パジャマパーティー
前振りです。ほのぼのです。
ドカドカ。バタバタ、キャッキャ、ガタンガタン。
「シャモー。こらー。シャモー。いい加減寝ろよー」
今日は、友達がお泊りに来ている。
もう、真夜の12時を回っているのに、寝ずに部屋で遊んでいるらしい。
隣の部屋に控えている侍女からの報告では、夏祭りでもらったお菓子を、満足するまで食べた後、二人でお風呂に入り、着替えた色違いのパジャマに興奮。そのまま、枕投げが始まったらしい。
婚約者とはいえ、乙女の部屋に勝手に入ることは許されない。
俺が魔術に関する資料を読んでいるリビングの天井に、飛んだり、跳ねたり、物を倒したりする音が響いている。
もう、夜中の12時を回っているんだ。いい加減に寝ろ。
夜更かしは、お子様には、成長の阻害になる。
育つものも育たなくなるではないか!
ドタドドタ、ドタドタドタ
「何、レイザーさん呼んだ?」
シャモと友達が俺に呼ばれたと思い、2階の自分の部屋からリビングに降りて来た。
「ぷっ・・ハハハハ。何その恰好。そんなのどこにあったの。何でビブス。今からバスケットでもするの?」
シャモは、白Tシャツの上にピンク6番のビブス、下は赤の短パン。
友達は、白Tシャツの上に水色12番のビブス、下に青の短パンだ。
「ん?おかしいかな?屋根裏部屋にあったんだけど・・・」
「また、屋根裏部屋かー。フフフ、おかしいよ、今から寝るんだよね。試合じゃないよね。何でビブスにしたの」
「パジャマおそろいにしたかったんだけど、同じ柄のパジャマはなかったんだよね。だからビブス」
「マジで、仲いいよね二人とも。でも、寝る時にビブスはやめようか」
ドタドタドタドタ
二人は2階に上がる階段で、
「どうしようかな、オレンジ3番にしようかな」
「私は、紫8番にする」
「おーい、違うぞ、ビブス!ビブスをやめて、番号でも色でもないよ。ビブスやめよー」
◇◇◇
「て、事があったんだ。何とかおそろいのパジャマを作って欲しい」
俺は、また自社の縫製工場。ゲン工場長の所に来ている。
「まあ、出来ない事もないですが、何故この形なのです?」
「おそろいのパジャマと言えば、これだろ」
「は~。若者の考えは年の者にはわかりませんが、この形は、確かに暖かい。ゆったり着れて、寝相が悪くても腹が出ない。寝るにはもってこいのように思いますが、帽子に耳と、お尻に尻尾はいりませんよね」
「まあ、そこは、遊び心と言うことで」
「はい、わかりました、作りましょう。今ある布の在庫を確認してからになりますが、種族を何種類か作りましょう」
俺は、ゲン工場長と熱い握手を交わした。
◇◇◇
数日後の昼下がり、ゲン工場長からパジャマが届いた。
「ただいまー。今帰ったよー。疲れたー」
「お帰りー。シャモの帰りを待ってたんだ。おっ、友達も来たんだ、お帰り。」
「・・・ただいま」
「ちょうどいい。二人ともリビングに来て」
俺は、早速ゲン工場長から届いた段ボウルを開封。
中には、虎やパンダ、兎や猫などのアニマルパジャマが何種類も入っていた。
「何、何、わー凄い、可愛い。動物だー。これくれるの?着て良いの?」
シャモの友達も、目を輝かせ、アニマルパジャマを広げている。
「いいよ。二人にプレゼントだ、パジャマだよ。お泊りする時、おそろいで着れるでしょ、だからビブスはやめてね」
「はーい。凄い、凄い、ありがとうレイザーさん。早速着てくるね」
シャモと友達はアニマルパジャマを抱えて2階の自分の部屋に向かった。
ドタドドタドタ
二人が2階からアニマルパジャマを着て降りて来た。
「・・・・。ぷぷぷ。何でそのチョイスなの、そんなアニマルパジャマがあったんだ」
シャモは、赤いタコさんパジャマ。帽子にタコの目と、ろうと(筒状の器官)が付いており、8本足の4本から両手と両足が出ている。
友達は、灰色のゾウさんパジャマ。帽子にゾウさんの大きな耳。股間に小さな鼻が付いている。
「却下。かわいくない。全然可愛くない。もっと他に可愛いのがあったでしょ。着替えて来て」
二人は、納得いっていない表情で2階に戻る。
ドタドタドタドタ
また、2階からアニマルパジャマを着て降りて来た。
今度は、シャモが虎さんパジャマ。友達が兎さんパジャマだ。
「うん。二人とも可愛い。今度お泊りするときは、その服がパジャマだよ」
「「ありがとう」」
二人は、手を繋いでリビングから出て行った。
◇◇◇
次の日、俺が馬車に乗っていると、見覚えのあるアニマル集団が道を歩いている。
アニマルパジャマを着た、シャモぐらいの年齢の女子達だ。
よく見ると、その中にシャモと友達もいる。
「シャモ~何してるの、この集団何?」
「「「「こんにちわ」」」」
「おお、こんにちわ」
「シャモの旦那さん。このアニマルパジャマどこで売ってるんでか」「他の種族いますか」「ミーヤキャットいますか」「カピバラいますか」「マンボウいますか」
「マンボウはいないかな~たぶん」
集団女子たちによる、質問攻め。
「みんなちょっと、ちょっと待ってね。シャモ来て、シャモだけ来て、みんなは待っててね。
何でパジャマを外で着てるの。何でみんな着てるの、警察に職質されなかった?」
「されなかったよ。レイザーさんにもらった日に、そのまま着て公園に遊びに行ったら、みんなが着てみたいって言うから、持ってきたんだ」
俺は、女の子集団を見渡した。可愛いが渋滞している。
可愛いは正義。まあ、良しとしよう。
その後、アニマルパジャマは、友達、友達の姉、その友達と噂が広がり、我が商会に問い合わせが殺到。縫製工場ゲン工場長に丸投げ。生産を整え、いろいろな種族のアニマルパジャマが販売となった。
◇◇◇
魔術政府関連資料。
魔術が開花された者は、速やかに政府に届ける義務がある。
開花した者(覚醒者)は、政府に認められた保護者が保護する。
保護者がいない場合は、政府の管理下となる。
覚醒者の地位は一代限りの男爵となる。
教育費、治療費、社会保障費は国負担となる。
覚醒者は、正式な理由がない限り、最低でも1年に1回は国の為に魔術を使用する義務がある。
覚醒者は、正式が届け出がない限り、自国からは出られない。などなど・・・。
なお、覚醒者に無理やり魔術を使用させる事は法律で禁止する。破った場合懲役に処す。
やっぱり、制約があるんだな。
だが、生活の保証をするから、1年に1回は国の為に働けかー。思ったより寛容だ。
もっと、ヤバい事を吹っ掛けられると思っていた。
今の段階で、友達の問題二つ、
1つは、政府が認めた保護者だな。シングルマザーと祖父祖母で、詐欺や誘拐から、友達を守れるかだ。守れないと判断されたら、友達は政府の管理する場所で生活することになる。シャモと離れ離れだ。
シャモが悲しむ。それは避けたい。
俺(商会)が保護者になってもいいが、他人を政府が保護者と認めるかだ。ここは友達の母親と話し合うしかないだろう。
もう一つの問題は、年に1回は最低でも国の為に働く事。
友達の場合、『歌』に魔術が発動する。
人前で歌うと大勢いに顔がバレる。アイドルのようになるだろう。今まで通りの平穏な生活は難しい。
ここは、友達が今後どうしたいか話し合いだな。
白河・DG・夜舟様から頂きました。パジャマの変わりにビブス。
白河・DG・夜舟様から頂きました。アニマルパジャマ(着ぐるみではない)。
次は、エド(Edo)ちゃん変身?




