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第26話 魔法調味料

 魔法調味料、あれは魔法で水に色々な味を付けるというものだ。


 この魔法調味料というか魔法甘味料が星条旗の国で発売された。

 まあ、成分が水だからね。

 毒物など検出されない。


 製造する魔道具はブラックバイパー商事に1台10億円で渡した。

 魔法甘味料の名前はMW222。

 味の違いで-1とかが後ろにつく。


 そして、日本でも生産が始まった。

 甘味料だから日本の法律はゆるいらしい。

 発がん性とか指摘される甘味料とかも過去に発売されたことがあるからな。

 何か被害が出てから禁止されるのが普通だ。


 星条旗の国で待ったが掛ったのはブラックバイパーがスパイ組織だからだろう。

 万一毒物だと責任問題になって役人の首が飛ぶからな。

 甘味料の発売だけなら、普通待ったは掛からない。


 カロリー完全ゼロのジュースに消費者は飛びついた。

 ダイエットに最適だからね。


 製造魔道具の需要はますます増えるだろうな。

 おそらく、飲料メーカーはどこも欲しがるに違いない。


 あの掲示板を覗いてみた。



【都市伝説スレ・その47】


309

 新電池も騒がれなくなったな


310

 ブラックバイパー商事は怪しいが、新事実が出てこないことには


311

 宇宙人が会社を経営しているってのはどうか


312

 それが事実だったとしても関係ないな

 平和にやっているなら文句はない


313

 超科学なんてものがあれば世界征服したくなるだろ


314

 いやならんと思う

 考えてみろよ

 現代人が縄文時代の国を支配したいか


315

 まあな

 資源以外はなんも魅力がないな

 超科学があるなら支配せずに資源だけ取り放題だろうな


316

 なぁ、ブラックバイパーがMW222という製品の製造機を売り出した


317

 ああ、カロリーゼロで噂になってる奴な


318

 他の人工甘味料より安いから好きだ


319

 砂糖より安いらしいな


320

 毒性とか発がん性とかどうなんだ?


321

 成分分析では水らしい

 ミネラルがちょっとあるだけ

 天然水と言ってもいい


322

 またも超科学か


323

 やっぱり宇宙人かな


324

 賞味期限が過ぎてだいぶ経つと味がなくなるらしい


325

 ということは未知のエネルギーが味になっているのか


326

 エネルギーなら科学者が発見したりするだろう


327

 だよな


328

 霊素だ

 そうに違いない


329

 霊の力か

 オカルトだな


330

 俺、MW222を調べたけどお手上げ

 考えつくあらゆる物を試した

 もうどうしたらいいか


331

 お疲れ

 頑張れよ


332

 未知のエネルギーじゃマイカ


333

 卒論のテーマなんだ

 調べたけど不明じゃ通らない


334

 テーマを変えろよ


335

 今から新しいテーマは時間的に無理だ

 ブラックバイパーの研究室に忍び込みたくなってきた


336

 逮捕されたら線香をあげてやるよ


 エネルギー説は良い所を突いている。

 ほとんど正解だ。

 ただ魔力というエネルギーだと分からないだけだ。


 誰か真相に辿り着くだろうか?

 まあ辿り着いても問題ない。

 魔力はエコなエネルギーだからな。


 原子力にとって代わるだけだろう。

 俺のもとには試供品の飲料が山と届いた。


 飲みきれないので社員に配る。


「この牛乳味良いわね。コクが今まで飲んだ牛乳より凄い」


 里奈は牛乳味が気に入ったようだ。


「無茶なダイエットでこればかり飲む健康被害が出たんだよな」

「でどうしたの?」

「注意書きをしてるんだが、上手い手がない」

「そうね。砂糖ゼロ食品の注意書きはお腹がゆるくなりますぐらいね。ダイエットに使用しないで下さいと書いても無視するに決まっている」


「一日の摂取量を制限した注意書きをして、飲み過ぎは健康に害がありますとも書いてる。でも駄目なんだ」

「今までのダイエットコーラとか問題なかったのかしら」

「流石にそれだけを飲んで、体を悪くしたって人は自己責任じゃないかとも思う。でも俺の作った製品で不幸になって欲しくない」

「不思議パワーで解決したらどう」


 缶とかペットボトルを魔道具にするのは安価でできる。

 だけど飲むのを制限させる魔道具ってどんなだ。



「駄目だ考えつかない」

「じゃあ、いっそのこと砂糖を少し入れたら」

「へっ! そうか、別にカロリーゼロでなくてもいいのか。材料費は水だから、普通の飲料より安くできる。砂糖を少し入れたぐらいじゃ値段は変わらない。飲めば飲むほど、確実にカロリーは摂取できるな」


 カロリーゼロ飲料は消えて、低カロリー飲料になった。

 加減して飲む分には問題ない。


 砂糖の比率は各飲料メーカーに任せた。

 どこも、普通のジュースの3分の1ぐらいのカロリー設定だ。

 まあ、それぐらいが無難だな。


 例外もある。

 ブラックコーヒー味はカロリーゼロだ。

 それと寒天ゼリー。

 こちらも問題ないというか、昔からカロリーゼロの寒天ゼリーはあったからな。


 これを食いまくって低血糖でぶっ倒れても世間は非難しないだろう。

 俺もそこまでは責任が持てない。


 それとMW222の味が美味過ぎた。

 どうせ作るのならと味の見本に最高級の物を使ったからだな。

 異世界の魔道具師が頑張り過ぎた。

 まあ、職人だから手が抜けなかったのだろう。


 ただ、魔法甘味料の活躍の場は飲料だけではない。

 歯磨きとか、色々と使われ始めている。

 人工甘味料より安いからな。

 コスパが良ければ企業は飛びつく。

 こちらは問題ないだろう。


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