34話
リーフが巫女候補になってから数年後の村は、以前よりさらに賑やかになっていた。
広場では人間の子供が獣人の子と一緒に石を積み、角人の子が蔓人の子に水を運ぶ手伝いをしていた。
家が増え、畑が広がり、道もいくつも整備された。
村人に子供が生まれ、新しく縄張りに入ってきた人々が加わったおかげで、人口は大幅に増えている。
ティアは神殿から出て、広場を横切る。
今日、彼女は村の中を回って人々の話を聞く役だった。
ラファは別の道を歩き、畑仕事の手伝いと子供たちの様子を見ていた。
リーフは今朝早く、縄張りの外へ遠征に出かけていた。
三人は持ち回りで役割を分担していた。
二人が村の中の学校や人々の交流を担当し、一人が外へ出て弱った人類を探して保護する。
このやり方で村は少しずつ大きくなっていた。
夕方近く、神殿の奥に三人が揃った。
リーフが外から戻り、埃を払いながら座った。
彼女はもう正式な巫女になっていた。
緑がかった長い髪を後ろに流し、落ち着いた表情で二人を見た。
ティアは床に腰を下ろしながら言った。
「今日も新しい家族が二人、村に入ってきましたね」
ラファがうなずいた。
「学校の子供たちも増えました。みんな元気にしているけど、巫女の目が足りなくなってきました」
リーフは自分の手を軽く握りながら言葉を加えた。
「外から連れてくる人数も増えています。このままでは村全体を見渡せなくなるでしょう」
三人はしばらく沈黙した。
神殿の奥でリョウの触手がゆっくり動いた。
リョウの声が三人の頭の中に直接響いた。
『三人とも、よくやっている。村がここまで大きくなったのはお前たちのおかげだ』
ティアがリョウの方に視線を向けた。
「神様……でも今は本当に手が足りません。学校の子供たちも増えて、みんなに神様の話をしっかり伝えたいのに」
ラファが続けた。
「村人との交流も大切です。外から来た人たちがすぐに安心できるように、巫女がもっと必要です」
リーフは触手に体を少し寄せながら言う。
「私たち三人だけでは限界が来ています。学校に通う子供たちの中から、新しい巫女候補を選んではどうでしょうか」
リョウの触手が三人の周りをゆっくり回った。
彼の声が再び響く。
『いい考えだ。三人でそれぞれ学校の子供を見極めて、適した子を巫女候補に選べ。俺もその子たちの様子をしっかり見ている』
ティアは小さく息を吐いた。
彼女はリーフとラファに視線を移した。
「それでは明日から、三人で学校の子供たちを注意深く観察しましょう」
ラファがうなずいた。
「私は信仰心が強く、皆をまとめる力がある子を選びたいです」
リーフは触手に手を添えながら静かに言った。
「神様の温かさをちゃんと伝えられる子がいいですね」
三人は神殿の床に座ったまま、村の未来について話し続けた。
外では夕方の光が村の屋根を赤く染め、子供たちの声が遠くから聞こえていた。
人口が増えた村のために、新しい巫女候補を決める、巫女たちの選定が始まるのだった。




