第22話 ざまぁ
とうとう、魔道具電池が日本車に搭載されることになった。
そのモーターショーに来ている。
まあ、飾ってあるだけじゃ電池が違うのは分からないけど。
「このストーカー男!」
この声は佐奈子か。
「そっちこそ、性悪女」
里奈と佐奈子の言い合いが始まった。
「君みたいな貧乏人にはここにある車は買えないだろう」
彼氏の均はほんと嫌味な奴だ。
「展示してある車を全部買えるが」
「はったりだな。ところでいくら払えば告訴を取り下げる」
「取り下げないと言ったはずだが」
「ドーム球場のイベントは赤字だっただろう。苦しいのは分かっている」
「苦しくなんてないが。先日、10億円のボーナスをもらったばかりだからな」
「ふっ、ハッタリもここまでくると滑稽だな。なら証拠を見せてみろ」
俺はブラックバイパー社顧問と書かれた名刺を出した。
「これでどうだ」
「名刺が何だ?! はっ、ブラックバイパー社顧問だって! 嘘だ! 詐欺師の陰謀だ!」
「疑うなら、ネットでブラックバイパー社の電話番号を調べて、俺が顧問として在籍しているか聞いてみたら良い」
「言ったな」
均は電話した。
「どうだ」
「佐奈子、こいつの名前は?」
「倉本・舞琉よ」
どうやら真実が分かったらしい
顔が驚愕の表情に染まった。
「何だって! 嘘だ!」
「えっ、なになに?」
「佐奈子、こいつがブラックバイパー社の顧問らしい」
「へぇ、そう。ねぇ、舞琉、私達、よりを戻さない?」
「彼氏の赤ちゃんがお腹に中にいると言ってなかったか。それが無かったとしても嫌だね。100億円積まれても嫌だ」
「あんな話を鵜呑みにしたの。赤ちゃんの話は嘘よ」
「何だって! 俺に嘘を吐いて婚約させたのか?!」
「均はそうでも言わない限り婚約してくれなかったじゃない」
佐奈子は飛んでもない性悪女だな。
「ねぇ、甲斐さん、その性悪を訴えたら」
里奈がそんなことを言い始めた。
「うん、良いかもな。佐奈子を訴えたら、俺の方の損害賠償はそれなりに負けてやる。どうだ」
「ここまでコケにされたら、そうするしかないな」
「何よ。寄ってたかって」
「というわけだ。佐奈子、損害賠償を払うんだな。甲斐さんよ、ついでに詐欺でも訴えろ」
「舞琉、助けて」
「誰が助けるか。これからは。心を入れ替えて暮らすんだな」
「嫌よ。借金生活は嫌。何で私が……」
俺達はその場を去った。
なんとなくケリがついた気分。
収まるべき所に収まったというか。
スッキリした。
ちなみに、魔道具電池だが、電力メーターが取り付けてある。
10万円で売ってからも、電力消費でお金が入ってくる仕組み。
その金額は莫大だ。
魔道具電池を各家庭に取りつけるという計画も進んでる。
これをすれば発電所も、送電線も、変電所も要らない。
災害にも強いし、いいこと尽くめだ。
ただ、既得権益が絡むから俺の手腕ではどうにもならないが、ブラックバイパー社が勝手にやってくれるはず。
俺と里奈の警備が厳重になった。
秘密裏に両親とか家族も警護しているらしい。
俺のブラックバイパー社の株は増える一方だ。
そのうち、過半数になるんじゃないかな。
各家庭の電力を供給したら何千億かも知れない。
二酸化炭素の排出も止まるかも知れない。
アナザーワールド貿易は趣味でやっていくか。
久しぶりに儲からない商品を考えたくなった。
何が良いかな。
フィギュアの小物とかどうかな。
下着姿のフィギュアに、小さい服だとか、鎧とか着せる。
武器も小さいのを作ろう。
人形に関節とか作るのは難しいか。
発注するのが難しいかもな。
異世界に行ってロバートに相談だな。
「というわけで人間みたいに動く人形がほしい」
「事情は分かった。土産物の商売を始めたんだな」
ロバートは事情を理解してくれた。
「どうだ」
「ゴーレム技術を使えば可能だな。だが、高くつくぞ」
「自動で動かなくても良いんだが、高いなら駄目だな」
複雑になると高くなるんだな。
地球で作っても良いんだけどなと思ってしまった。
地球なら安価で大量に作れる。
異世界ならではの技術がほしい。
フィギュアはやめて、皮が安いんだったな。
皮の鞄とか。
うーん、皮は評判が悪いんだよな。
野生動物が減ると地球では考えられている。
あれっ、ありふれた物で良いのがある。
石でコインを作ったらどうだ。
魔法を使うとしてフィギュアより簡単だと思う。
石のコイン、地球で作るとしたら1000円では難しいかもな。
これを作るとして、フィギュアの付属品として小さい武器や盾なんかで良いか。
関節を動かすのは諦めた。
小物でいい。
石のコインとフィギュアの小物。
これで行こう。
前に作ったコーヒー味の水が溜まる水筒はどうだろうかな。
売り出しても良いけど、原理が分からないと不気味がられるに違いない。
電池とは違うよな。
「コーヒー味の水は不味いですね。そうでなくても魔道具電池で不気味がられています」
「だよな」
空蝉も同じ意見か。
「水筒でなくて味が持続するならありかも知れません」
「魔法調味料か」
ロバートに相談だな。
「コーヒー味の水あるだろ。あれを水筒から出しても味を持続させたい」
「ふむ、クラモトの魔力量で魔法を使えば出来るな。魔道具なら魔導金属が沢山要るぞ」
「それは大丈夫だ」
魔法調味料作成機ができた。
ただの水なのに甘いとか、コーヒー味、コーラ味、牛乳味と色々だ。
魔導金属は地球から大量に鉄材を輸出した。
そして、魔法調味料を持って帰る。
カロリーゼロの砂糖水と飲み物ができた。
でも成分は不明。
作ったはいいが、星条旗の国では許可が下りなかった。
経過観察してから結論を出すらしい。
日本はもっと及び腰だ。
他の国で発売されてからということみたいだ。
ただの水なのにと思うが、食品だからな。
そのうち許可が下りるだろう。




