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「・・・」

「今日は一体どうしたのよ、最初の挨拶もなしに」


「いや、今日は少し気になることをね」


「気になることって海自の ?」


「いや、これは数年前まで住んでいた横浜のアパート近くで体験したことなんだ」


「体験て、また幽霊関係なの ?」


「違うよ、僕は当時夜の警備をやってて夕方の四時から十時までだったんだけどー」


「たしか渋谷の小学校だったわね」


「そうそれ、んで東横線を使って通ってたんだ。たまにバイクでも通勤してたかな電車もバイクもアパートに帰る着くのは大体十一時ぐらいだったかな」


「それで何があったの ? 今更気になることって」


「うん、この時はバイクで帰ってたんだけど、坂の手前その坂を上って暫く行けば僕が住むアパートだったんだけど、いきなり横から警官が出てきて止められたんだ」


「あらー、スピード違反 ? それとも一時停止違反 ?」


「違う違う、違反なんかしてないから。警察官は三日前にこの坂を上った辺りで何か見なかったか ? って聞いてきたんだ」


「・・・何か事件の匂いがするわね。で、正直に罪は認めたんでしょうね」


「うん、僕がやりました。って違うわっ ! 僕はなにもやってないっ」


「そうね、あんたはお釣りを百円多く貰ったことをクヨクヨするタイプだから。で、なんか見てたのね」


「・・・うん、見てた。でもとっさに見て無い、って言ってしまったんだ」


「あら以外ね、作者は嬉々として見ていた事を話すって思ったのに」


「・・・そうなんだ、普段なら野次馬根性である事無い事話しまくるはずだったのに、なぜかこの時は何も見ていない。てぇ言っちゃったんだ」


「無い事を言っちゃだめでしょ。それで本当は何を見てたのよっ」


「うん、坂を上った先は九十度に右に曲がるんだけど、そこの内側にもアパートがあってね、そこの駐車場に何をすることも無く男が立っていたんだ」


「えっ、夜の十一時よね ? それって毎日なの ?」


「いや、僕が電車で帰る時だけ歩いてアパートの前を通るから毎日では無いと思う。でもなんだか変な感じがしたからできるだけ目を合わせない様にしていたんだ」


「見たのはその男だけなの ?」


「いや、一回だけなんだけど坂の真下は駐車場みたいになっている、そこにお婆さんが二人向かい合って座り込んでいた」


「それって通報案件じゃない ! 助けなかったの ?」


「うん、なんか不気味な感じがして・・・。でも自分のアパートに帰ってからやっぱり心配だったのでもどったら居なくなっていた」


「見に戻るって、アンタらしいわよね」


「まあ人通りは少なかったけど、数人は歩いてたからね。次はバイクで帰ってた時の話なんだけど」


「まだあるの !?」


「ここからが本番なんだ、これは警官が言っていた三日前かどうかわからないのだけど坂の左側は崖になっているからガードレールがあるんだけどね、それに抱き着くように人影があって」


「今度もお婆さんなの ?」


「いや、近づいて見たら小学校三年生ぐらいの男の子だった」


「なにそれヤバいじゃん、十一時過ぎなんだから子供は寝る時間でしょ。で、その子はどうなったの ?」


「いや横をバイクで通り抜けただけだからー」


「・・・今回は戻らなかったのね」


「うん。最後はこれも日にちは分かんないんだけど坂を上り切った所にオレンジ色の丸いミラーがあるんだけど、その真下に女性がジッと立っていた」


「メチャクチャ見てんじゃん!! 何やってんのよっ」


「でも最後の女性はあんまり覚えてないんだよね。背格好から少女みたいだったけど」


「覚えてんじゃん !! 全くっ、ちゃんと警官に話してたら感謝状ぐらい貰えるレベルよっ」


「そ、そうかな。でももう遅いよね、ずっと気になってはいたんだけど」


「流石は百円多く貰っただけでクヨクヨする作者だわ」


「いゃあそんなに褒められると照れるな。じゃあ今日はここまでにしょう」

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