、頭を下げる。

 それに続くように、他の人間も、他の人間たちもリョウに向かって感謝を述べ始めた。

 感謝の声が重なり合う中、男たちは小さな火を起こし、魚を焼く準備をする。


(いきなりの感謝大会には驚いたな。まぁ、悪い気はしない。正直ごっこ遊びだから、失敗して人間たちが死んでもいいと思ってたけど、もう少し気に掛けてやるか)


 子供たちがティアとリョウの周りで少しずつ動き始め、地面に落ちてる枝や石を拾って遊んでいる。

 一人の子供がティアの手を握り、別の子供が魚の焼ける匂いに鼻を近づけた。

 女の一人が子供たちを優しく引き寄せ、焼けた魚の身を分け始めた。


「みんな、熱いから気をつけて食べなさい。ティアと神様のおかげでこんなに穏やかな夕方だわ」


 年配の男が火のそばに座り、焼けた魚を一口かじった。

 彼は満足した顔で周りを見渡し、別の男に話しかける。


「ここはいい場所だ。これまでモンスターに追われてばかりだったけど、神様と巫女であるティアがいれば違う」


 男たちはうなずき合いながら魚を分け、女たちや子供たちに渡した。

 ティアも皆と同じように魚の身を少し口に運び、皆の様子を確認すう。


 黒い髪が夕方の風に軽く揺れ、小さな顔に穏やかな表情が浮かんでいた。

 リョウはその光景を眺め、彼はティアの頭の中に直接声をかけた。


『みんなをよくまとめられている。巫女として上出来だぞ、ティア。人間たちもここから増えていくだろう』


 ティアはリョウの方を見て、小さくうなずいた。

 彼女は皆に向かって続けた。


「神様も喜んでくれています。これからはここを基盤に、少しずつ生活を広げていきましょう。神様と私が、皆を支えます」

「おう!」


 希望の籠った返事がいくつも上がり、皆の顔が明るくなる。

 そして、少しすると、男の一人が立ち上がり、地面に座った仲間たちに声をかけた。


「そろそろいい時間だ。寝床に入ったほうがいいだろう。一応男達で、交代で火の番をしつつ、見張りをするぞ」


 皆が少しずつ体を休め始めた。

 リョウは側にティアを伴い人間たちの様子を、少し離れた場所から見守っていた。

 彼は縄張りのための魔力をさらに均等に広げ、より縄張りを強固にしていく。


(さて、やっと一日が終わるのか。森から出て怒涛の一日だった。でも森を出てよかったな)


 集団は徐々に夜の静けさに包まれ、子供たちの寝息が聞こえ始めた。

 男たちが交代で火の番をし、女たちは子供のそばに寄り添っている。

 人間たちはこの新しい場所で、初めて長い一日の終わりを迎え、ゆっくりと体を休めていった。

お読みいただきありがとうございます。

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よろしくお願いいたします。

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