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第十一章 違和感の正体

題名からして、何か起こりそうな感じ・・・・・一体この物語はどんな方向に進んでいくのでしょうか。

第十一章、是非お読みください!

「おにいさんたち、どこかいくの?」


ある朝、コールとスピネルが外出の準備をしていると、王子が聞いてきた。


「ああ、買い物にな」


そう言ってスピネルは食料が置いてある籠を指さす。だが、中身は空っぽだった。


「最近買い物に行っていなかったせいで、晩飯を作れるほどの野菜すらなくなってしまった」


「ぼくもおかいものいきたーい!」



「「ダメだ!」」



二人が断ると、王子は「えーん」と泣きまねをした。


「お前が街に出たらすぐに騎士団が来ちまうだろ!」


「そうだ、自ら罪を認めに行くようなもんだぜ」


どんなに泣いてもわめいても、二人は断固として王子を連れて行く気はなかった。


そんな王子の頭をシトリンがなでる。


「お前はシトリンと一緒にお留守番だ」


「ケチー!」


「誰がケチだ!森に行かせてやってるだけでも、十分ありがたいんだからな!」


「いいか、おとなしくしてろよ」


ぐずる王子とシトリンを置いて、二人はそそくさと街へ行ってしまった。



「ううー・・・・ぼくもいきたかったなあ」


シトリンは黙って頭をなで続ける。


すると急に、王子が何かを思い出したように走り出した。


そして部屋の奥からあるものを持ってきて、机に置く。



「じゃーん!!」



王子は両手を広げてそれを見せる。

それは木製の四角くて平べったい箱のようなものと、様々な形に彫られた小さい駒だった。


シトリンはそれをまじまじと見ながら首を傾げる。


「これはね、チェスだよ」


シトリンはまた首を傾げる。


「チェスのこと、しらない?」


シトリンはうなずく。


「チェスっておもしろいゲームなんだ!どうぐはぼくがつくったんだよ!」


シトリンはチェスの駒をもう一度よく見てみる。所々歪な形になっているものの、そのクオリティーはかなり高い。


「すごいでしょ!きをあつめて、なんにちもかけてつくったんだから!」


シトリンは無表情のまま、うなずく。


「ぼく、やりかたおしえてあげるから、いっしょにやろうよ!」


シトリンは少し考えた後、ゆっくりとうなずいた。


「チェスっていうのはね、ふたりでやるものなんだ。これはキング、これはクイーン、これがビショップ、これがナイト、これがルーク、これがポーンね」


覚える間もなく次々と名前を言われて、シトリンはもうついていけなくなった。


「ああ、ごめんね。むずかしかったよね。じゃあわかりやすく、ゆっくりせつめいしていくね」



王子は一つ一つ、駒を指さして説明をし始めた。



シトリンは真剣に説明を聞き、少しずつ理解していく。


そして王子が簡単な説明をし終えると、駒を並べ始めた。


「まとめると、キングをうばったほうが、かち!ね、かんたんでしょ?」


シトリンは肩をすぼめる。まだ自信がないようだ。


「さあ、はじめるよ!」



そうしてゆっくりとチェスの勝負が始まった。



王子は手慣れた手つきでどんどん駒を進めていく。


「よし、ビショップはもらった!」


最初に駒を取ったのは王子のほうだった。だが、シトリンも負けてはいない。


「ああ!ぼくのルークが!」


シトリンがすぐに別の駒を奪い取る。その後も着々と互いの駒を取り合っていた。

初めてチェスをやってみたとは思えないほどの実力に、王子も熱くなった。




その頃、コールとスピネルは街の中心部へたどり着いた。


郊外とは違い、街の中心部は相変わらずにぎやかである。二人はすぐに市場へと向かった。


「いらっしゃい!何をお求めで?」


野菜を扱う露店の前で、店の主が声をかけてきた。


「ああ、ジャガイモを十個もらえるか」


「ああ、ジャガイモね。はいよ、400トールだ」


それを聞くと、スピネルは驚いた声を上げる。



「400トール!?ついこの前までは、350トールだったじゃねえか!」



「ああ、それがな。王様の愛妾の一人が、身ごもられたらしいんだ。めでたいってことで、近々祭りが行われる。その影響で野菜がたくさん売れてな、仕方なく値上げすることにしたんだ。悪いな」


「いや、大丈夫だ。めでたい日なんだ。これくらい大したことはない」


なるべくお金を節約したい二人であったが、こればかりはどうしようもない。

二人はしぶしぶ代金を払った。


「それにしても、その子供は王子様でしょうか、王女様でしょうか。とても楽しみですね」


「ああ、やっぱりお前さんたちも気になるかい」


「もちろんですよ。でも第五王子様はさぞかし嬉しいでしょうね。自分に弟か妹ができるんですから」


そう言ってジャガイモを受け取ると、主は首を傾げる。



「何を言ってるんだい?この国に第五王子様はいらっしゃらないよ」



その言葉にコールの顔から笑みが消えた。スピネルの表情も硬くなる。


「どういうことです?」


「あれ。お前さんたち、この国に来たばっかりなのかい?それなら知らなくて当然だ。この国には王子は四人しかいないよ」


「いや、そんなはずは・・・・だって、グラナイトという名前の王子がいるはずでしょう?」



「グラナイト王子様?ああ、いるにはいるが・・・・そのお名前は、第一王子様のお名前だよ。何か勘違いしているようだね」



「っ・・・・・その話・・・・・本当、なのですか」



コールの表情が険しくなる。


「ああ、本当だよ。俺は生まれた時からこの国で育ってきたからな」



「っ・・・・・やられた・・・・・」



そう呟くと、コールは慌てて来た道を引き返す。


「おい、コール!これはどういうことだ、第五王子なんかいねえって」


スピネルがその後を追いかけていく。



「そういうことだったのか・・・・」


「何がだよ」


「おかしいと思っていたんだ。俺の感じた違和感は間違っていなかった」


「だから何がだよ!」


「・・・・・最初から・・・・あいつは・・・・・」


「おい、どうしたんだよ!」


「そうか・・・・だからあんな・・・・・・」


コールは急に足を止める。そこは人通りのない路地裏だった。



「コール!一体どうしちまったんだよ!俺にも説明してくれ!」


スピネルが目の前に来て顔を覗くと、スピネルは息をのんだ。



「ははっ・・・・ははははは!!」



コールは頭を抱えながら狂気じみた顔で笑い声をあげる。



「おい、コール・・・・・ほんとに、どうしちまったんだ・・・・・」


スピネルは無意識に一歩下がった。


「ははは、そういうことだったのか。全く、俺としたことが・・・・・そんなことすら気づけなかったとは・・・・・・」



「コー、ル?」



名前を呼ぶと、ようやくスピネルと目が合った。


「コール、俺の声が聞こえるか?なあ、何が起きてるのか説明してくれよ!」


コールの肩を掴んで左右に揺らす。



「スピネル・・・・」



コールは息を深く吐いた後、空を見上げてつぶやいた。



「俺たち、負けてたんだよ。最初からな・・・・・・」



「は?お前、何言って・・・・」



その瞬間、屋根から黒ずくめの集団が飛び降りてきた。


「お、お前たち、誰だ!」


「・・・・・お迎えだよ。俺たちの、な」


コールはそう言って両手を挙げた。 スピネルは状況が分からず、拳を構える。


「スピネル、お前も挙げたほうがいい。どうせここで抵抗したところで、拠点で捕まるだろうからさ」



「はあ!?」



スピネルが理解できないでいると、一人の女がこちらに近づいてきた。


「賢いやつだな、お前の選択は正しい。悪いが、我々とともに来てもらおう。抵抗しないほうが身のためだ」


そう言って二人の両手を縛り上げた。


「おい、こんなあっさり捕まっちまっていいのかよ、コール」


「問題ない。俺たちは殺されないさ。少なくとも、今はな」




同時刻、拠点では____



「おかあさま、つよいね!ぼくまけちゃうかとおもったよ」


王子はそう言って、キングの前に駒を置く。



「でもざんねん。チェックメイトだね」



王子が指をパチンと鳴らすと、シトリンは意識を失った。



そして、拠点の中に数名の黒ずくめが入ってくる。



「ご無事ですか、王子」


一人が声をかける。


「ああ、問題ない。早く宮殿に戻ろう」


そう言うと、瞬きする間もなく、子供の姿は消え、代わりに美しい青年の姿がそこに現れた。


そして眠ったままのシトリンを優しく抱えると、王子は振り返る。


「さあ、帰ろう」



こうして三人は宮殿へと連れていかれた。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

ついに、三人が捕まってしまいました・・・・これから三人の運命はどうなるのでしょうか・・・・。

ドキドキ、ハラハラできるような作品になるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします。

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