表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したら触手で、助けた少女に神様って言われたので神様ごっこします!  作者: frandre scarlet


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/46

23話

 目覚めた角人は、仮設小屋の毛皮の上でゆっくりと体を起こした。

 男は一本の太い角を頭に生やし、女は二本の角を左右に広げている。

 二人はまだ顔色が悪く、目が虚ろに周囲をさまよっている。


 ティアは小屋の入り口に立って、静かに二人を見つめた。

 彼女は二人に近づき、穏やかな声で話し始めた。


「ここは神様の縄張りで、モンスターが一切近づけない安全な場所です。あなたたちが倒れていたところを、村の皆で見つけて連れてきました」


 男の角人が、ティアの顔をじっと見た。

 女の角人も隣で、耳を傾けていた。

 ティアは言葉を続ける前に、二人を交互に見つめた。

 彼女は、はっきりとした口調で言った。


「この縄張りを守っている神様は、触手を持つ姿をしています。見た目はモンスターのように見えるかもしれません。でも、この村に住む私たちにとっては、かけがえのない神様です」


 ラファがティアの隣で小さくうなずく。

 ティアはさらに声を少し低くして、二人に伝えた。


「神様を前にして失礼な態度を取るようなことがあれば、すぐに縄張りの外へ追い出します。ここで休みたいなら、神様を敬ってください」


 男の角人は角を軽く触りながら、ゆっくりと息を吐いた。

 彼はティアの目を見て、掠れた声で言った。


「わかった……」


 女の角人も体を少し前へ傾け、弱々しくうなずいく。

 ティアは二人の反応を確認しながら、静かに続ける。


「今はまだ体が弱っているので、ゆっくり休んでください。何か必要なものがあれば、すぐに言ってください。今のところあなたたちを追い出すつもりはありませんが、神様への敬意だけは忘れないでほしいのです」


 ラファが小屋の隅から水の入った器を持ってきて、二人のそばに置いた。

 ティアはラファと並んで立ち、角人たちが水を飲むのを静かに見守る。

 男の角人は水を一口飲み、喉を湿らせてから再び口を開いた。

 彼の声はまだ弱かったが、はっきりとした言葉だった。


「助けられたのだから、それを裏切るようなことはしない」


 女の角人は水を飲んだ後、小さく頭を下げる。

 ティアは小さく息を吐き、表情を少し緩めた。

 彼女はラファに目で合図を送り、二人は小屋の入り口から外に出る。


 外では村の人間たちが遠くから様子をうかがっていた。

 男の一人が棍棒を地面に立てかけ、女の一人が子供を抱きながら待っていた。

 ティアは皆に向かって静かに言った。


「角人の二人、目が覚めました。神様のことはちゃんと伝えておきました」


 小屋の中では角人の男と女が、再び体を横たせていた。

 二人は互いに視線を交わし、静かに目を閉じて、もう一度眠りに落ちていく。

 ティアとラファは神殿へ戻る道をゆっくり歩き始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ