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ハットトリック  作者: 北野 ソラ
20/26

第20試合 発熱

   『第20試合』



ようやく雨が止み、僕達は帰り道についたが、岬ははしゃいで

僕に抱きついてきたり、おんぶをせがんできたりして寮に着いた

時には門限を少し過ぎてしまっていた。


寮長と管理人さんにはサッカーの練習してたら雨が降ってきて

しまい、帰るに帰れなくなったと説明して事無きを得たが、寮長の

野村にはあまり二人きりで出歩かないように釘を刺された。


雨に濡れた身体を岬は部屋のお風呂で、僕は共同風呂で暖めて

ようやくベッドで横になると当然のように岬が入ってきて、

僕の身体にまとわりついてきた。

「あのさ・・一緒に寝ていい?って訊かないの?」

「もうキスもしたし、胸も触られてるし、暗黙の了解ってことで、

 ね。」

「ね。じゃないよ。そんな可愛い顔してもだめ。

 キスはしたけど胸触ったのは寝ぼけてただけだし。

 いい?岬、よく聞いてよ。こうやって二人だけの時はいいと

 しても学校や他の寮生や部活の時は今まで通りにしなきゃ。

 ただでさえ、菜月先輩みたいに気づいてる人もいるんだし、

 さっきだって寮長も怪しんでる感じだったし、もしバレたら

 相部屋でいられなくなるよ」

「やだ、翼といっしょの部屋じゃなきゃ!」

「だから今まで通りにするんだよ」

「うん・・解った。でも今は二人きりだからいいよね」

岬が密着してくると下着をつけていない胸とズボンを履いていない

下着だけの足や太腿が僕の身体に当たる。

「み、岬、お願いだから下着つけてくれないかな、ズボンも履いて」

「なーに?欲情してくる?直接おっぱい触ってもいいよ、お尻も

 パンツの上からなら触っていいし」

「だめ!だめ!そんな事するんだったら僕が上のベッドに

 いって寝るから」

「あーん、もうやらないから一緒に寝よ」



ところが翌朝、目覚めると一緒に寝ていたはずの岬がいない。

起き上がり、上のベッドを見るとそこで寝ていたのだが、

様子がおかしく顔が赤く、汗をかいているのでおでこに手を

あててみるとかなり熱があるのが解った。


昨日雨に濡れたからだ!僕のせいだ!


「岬、解る?大丈夫?」

岬ははぁはぁと息をしながらうっすらと目を開けて僕を見て

微笑んだ。

「翼、ごめんね、ちょっと身体がしんどいけど寝てたら治る

 ・・・と思うから心配しないで、大丈夫・・だよ」

「ちょっと待ってて」

僕は部屋を出たのはいいが、完全にあわてふためいていた。

寮で共同で使用している冷蔵庫から氷を取ろうとして床に

落としてしまい、洗面器の中に拾っていると先輩の寮生達が

通りかかり、「何やってるんだ?」と訊いてきた。

「あ、あの、岬が、熱あって、すごく汗かいていて、

 しんどそうで、とりあえず氷で頭を、そしたら慌てて

 落としてしまって・・」

「赤井!落ち着け!まず深呼吸してからゆっくり説明しろ!

 おい、野村さんを呼んできてくれ」

僕は深呼吸して説明していると、野村がやってきて寮生から説明を

きき、まず体温計と氷枕を用意してくれて一緒に部屋に戻った。

体温を計ると38.7度あり、タオルで氷枕を巻き、頭の後ろを

冷やした。「不測の事態で慌てるのは理解できるけど、まず俺や

管理人、もしくは先生に連絡しなきゃな。それにどんな時でも

冷静に判断することが試合にも繋がるんじゃないのかな?」

僕は野村に諭された。

「す、すみません。あまりのことでテンバッてしまいました」

「熱を下げる薬を飲ませたいけど、何か一口だけでも食べさせないと

 いけないな」

僕は急いで食堂へ行き、朝のバイキングのメニューの中からいつも

岬が好んで食べているヨーグルトを少しだけ小皿に盛って部屋に

戻った。

「岬、普段から何か薬飲んでるんですけど・・・」

「そうか・・変に薬飲ませるとだめか・・井原先生に連絡して

 家族の方に訊いてもらったほうがいいな」

「あ、僕・・岬のお母さんの携帯の番号知ってます」

「なんで知ってるんだ?」

「ゴールデンウイークに岬をうちまで送っていった時に

 教えてくれたんです」

岬にも内緒にしていたが、僕が帰ろうとしてた時にお母さんが

「何か困った事が起きたらいつでも連絡してきてね」とメモで

携帯番号を教えてくれていたのだった。

「じゃあ、さっそく電話してみてくれるか」

「はい」

登録しておいた電話番号にアクセスすると2コールくらいで

「はい、もしもし」と岬のお母さんの声が耳に届いた。

「あ、赤井です」

「翼君!電話かけてくれて嬉しいわ!」

声を弾ませてくれているお母さんに事情を説明した。

僕はお母さんがかなり動揺すると予想してたら平然としていて

「そっか・・雨に濡れて熱出たか・・でもそばに翼君いてくれた

 んでしょ?」

「はい」

「ならいい」

僕はてっきり責められると思ってたので少し拍子抜けした。

お母さんは岬が持ってる薬の中に解熱剤があるので何か少しでも

食べさせた後に、それを飲ませて寝かせておけば大丈夫と教えてくれ

逆に迷惑かけてごめんねと言われ、僕はすっかり恐縮して電話を

切った。

状況を野村に説明すると、後は任せたからと部屋を出て行った。

野村も朝食の途中だったので申し訳なかった。


僕は岬に声をかけた。

「岬、いつも食べてるヨーグルトだよ、一口でもいいから食べて」

頭をあげて口元にヨーグルトを乗せたスプーンを持っていくと口を

開けてくれたので口の中に入れると岬はそれを飲み込んでくれた。

少しでも食べてくれないかとそれを繰り返したが2口だけで岬はもう

首を振ってしまった。

なんとか食べてくれたので薬を飲ませることにしたが、「薬だよ」と

声をかけても口を全く開けてくれようとしない。


薬をなんとか飲ませないと熱は下がらない・・・どうする?


僕は解熱剤と水を自分の口に含むと岬の口に接触した。

すると岬は口を開いてくれたので口移しで薬を飲ませることに成功した。


三度目のキスがこれっていうのも切ないなぁ・・・。


とりあえず何とか薬は飲ませたが、今度は汗をかいている服をなんとか

しなければ・・・。


悪いとは思ったけどたくさんある岬の服をあさっていると女の子らしい

可愛いパジャマを見つけた。


岬・・ちゃんとパジャマ持ってるじゃないか!

なんで人のジャージ取り上げて着てるんだよ。


まあ今はそんな事を気にしてる場合じゃない。

「岬・・汗かいてるから服着替えようか?」

ただ上のベッドのままだと着替えは難しいので、僕は全く

動いてくれない岬を抱きかかえてなんとか下のベッドに降ろした。


すぐに横になろうとする岬を座らせ、

「ほら、自分で服脱いでタオルで汗拭いて着替えてくれる?」

と言ってはみたものの、岬は全然動こうとしてくれない。


仕方ない・・着替えさせるしかないか・・・。


「岬、上脱ぐよ」

僕は汗でへばりついているジャージ(僕のユニフォーム)を

脱がせた。

ブラをつけていない岬の白い肌が露わになる。

それに全身を見ると今の岬は下着だけの姿・・・腰はくびれて

いてほんとに女の子みたいだ・・・。

見ないようにしてもどうしても目に入ってしまう。


僕は濡らしたタオルで身体を拭いた。

同じ男子なのに小さな背中、細い筋肉のない腕を拭く。

問題は前だ。

目を逸らしていても胸の膨らみは感触で解る。

見てみたいという気持ちを抑えて拭き、パジャマの上を着せる。

袖をなんとか通し、ボタンをしめようとした時に僕は

白い小さな胸の膨らみを見てしまい、胸の鼓動が止まらなく

なってしまっていた。


だ、だめだ・・・冷静になろう。


下は履いてなかったので、太腿、足を拭き、さすがに下着は

替えれないのでパジャマのズボンを履かせ、どうにかこうにか

着替えさせてベッドに横にした時には僕が汗だくになっていた。


頭部を氷枕で冷やし、僕のタオルケットを掛けるとまだはぁはぁ

と息はしながらも岬は眠りについていった。














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