第30話 魔道具水道
家庭用の魔道具電池を試験。
まあ、車に搭載するよりは楽。
動かさないから、魔法陣がこすれて消える可能性はない。
発電設備、送電設備、変電設備が要らない夢のような道具だ。
燃料となる魔導金属は腐るほどあるからな。
家庭用の魔道具電池は災害で威力を発揮しそうだ。
どうせならと、魔道具水道も作った。
ただ、こちらは水質の問題がある。
水を召喚して水道に使うからな。
召喚される水が汚染されていると困る。
一応、毒感知の魔法陣を組み込んではあるが、絶対とは言えない。
召喚元の座標を固定する方式がいいかな。
浄水場から召喚するのはどうだ。
ただ、災害に強いかと言われれば、ちょっと難がある。
浄水場とかが地震などで使えなくなる事態は考えられるから。
「浄化の機能を組み込んだらどう。それと召喚元を地下水にして、定期的に水質検査をするのよ」
俺が悩んでたら、里奈にそう言われた。
簡単にはいかないか。
地下水の座標をどう割り出すか。
そして、それを異世界の魔道具職人にどうやって伝えるかだな。
魔道具職人に相談したら、ビーコンを打ち込めと言われた。
地下水の層まで穴を掘る必要があるんだな。
めんどくさいことは空蝉に丸投げだ。
魔道具水道は1週間で出来上がった。
これから試験運用だ。
ただ、問題点はある。
地下水を汲み上げすぎると地盤沈下が起きる。
全ての家庭が魔道具水道になると、被害が甚大になる可能性大。
やっぱり浄水場かな。
水道管が要らなくなるから、ある程度地震に強くなることはある。
地下水から汲み上げは高級路線で行くことにした。
値段は天然水を買っているのと変わりないぐらいにする。
これで、地下水の汲み上げすぎは抑制できるだろう。
利点は、サーバーに比べてボトルが要らないので交換の手間が要らないってこと。
それと災害の時に配達が滞るなんてこともない。
浄水場からは安価にすることにした。
水道管が要らないので、既存の水道より料金が安くできる。
「うちをモニターにねじ込んでくれてありがとう。毎日、天然水のお風呂に入れるなんて贅沢よね。単純泉の温泉の気分だわ」
里奈が嬉しそうだ。
カルキ臭くない水は美味しいからな。
「ああ、ビーコンを打ち込めば良いなら温泉もいけるな。ただ温度調節が必要だ。やるなら高級路線だな。温度調節の魔道具も作らせるか」
「温泉のパーションが出来たら、モニターにねじ込んでよ」
「ああ、ただ温泉を水道管に通すと腐敗が激しくなるかもな」
「不思議パワーで解決できない?」
「できるんだろうな」
異世界の魔道具職人に言ったら、酸や腐敗の液を吐くモンスターの対策魔道具は基本ですと言われた。
温泉も出来た。
かなり遠くでも水を召喚できるらしい。
高濃度の魔導金属さまさまだな。
フルパワーなら地球の裏側にまで届くかもな。
水筒も作るか。
災害に備えるなら、無限水筒はありだな。
家の中や配管が滅茶苦茶になる可能性もある。
水筒なら持ち出せば良いだけだ。
値段設定が難しいな。
無限水筒を普段使いされたら敵わない。
際限なく出させたら、プールの水汲みに使う奴とか出そうだ。
メーターを水筒に付けるわけにはいかないからな。
魔道具職人に相談したらクールタイムを付けたらどうだと言われた。
飲み水として使う頻度は計算できる。
クールタイム付きの無限水筒が出来上がった。
これは発売するなら安価に設定することにした。
「無限水筒はいいわ。ミネラルウォーターを買う必要がなくなりそうね」
「飲料メーカーには水源を使わせてもらってお金を払う方が良いな」
となると、無限水筒の使用料を貰わないと。
無限水筒の回数制限も付けるか。
回数が経ったら、メンテしないと動かなくする。
その時の料金を飲料メーカーに回すとしよう。
家庭用魔道具電池のレポートが上がってきた。
電気代が安いので良い。
雷とかの停電の影響がないのが良い。
病院の電気設備にしたいとか、企業からも引き合いがあるらしい。
停電するとコンピューターのデータが吹っ飛ぶからな。
ノートパソコンに魔道具電池を搭載したいが、メーターを付けないといけないし、使用料チェックも手間だ。
車なら、電気使用量が多いので、チェックする機械と人の費用が出る。
1年置きに電池を交換するみたいなシステムが良いのかもな。
時間で機能を停止はできると魔道具職人から言われた。
低電力用電池ができ上がった。
ノートパソコンやスマホに搭載予定だ。
OSに電池切れの時間を表示するようにしてもらって、期限がくる前に交換してもらうことにした。
異世界の魔道具プリンターは100台を超え、エリエル領は地球で使う魔道具の一大生産地となった。
プリンターは地球に設置しても良いが、魔導インクを横流しとかされたら困る。
意に沿わない魔法陣の開発とかされたら、大変なことになりそうだからな。
危険は冒さない方がいい。
俺の資産が1000億円を越えた。
まあ、ブラックバイパーの株が多いので、変動はあるが。
それで、異世界の通路がある倉の周りの土地を全て買い取った。
再開発する気はない。
ただ、何か迷惑を掛けたりする可能性を減らしておきたいからだ。
迷いの魔道具があるが、あれは絶対じゃないと言われた。
俺に害意のない案内役に案内させれば、迷わずに目的地に行ける。
ただ、害意のない人は他人の屋敷に門番を倒して踏み込むなどできない。
門までは案内できるが、そこでことを起こせば、そこから迷ってしまう。
日本なら、他人の家に鍵を壊して押し入ろうとしたら、案内人は踏み込まないだろう。
鍵を壊すのを目にして、入るのはもはや害意がある認定されるから、案内人も迷ってしまう。
ただ、玄関先でバズーカ砲なんか打ち込まれたらたまらない。
そういう事態もあり得るからな。
俺と俺の許可を得ないと家の敷地に入れないような迷いの魔道具を重ねて設置すべきだろうな。
そうするか。




