41話
静かな神殿の奥。
ホルン、カスミ、ミズハの三人が並んで立っていた。
三人は巫女候補として、初めて神様の本体ともいうべき存在と対面する日を迎えていた。
リョウの触手がゆっくりと床の上を這い、三人の前に姿を現した。
太く長い触手がいくつも絡み合い、大きな塊のように存在感を放っていた。
ホルンはその姿を見た瞬間、目を輝かせて駆け出した。
彼女は迷わず触手に飛びつき、両腕を思い切り回して抱きついた。
「大きな神様~!」
ホルンは触手の表面に頰を強く押しつけ、嬉しそうに体を擦りつけた。
カスミは一瞬目を丸くした。
すぐに翼を小さく広げて駆け寄り、ホルンの隣に体を滑り込ませた。
「ず、ずるい!」
カスミは触手に腕を回し、ホルンと一緒に体を預けた。
彼女の翼が軽く震え、興奮を隠せずにいた。
ミズハは二人の様子を見て、珍しくオロオロとしていた。
青みがかった長い髪を指で弄びながら、後ろで小さく体を揺らした。
リョウの触手が素早く動く。
一本の触手がミズハの腰に巻きつき、優しく引き寄せた。
ミズハは「あっ」と小さな声を上げたが、触手に抱き寄せられるまま三人の輪に加わった。
三人はまとめて触手に包まれた。
ホルンは触手を強く抱きしめたまま、カスミは翼を軽く広げて体を密着させ、ミズハは触手の温かさに包まれながら静かに息を整えた。
触手が三人の体を優しく包み込み、ゆっくりと動きながら温もりを伝える。
ホルンは満足げに目を細め、カスミは嬉しそうに笑い、ミズハは静かに頰を赤らめた。
神殿の奥は三人の小さな笑い声や吐息と触手の動く微かな音が響いていた。
新しい巫女候補たちが、神様の本体と初めて触れ合った瞬間だった。




