31話
神殿の奥で、リーフは床の中央に正座していた。
ティアとラファが左右に座り、彼女の肩にそっと手を置く。
リーフにリョウの触手がゆっくりと近づいていく。
太く長い一本がリーフの腹部にそっと触れた。
彼女は体を少し固くしたが、すぐに力を抜いた。
ティアが静かに言った。
「これから神様の触手がリーフの体に宿るんだよ。痛みはないから、安心して」
触手の先端がリーフの腹部にゆっくりと刺さった。
温かい感触が広がり、先端の一部がリーフの体内に残される。
リーフは小さく息を飲み、目を見開いく。
リョウの声がリーフの頭の中に直接響いたのだ。
『リーフ、よく来た。これでお前は正式に巫女候補だ』
リーフの体が軽く震える。
彼女は両手で自分の腹部をそっと押さえ、触手の存在を感じ取った。
温かさが全身に広がり、胸の奥が熱くなった。
リョウの声が続く。
『これからは俺の一部がお前の中にいる。離れていても、俺の声はいつでも聞こえる』
リーフは目を閉じ、体を前へ傾け触手を抱きしめる。
彼女の声が震えながらもはっきりとした言葉になった。
「神様……ありがとうございます。私を巫女候補として選んでくださって……本当に光栄です」
彼女は触手から離れ、床に額を押しつけ、深く頭を下げた。
祈るような姿勢のまま、言葉を続けた。
「これから一生、神様にお仕えします。どうか私を導いてください」
リーフの声は次第に熱を帯びていく。
「神様……私を村に導いてくださり、巫女候補という大切な役目を与えてくださり……心から感謝しています。これからはティア様やラファ様と一緒に、村の皆を守れるよう巫女候補として頑張ります」
ティアがリーフの背中を優しく撫でた。
ラファはリーフの髪をそっと整えた。
二人は黙ってリーフの祈りを見守っていた。
リーフは長い間、リョウに祈りを捧げ続けた。
彼女の瞳には強い光が宿り、信仰心がさらに深化していた。
リーフは正式に巫女候補となり、神様の一部を体内に迎え入れた。
彼女の祈りは夜が更けるまで、続くのだった。




