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§2黒
建築途中で放置されたビルでの、秘密基地ごっこのような集まりは俺を不安にさせた。それでもいかずにいられないんだ。
彼女は俺のいらいらを増長させる。
わかっているのに、俺は行く。
俺そっくりのあいつは、俺を不快にさせるのに、それでも俺は会いに行く。
そして、あの女が俺を不安にさせる要素に俺は気がついた。
しぐさや匂いが、お袋に似ていたんだ。
お袋に似た女が、俺達を不幸にした親父に似ているであろう男と笑いあい、和やかに過ごす風景を見ていること。
それが不快の元凶だった。
彼女は俺にも笑いかける。
その無防備さにも腹が立つ。
彼女の匂いは不快で、耐え難いのに、それでもここに来てしまう。
そして、その日。
あいつが遅れた。
彼女は絵を描いていた。俺の足音に気がついて振り返ったおりに、襟から見えたのは、傷のない綺麗な鎖骨、だった。




