表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/84

対馬侵攻 【その1】

長い間、失礼を致しました。

更新を再開致します。

 壬辰倭乱イムジンワラン時に対馬藩は5,000の兵を出したと言われている。

要は対馬藩は5,000の兵を()()出来る兵力を備えていると言う事。

単純に1割〜2割を留守番としたとして、6,000〜7,000の動員兵力を有している。


侵攻兵力は同数以上が安心だが、10,000近い兵力を短期間で統制出来るとは思わない。

故に3,000〜4,000位の兵力で侵攻し、各個撃破で侵攻して行く。

これが今回の俺の考えの中で、()()だと思えた。

ただし、3,000〜4,000の兵力を準備できれば、の話だが。


軍の統制権は当然のごとくに、親父……宣祖ソンジョが握っている、

当然の事だ。少なくとも中央集権の形態をなしている朝鮮王国では。

半島の王朝の成り立ちは、ほぼ血塗られた争いの歴史でもある。


穏便に見える高麗から朝鮮への移行ですら、王族の血は多数流れている。

王朝が滅ぶ時の遠因は色々とあるのだろうが、直接の原因は軍事権を失った時だ。

時の国王が軍事権を弱め、やがて失い国は滅びている。


故に国王は余程の事が無い限り、軍権、指揮権を委譲したりはしない。

軍権の委譲が即ち、国王の交代を意味する場合もあるからだ。


そんな時代に王世子セジャが正規軍の1割に達する官軍を預けろ、

と言って「ハイそうですか」と言って預けるとも思えない。

今が最高の攻め時だとしても、俺による対馬侵攻は無いと俺は考えていた。

形だけでも褒賞を与え、軍を解散すべきかと悩んでいるときにそれはやって来た。


漢陽ハニョンより急使が参りました」


幕屋の外からパク・シルが声を掛けてきた。


「通せ」


パク・シルの後に続いて、やや疲れを滲ませた官服を着た男が入って来た。

両手に捧げ持つように手紙を持っている。


王世子セジャ様にご挨拶を申し上げます……」

「ご苦労だった」


それは、親父……宣祖ソンジョからの命令書だった。

曰く、官軍3,000を率いて対馬に渡り倭寇の後始末をして来い、と言うものだった。

文面から受け取れる内容は、対馬を()()()()として扱うものだ。

ただし、一地方の反乱を糾弾するのに3,000の官軍は多い。

実質的な対馬攻略を目的としていると考えて良いだろう。


元均ウォンギュンの敗戦が中央にも倭寇へ対する危機感を煽らせたようだ。

結果としては倭寇を退けたものの、元均ウォンギュン敗北の衝撃は大きかったと言う事だ。


この時代、情報の伝達速度は遅く、精度は悪い。

王宮辺りでは、元均ウォンギュンは一度は敗北したものの、捲土重来を果たしたと取っているのだろう。

まあ、俺の評価が変に上がるより()()()では都合が良い。


3,000の兵を俺が指揮出来るはずは無い。

現代日本の自衛隊であったとしても、俺には過分な兵数だ。

故に複数の将軍が俺の下に付くことになる。


親父……宣祖ソンジョからの命令書にはその二人の名も記されている。

その二人の名前を見て、俺は思わずほくそ笑んでしまった。


「……成る程。東西の鬩ぎ合いの結果と言うわけか」


一人は予想通り、元均ウォンギュン

そしてもう一人は、俺の宿敵たる東人からだった。


「会いたかったぜ。英雄さん」


俺の口から、思わず独り言が溢れた。

もう一人は、前世の壬辰倭乱イムジンワランの英雄。

そして、俺の敵対勢力たる東人の将軍、李舜臣イスンシンだった。


















ここまでお読みいただいた事、心から感謝致します。

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ