遠き宇宙の果てよりやって来た生命体
夏の昼下がりの休日。
俺、曳船離岸は山登りを楽しんでいた。
今登っている山は比較的低めの山で、高1の俺には散歩の延長程度。
だから、ゆっくりと自然の風景を楽しみながら山登りを楽しんでいる。
「しかし、暑ない……」
山の中なら涼しいかと思ったが。そうでもなかった。
俺は髪の毛をワシャワシャと掻く。
そうすると、左右に結んでである肩にかかるくらいある髪が軽くなびいた。
念の為に言っとくが、俺は女ではない。
女顔で髪型をツインテールにしているが、れっきとした男性である。
『じゃあ、なんでそんな髪型にしてるだ?』 とか言われそうだから説明してやろう。
その原因は“俺の姉ちゃん”だ。
事の発端は俺が小学生だった頃だ。
ある日、姉ちゃんが俺に髪を伸ばすように命令してきた。
はじめ、俺は訳がわからなかったが。
言われたとおりに従った。
1年後、髪がすっかり伸びると。なんと、姉ちゃんは俺に髪型をツインテールにするように言ってきたのだ。
いきなり女の髪型にするように言われたので、俺は度肝を抜かれた。
当然、俺は断ったのだが。
そうすると、姉ちゃんは力ずくで俺を従わせた。
姉ちゃんは腕っ節が強く。俺が姉ちゃんに腕力で勝てたことはない。
だから従わざるを得ないのだ(涙)
それ以降、俺の髪型はツインテールになった訳。
説明終わり。
……さて、なんやかんやで山の半分ぐらい登った、そのときである。
「ん?」
白い髪の女性が道の端に倒れている。
「大丈夫か!」
心配になって、その人に駆け寄った。
「……」
話しかけたものの、返事がない。
てか、息もしてない。
「……」
なんだか、生きているか心配になってきた。
とりあえず脈を調べてみたが……。
「ダメか……」
脈はなかった。
「しかし、なんでこうなった?」
何故にこのようなことになったのか気になって、近くを見渡す。
「……」
周囲を見渡してみると、転落したような跡があった。
恐らく、この人は足を踏み外して転落死したらしい。
「とりあえず、救急……いや、この場合は警察か」
そう思ってポケットから携帯電話を取り出すが。
「あ」
電話をかけようとしたら、携帯電話の電池が切れていた。
「どうしたものか……」
俺はどう対処すべきか腕を組んで難しい表情で考える。
「……運ぶか」
考えた末に、俺は山登りを中断。この女性を運んで下山することに決めた。
普通、こういった場合はなにもしないのが良いと考えるものだが。
今回はそうもいってられない。
なぜなら、この山には熊が生息しているからだ。
クマがこの女性を見つけたら食べられてしまう。
『熊が死骸を襲うか?』 と言われるかもしれないが。
俗に 『熊にあったら、死んだフリをせよ』 と言われている。
しかし、これは間違いだ。
熊は腐った肉でも平気で食べる。
なので、熊と遭遇しても死んだフリをしてはいけないのだ。
であるからして、死体なんて置いといたら、熊にとって美味しい獲物もいいところ。
もしそうなれば、この女性は食い荒らされてボロボロになってしまう。
そうなれば、家族の方々に申し訳ない。
なので、俺はこの死体を運んで下山することにしたのだった……。
「どっこいしょ!」
俺はさっそく女性を担いだ。
女性の体は硬直が始まっており。若干固く、冷たい触り心地。
正直、気持ち悪い。
だが、そんなことを思っている場合ではない。
さっさと下山して、この人を警察に引き渡さねば。
俺は嫌な気持ちを振り絞って歩き始める。
◇
歩く途中で何度か女性の姿を見るが。
年は10代後半か、20歳ぐらいの若者だった。
「まだ若いのに、こんなに早く死んでしまって可哀想に」
なんて思ったが。
俺の方が若いんだよなぁ……。
どうでもいいことだけど、この女性。
よく見てみると、ショートヘアーの似合ったなかなかの美人だ。
それに、服装もオシャレな薄手の服にミニスカートでコーディネートさてたハイセンスなファッションセンス。
(俺とは大違い)
どこの誰か知らないけれど。
この人を見ていると、惜しい人を亡くしたものだと思えてしまう。
美人は地球の宝だからね(笑)
◇
「ふぅ~~~!」
下山を開始して、しばらく歩いたが。疲れてしまい、途中で立ち止まる。
この女性は格別大きくも重くもないが。
やはり、人を1人運ぶとなると、相当な重労働だ。
俺は若くて元気なつもりだったが。体力の限界はある。
なので、体力を回復させるために休憩する。
「よいしょ!」
まず、運んでいた死体を横に置いた。
そして俺は座って、カバンからお茶を出して一服入れる。
「……」
お茶を飲みながら空を見ていると、チャウチャウの顔みたいな雲を見つけた。
「♪」
なんだか面白くなって、しばらくチャウチャウ雲を眺めていると……。
「ん?」
空から何か墜ちてくる。
始め、流れ星かと思ったが。
今は昼過ぎで、夜ではない。
(じゃあ、何だろう?)
などと考えていると……。
「え!?」
なんと、落下物がこちらに向かって墜ちてくる。
「わぁ~~~!! 隕石が衝突するーーー!?」
俺はパニック状態。
頭抱えながらアタフタ騒ぐ。
しかし、そんな俺のことなどお構いなしに落下物は近づいてくる。
このまま隕石が地球に衝突してしまえば、中生代の大量絶滅で恐竜が滅んだように、人類も絶滅してしまう。
そんなイメージが俺の頭に浮かんだ。
(なんとかしなくては!!)
そう思ったが。学生1人で出来る事など高が知れている。
俺は手を拱いて見ているしかなかった。
「アレは!!」
徐々に落下する物体を見ていたが。
近づくにつれて、その形が見えてくるが……。
「アレは隕石なんかじゃない!!」
落下物は機械のようなものだった。
「これはスペースデブリか?」
なんて思ったが。そんなこと考えている場合ではない。
落下物は今もゆっくりと地球に墜ちているのだから。
落下物は落下の途中でチャウチャウ雲をビューンと吹き飛ばし、俺の近くに墜ちてくる。
「うわーーーーーーーーっ!?」
落下物が地面に激突した時の音と衝撃はすさまじく。
ドカーンという、硬い物と硬い物がぶつかるような、それはそれはすごい音。
衝撃波で俺は2メートル以上も吹き飛ばされて。
「バタンキュウ!」
気絶した。
◇
「うーん……」
何分かすると、俺は意識をとりもどす。
「あ!」
周囲を見てみると、近くで女の人が倒れている。
「大丈夫か!」
慌てて駆け寄ったが……。
「あっ……」
この人は俺が運んでいた死体だった(汗)
自分で言うのも難だが。
自分が運んでいた死体に 『大丈夫か!』 と言ってしまうなんて、なんとマヌケなんだ。
(情けない)
……まあ、それはさておき。
落下物は俺から200メートルも離れてない場所に墜ちていた。
そして、落下物の招待が判明する。
その正体は……。
「こりゃあ、宇宙船だ!?」
落下中はよくわからなかったが。落下物の正体は宇宙船であった。
「じぃーーー……」
宇宙船をじっくりと見てみると。大きさは150メートル級のSF映画に出てくるような未来風なデザインだった。
かっこいい。
「だけど……」
これほど大きなものが落下したら、被害はかなりのものになるはずだが。
被害は不思議な程少ない。
もっと言うと、近くにいた俺は粉々になっているのが普通だ。
しかし、かすり傷しか負ってなかった。
(なんでこうなった?)
ちょっと変に思って首を傾げるものの。生きてるから良かった。
そう思うことにした。
「……」
このまま帰ればいいものを。変なところで好奇心が出てしまう。
俺は宇宙船を調べに行く。
「よいしょ!」
当然、例の死体を置いていくわけにもいかないので。
担いで一緒に行くことに。
◇
足場は悪かったが。距離が近かったので、直ぐに宇宙船の前まで行くことができた。
宇宙船からは、蒸気機関車のようにスゴイ蒸気がプシューット噴き出している。
(これ、爆発するパターンじゃないか!?)
心配になったが。爆発することはなかった。
「ふむふむ……」
その後、俺は宇宙船をぐるっと見回して、全体の形を把握する。
すると、宇宙船は所々いがんでいて。
主翼の片方がもげていることがわかった。
「なんだか、テラクラッ〇ャーみたいだな……」
宇宙船の形と主翼のもげかたも相俟って、この宇宙船がテラクラッ〇ャーみたいに見えた(笑)
また、それとは関係ないが。宇宙船の入り口を発見する。
オマケに入り口は開いていた。
おそらく、墜落の衝撃で開いてしまったのだろう。
「……中も調べてみるか」
勇気を出して宇宙船の内部を調べに行く。
◇
けっきょく宇宙船の中に入ってしまう離岸。
やめとけばいいものを。この人は好奇心から宇宙船の中に入っちゃう。
「……」
宇宙船の中は見たことのない機器がたくさん置いてあり。
まるで映画の世界の中に入り込んだみたいな気分。
離岸は映画の主人公になった気分で宇宙船の中をガンガン突き進んだ。
「おっ!」
すると、部屋のような場所を発見。
しかし、扉は閉まっている。
「うーん……」
どうやって開けたものかと離岸は考えながら扉に近づくと。
扉が勝手に開いた。
どうやら、自動ドアだったようです(笑)
離岸は少々肩透かし食らったらしく拍子抜け。
中途半端な気持ちで部屋の中に入ってく。
すると……。
「バオーーーーーー!」
なんと、部屋の中には青い体色のワニと象が入り混じったような、訳の分からない生物が悶え苦しんでいた。
「おわぁ!?」
そんな光景に、離岸はこれ以上ないぐらい驚いた。
彼は怯んで引き返そうとしたが……。
「逃げないでください!」
部屋の奥からピエロみたいな魔人が出てきた。
「はぁ!?」
予想外の出来事の連発に、離岸はパニック状態。
怯えたように体を震わせ、目をパチクリさせてる。
「怯えないでください。我々はアナタに危害を加えるつもりはありません」
このピエロみたいな魔人、見た目は禍々しいけれど。
物言いは優しく、物腰も穏やか。
「話を聞こうじゃねぇか」
一刻も早く逃げたいくせに、この男はムリして平静を装っている。
その証拠に、彼は小刻みにブルッている。
「実はわたくしの仲間のドラ助六がひどいケガを負ってしまったのです」
魔人の説明によると、もう1人の仲間の名前はドラ助六と言うらしい。
「ドラ助六を助けるために、どうかアナタの血を分けてください」
そう言いながら魔人は、注射器のような物を懐から出して見せてくる。
「えぇ!?」
離岸は驚いて1メートルぐらい後ろに素早くバックした。
「注射は嫌いだ! だから協力できない!」
俺はちびっ子だった頃から注射は大嫌いだ。
それは今も変わらない。
「そんな!」
断られると魔人は、悲しそうな表情になる。
と言っても、魔人は特撮に出てくる怪人みたいに表情がない顔なので、そんな風に見える気がしただけだが。
「お願いします! ドラ助六を助けたいのです!」
魔人は土下座して頼み込んできた。
「注射は嫌だ!」
だが、注射が大嫌いな俺は、首を勢いよく左右に振って断る。
「お願いします。協力してくれたら謝礼は払いますから!」
魔人はボックスティッシュより一回り大きい宝箱を持ってきて、パカッと開け、中身を見せてきた。
「わお!?」
宝箱の中には眩い光沢を帯びた金貨がぎっしり詰まっていた。
「うーーーむ……」
注射はいやだが。この大量の金貨に心が揺らぐ。
「……」
血を分けるか否か、真剣な表情で本気に悩む。
「じれったい!!」
「おわ!?」
痺れを切らしたドラ助六が俺から死体を奪っていく。
死体を奪われた俺はすってんころりん。
床に尻餅をつく。
「オマエ、なにする気だ!」
俺は怒りをあらわにした。
だが、ドラ助六は俺を無視して、死体に注射器を突き刺して血液を数10ミリリットル抜き取ると、注射器と自らを透明なピラミッド型の機械の中に入れる。
「ヴィズゥネス、機械の操作を頼む!」
「分かりました」
魔人が機械のスイッチを入れる。
「魔人の名前はヴィズゥネスというのか……」
なんて、納得したが。今はそんなこと思っている場合ではない。
コイツらが何をやらかすか、まったく分からないのだ。
訳の分からない作業音が部屋に鳴り響き、俺は不安な気持ちになっていく。
(コイツら、なにする気だ!?)
作業音はますます激しくなっていき、一際激しい作業音が鳴ると。ピラミッド型の機械に金属パイプが繋がる。
パイプの先を見てみると、なんだかよく分からない水色の液体が入った溶鉱炉みたいな物があった。
パイプが繋がると、溶鉱炉は強い光を放つ。
「うっ!?」
俺は眩しくなって目をつむった。
見てなかったので、詳しいことは分からん。
だが、一瞬光ったかと思ったら、奇妙な爆発音が聞こえた。
(光った後に爆発音。なんだか、雷みたいだな……)
なんて、目を閉じた状態で分析する俺 (笑)
しかし、眩しいからと言って、いつまでも目を閉じとく訳にもいかない。
恐る恐る目を開けると……。
「ジャァン!」
「なっ!?」
なんと、溶鉱炉の中から美少女が出てきた。
しかも裸で。
「ブーーーッ!!」
それを見た俺は鼻血ブー。
ぶっ倒れて気を失った。
これで気絶するのは本日2回目。
◇
「うーん……」
「大丈夫?」
意識を取り戻すと。見たことのない美少女が俺に膝枕してくれてた。
そして、優し微笑みかけてくれた。
「おわああああああああ!!」
俺はこれ以上ない驚きの表情を浮かべ。すぐさま後ずさり。
「誰なんだオマエ!?」
と、ベタなセリフを言ってしまったが。
こんな場合なら大抵のヤツは同じようなこと言うだろう。
「改めまして。僕、ドラ助六です♪」
美少女は愛想良く自己紹介した。
「ドラ助六……まさか!」
そう、そのまさかだ。
この美少女は、得体の知れない生物・ドラ助六が人間 (地球人) に変異した姿だったのだ。
「ポカーン……」
俺は口あんぐり。
開いた口がはさがらなかった。
「手荒な事しちゃってごめん。でも、緊急事態だったんだ」
俺が唖然としているうちに、ドラ助六は頭を下げて謝ってきた。
「謝るのいいから! 服を着ろ!」
いくら美少女とはいえ。裸では目のやり場に困る。
俺は後ろ向きになって、ドラ助六に服を着るようにいうが……。
「服なんて持ってないよ」
「なに!?」
「だって、今まで服なんて着てなかったもん」
「……」
考えて見たら、ドラ助六は服を着てなかったな。
「これ着ろ」
しかし、怪物だったときはいいが。人間の姿で裸は困る。
なので、俺は着ていたポロシャツを脱いで、ドラ助六に渡した。
「わかった、着る」
なんとなく納得してくれたようで。ドラ助六は俺のポロシャツを受け取る。
「着たよ」
「よし」
これでようやくまともに話しができると思ったが……。
「うーん……」
ドラ助六は意外と大きく。上半身は隠せているが、下半身の大事な部分は見えてしまいそうな危ない状態。
これまた目のやり場に困るが。これも仕方ないことだと自分を納得させた。
「じーーーっ……」
チラッと見ただけでは分からなかったが。ドラ助六は凄い美少女だ。
じっくり見て堪能する。
ちょっと発情したメスのような顔していたが、ロリっぽくてかわいらしい (あざとかわいい)
腰まで届くくらいある髪は青みがかった艶やかな白色していて。
体つきは、肉付きのよいナイスバディな体型。
背も高く、身長は170センチ以上はあるだろう (隣に並ぶと、身長が160センチ級の俺が小さく見える)
しかし、いいところばかりではない。
ドラ助六の尾てい骨の付近にワニのような尻尾があった。
さらに、口元には象牙が生えていた。
だが、それを差し引いてもドラ助六はかわいかった。
むしろ、モンスター娘が好きな人にとっては、魅力的に感じるだろう。
とまあ、ドラ助六は魅力的な女性なのだが。俺はまったく萌えない。
その理由は……。
「どうしたの。さっきから僕のこと見つめて?」
萌えない理由はこの声だ。
ドラ助六は外見が美少女なのに、どういう訳か男性ボイス。
しかも、滑舌が悪い上に、声にサウンドエフェクトがかかっており、何を言っているか不明瞭なことが多かった。
正直、このお話の作者といい勝負である。
そんなんだから、声フェチである俺にはドラ助六は萌えない訳なのさ。
説明、終わり。
「しかし、ドラ助六は何で地球人の姿になったんだ? 普通に治療できなかったのか?」
事が落ち着くと、俺はドラ助六に素朴な疑問を投げかけてみる。
「そうなんだ」
するとドラ助六はコクリと頷いた。
「僕達の治療機器では、僕を治すことはできなかった。だから他の生物と僕を合成して新しい体を作らなくてはいけなくなったんだ」
「なんと! そんな理由が!?」
この理由に俺はたいそう驚き。叫んでしまった。
「ドラ助六が助かって良かった。地球人さん、これは謝礼デス♪」
ヴィズゥネスが俺とドラ助六の話しに割って入り、金貨の詰まった宝箱を俺に差し出す。
ふざけた見た目に反して、意外と律儀な魔人だと思った。
「それよりも、なんで地球人の血を使わないといけなかったんだ。オマエの血では駄目だったのか?」
俺は宝箱を受け取りつつ、ヴィズゥネスを指差して質問した。
「そうしたかったのですが。魔人とドラゴン族の相性は最悪で。やれば確実に拒絶反応が出るでしょう」
「ふーん。そうなのか…………って、ドラゴン族!?」
さらっと言ったため、聞き逃しそうになったが。
ドラ助六はドラゴン族らしい。
「こんなヤツがドラゴンなのか!?」
ドラ助六の元々の姿を見てはいたが。とてもドラゴンには見えない。
少なくとも、一般の人がイメージする王道タイプのドラゴンではない。
はっきり言って、ドラゴンよりも怪獣のようなフォルムだ。
このように、あまりにもドラゴンのイメージとかけ離れている。
そんなんだから、ドラ助六がドラゴンであることを信じられなかった。
「失敬な! 僕は惑星ドラゴンで生まれた由緒正しいドラゴン族だぞ!」
ドラゴンであることに誇りがあるのか。ドラ助六はプリプリと怒ってきた。
本人はマジメに怒ってると思うが。美少女が怒る姿はかわいいものだ。
(声は萌えないけど……)
「……ドラ助六がドラゴンって本当なのか?」
俺はとりあえずヴィズゥネスに聞いてみることに。
こういう話しは本人に聞くよりも、第三者に聞くのがいい。
なぜなら、本人が言う場合、誇張してる可能性があるからだ。
なので、俺は第三者であるヴィズゥネスに聞いてみた訳だ。
果たして、真相は?
「はい。ドラ助六は間違いなくドラゴン族ですよ」
「マジで!?」
半信半疑 (と言うより、殆ど疑った状態) で聞いたが。まさか本当だったとは驚きである。
「だから言ったろ♪」
ドラ助六が自慢げな顔で俺を見下してくる。
ちょっとムカつく態度だ。
「しかし、キミ達はなぜに地球にやって来たんだ?」
どうでもいい話しガ長くなってしまって、肝心の話しを忘れそうになったので、話を軌道修正。
「それは団三郎が地球に迫っているんです」
ヴィズゥネスは少しおどおどしたような物言いで、そう答えた。
「団三郎……」
どこかで聞いたことがあるような名前。
しかし、思い出せない。
「ソイツは何者なんだ?」
考えて見たが、分らなかったので。団三郎が何者なのかドラ助六に聞いてみた。
「団三郎は最近銀河を荒らし回っている無法者のリーダーなんだ」
「ふーん。それで」
「僕が暮らしていた惑星ドラゴンが先日滅ぼされまして……」
俺が次々と質問してるうちに、ドラ助六は自らの身の上話を始めた。
「ウ、ウウ……」
ドラ助六が涙ながらに語る話しを聞くうちに。俺はついつい泣けてきてしまった。
この手の人情話にめっぽう弱いのである。
その後、時間が経つのも忘れて、俺ははなしていた。
それによると、ドラ助六に瀕死の重傷を負わしたのは、団三郎だと言う。
そして、団三郎が1週間以内に地球にやって来るらしい。
なので、ヴィズゥネスとドラ助六は地球で団三郎を待ち構えるために来たとのこと。
つまり、この2人は地球を団三郎の魔の手から守るためにやってきた、正義の使者と言っていいだろう。
ただ、正義のヒーローと呼ぶには、ビジュアル的に問題がある。
さらに、地球を救う動機も団三郎に復讐するためなので。この2人は実質アンチヒーローである。
しかし、地球を守るために来てくれたのだから、正義の心を持っているのは間違いない。
「力を貸そう」
俺はこの2人に力を惜しまず協力することを決めた。
「ありがとう♪」
ドラ助六が喜んで俺に抱きつく。
「カァーーー!」
ドラ助六の豊満な胸が俺の腕に当たる。
俺は嬉しさと恥ずかしい気持ちガ混ざり、顔真っ赤。
でも、すごく気持ち良かった(笑)
「では地球人さん。我々と同盟を結ぶ握手を」
「ああ!」
握手を求めるヴィズゥネスに、俺はガッチリ握手を交わした。
同盟軍(?)が結成された瞬間だった。
今、地球史上最大最強の戦いが静かに始まろうとしていた…………。




