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骨の中  作者: 無夜
4/7

§2黒

 建築途中で放置されたビルでの、秘密基地ごっこのような集まりは俺を不安にさせた。それでもいかずにいられないんだ。

 彼女は俺のいらいらを増長させる。

 わかっているのに、俺は行く。

 俺そっくりのあいつは、俺を不快にさせるのに、それでも俺は会いに行く。

 そして、あの女が俺を不安にさせる要素に俺は気がついた。

 しぐさや匂いが、お袋に似ていたんだ。

 お袋に似た女が、俺達を不幸にした親父に似ているであろう男と笑いあい、和やかに過ごす風景を見ていること。

 それが不快の元凶だった。


 彼女は俺にも笑いかける。

 その無防備さにも腹が立つ。

 彼女の匂いは不快で、耐え難いのに、それでもここに来てしまう。

 そして、その日。

 あいつが遅れた。

 彼女は絵を描いていた。俺の足音に気がついて振り返ったおりに、襟から見えたのは、傷のない綺麗な鎖骨、だった。

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