夜間水上射撃訓練。
「3」「2」「1」「ドッカーン」
「わーい」「なぜなにじえいたい」
「はーい、みんな元気だった? 私は解説の和美お姉さんよ。そしてー」
「僕は護衛艦の妖精しまゆき君さ。お姉さん、今週のお題は『夜間水上打撃戦』だよね」
「そうよ、普通は昼間に行われる実弾射撃訓練だけど、やっぱり海軍のお家芸は夜戦よね」
「待って、それは大戦中のことでしょ。今は全然違うんじゃないの?」
「うーん、今はミサイルがあるから大砲で船を狙ったりしないでしょうね。でも三十年前はギリギリ大砲も使ってたのよ」
「あー、昔はミサイルはターターとアスロックだけだったみたいだからね。対空対潜ときて最後に対艦だったよね」
「そうなのよ、特に『まきぐも』は対潜に力を入れてたから対艦は大砲だけだったのよ。それに給弾は人力で装填不良起こしたり、対空射撃なんかは給弾が間に合わないのよね」
「大砲の中に人が乗るのは雲クラスまでだったよね」
「多分そうね、当時同じ三インチ連装速射砲を装備していたのは初代ミサイル護衛艦の『あまつかぜ』と練習艦の『かとり』ぐらいだったわよね。五インチは分かんないけど」
「話を戻して夜間水上射撃だけど、大戦中みたいに探照灯で照らしてたの?」
「確かに『まきぐも』はデカイ探照灯を艦の中央辺りに積んでたけど、それに光が入る所を見たかとは無かったわね。艦尾に搭載していた曳航式ソナーと一緒ね」
「古くて使い道がもう無かったんだね。だったらどうやって標的を照らしたのお姉さん?」
「飛行機から照明弾を落としたのよ。花火みたいで綺麗だったそうよ」
「へえ、作者は見てたんだ」
「作者は当時ボフォースに配置されていてね、一番砲のすぐ後ろだったのよ。それでドアハッチを開けて射撃を見てたそうよ」
「すぐ横なら物凄い迫力だったろうね」
「そうね、音は中にいるときより外にいるときの方が大きいらしいわ。もう一発撃つごとにビリビリ震えたそうよ」
「ドアハッチの隙間から見てたのならそうなるよね。で、当たったの?」
「それは分からないわね、多分殆ど外れてるわね」
「当たってるかどうかはどうやって判断するの? やっぱり標的が沈んだらなの?」
「あんたねぇ、標的もタダじゃないんだからそう簡単に沈められたら大変よ。当たったかの判断は標的にはマストの様なものが二本立っていて、間に白い布が張られているの。それが破れているかどうかで判断されるわ」
「なるほど、でも標的に当たることもあるよね?」
「無いこともないとは思うけど標的が沈んで替えの標的を出すとかはー、一度聞いたことがあるかどうかよ」
「そっかぁ、やっぱりそう簡単には当たらないんだね。あっ、そろそろ時間だよお姉さん」
「あら、そうね。次回のお題はどうしょうかしら。しまゆき君何かある?」
「えっ、急に聞かれてもー。うー、じ、次回までに考えておく。と言うことでー」
「フゥ、そうね、そうしましょう。それじゃあみんなー」
「「バイビーー」」
ガタン、と終わりのフリップが落ちてくる。




