マジ可愛い。
前振りは、鏡ではなく夏祭り
「ちょ~と待って、待ってシャモ。舞わないで。一旦冷静になろう」
「だって、嬉しいんだもん。見てこのニワトリ可愛~い。コケッコ!」
「エドちゃんのフラミンゴも可愛~いね」
「・・・。ファッファ!」
二人は今、俺がプレゼントした、浴衣に興奮している。
来週土曜日に開催される、町内会の主催の夏祭り。
いつもシャモと友達が遊んでいる近くの公園では、昼の部に、子供会によるダンス、老人会による歌自慢大会が予定され、夜の部は、公園の中央にやぐらが建ち、太鼓を囲んでの盆踊りや、抽選券によるビンゴ大会が開催される。
シャモと友達が楽しみにしている食べ物屋台は、公園周辺の道路を一時通行止めにし、道路わきにずらりと軒を連ねる予定だ。
俺も住民。自治会3班役員。昼の部の子供会、老人会の司会進行役としてのステージ脇に控える予定だ。
本当はシャモと夏祭り、周りたかった~。浴衣のシャモとイチャイチャ歩きたかった~。
公園の隣に建てた、SASUK〇ジムは休業させ、駐車場を無料開放。
ジムの職員によるフランクフルトの屋台は、格安販売予定。
いつも、シャモがお世話になっている近所のみなさまに、少しでも恩返しを!と思っている。
シャモと友達は、夏祭りの為に、先週からずっと、屋根裏部屋の片付けを、ホコリと汗にまみれ頑張って、お小遣いを稼いだ。
頑張ってる二人に、浴衣は俺からのささやかなプレゼントだ。
シャモの浴衣は、白を基調とした生地に、橙色の帯。ニワトリの絵が描かれた浴衣。
友達の浴衣は、ピンクを基調とした生地に、水色の帯。フラミンゴの絵が描かれた浴衣だ。
シャモも友達も茶色の髪に、茶色の目、小柄で華奢。友達の方が、たれ目で、髪が腰まであり長い。
二人並ぶと姉妹のようだった。
シャモと友達は浴衣を着て大興奮。
「コ、コ、コケーコッコ。コケー、コッコ」
シャモがリビングを走り回り、
「・・・。ファッファ!」「・・・。ファッファ!」
友達が片足で、ふらふら片足立ち。
そのうち、二人で、元気に盆踊りを踊りだした。
「ちょ~と待って、待ってシャモ。舞わないで。一旦冷静になろう」
「友達も落ち着こう、ね」
激しく踊った結果、浴衣の襟元は乱れ、キャミソールが見えてるし、浴衣の裾は、まくれ上がってパンツがチラ見している。
うん、二人には浴衣は早かったのか?
このまま、浴衣を着て、夏祭りには行かせられない。
「ねえ、シャモも友達も、今回は浴衣で行くのやめようか。ほら、シャモが持ってる水色のワンピースあれはどう?」
「え~。嫌だ。浴衣がいい。エドちゃんとおそろいが良い」
シャモは俺を睨んでるし、友達は今にも泣きそうだ。
「あ~、そうだよね。じゃあ、新しいワンピース、二人おそろいの買ってあげる、それでどう?」
「え~。夏祭りなんだよ。浴衣がいい」
「じゃあ、シャモも友達も、おとなしく夏祭り会場周れる?」
「もちろん、周れるよ!」
「うん」
シャモも、友達も、得意げな表情で、小胸を張って断言。
また、盆踊りを踊りだした。
「・・・・。無理だろな~」
◇◇◇
「さあ、どうしたものか」
俺は浴衣の前で、腕組み。
シャモも友達もこの浴衣を着て、来週の夏祭りに出かけるだろう。
確かに浴衣を着たシャモは可愛い。はしゃいでるシャモも可愛い。
でも、浴衣ってすぐ乱れるんだよなー。乱れる姿は俺の前だけでいい。(まだ、まだ、まだ先の話)
んー。浴衣の事がわからない俺が考えても仕方ない。餅は餅屋。服は縫製工場のゲン工場長。
行ってみるか。
俺は、浴衣を持って、自社の縫製工場に向かった。
「坊ちゃん、何ですか今回は、またシャモお嬢ちゃんがらみですか」
縫製工場のゲン工場長がお出迎え。
「また、突然押し掛けてすまない。坊ちゃんと呼んでいいから、少し相談に乗ってほしい」
俺は、浴衣をゲン工場長に渡した。
ゲン工場長は、渡された浴衣を隅から隅まで確認。
「これは、浴衣ですね。ほつれもないし、穴もない、生地もしっかりしている。何が問題なんです?」
「この浴衣を、どんなに動いても乱れない浴衣にしてほしい」
俺は思い出していた。前世で姉の子どもが、乱れない浴衣を着ていたことを。
姉の子は女の子だったがやんちゃで、少しも、じっとしていられない子だった。
可愛い浴衣なんて着せれないと、姉は嘆いていたが、ある夏祭りに、浴衣を着せてきたのだ。
甚平型の女子バーション。
上着とズボンで構成されていて、見た目スカートだが中身はパンツ型になったものだった。
何でもイオ〇で売っていたらしい。姉は、胸元にマジックテープを自作で貼り付け、ズレ防止。
帯に結ぶ機能はなく、はめるだけ。後ろの帯のリボンもはめるだけになっていた。
姉の子がどんなに動いても、全然ズレていなかった。
「どうだろ、出来ないか?」
「浴衣は一枚の反物を、完成した時に綺麗に見えるように考えて、色や柄を合わせて裁断して、つなぎ合わせます。浴衣は通常、成長しても縫い直せば着れるように、縫い代を多くとっていますが、それども、完成している浴衣を違う形にするのは、柄がずれたり、布が足りなかったりで難しい。至難の業だ」
ゲン工場長は、眉をひそめた。
「そこを何とかお願いしたい」
俺は、深く頭を下げお願い。
「できるだけやってみますが、期待しないでください」
ゲン工場長は、しぶしぶ了承してくれた。
◇◇◇
夏祭り前日。なかば諦めていた俺の元に、手直しされた浴衣が届いた。
「この浴衣、少し形が変わったね。可愛い。とっても着やすいし動きやすい。腰が苦しくな~い」
シャモにも好評。
ゲン工場長は、布が足りない箇所には、見えない場所に同じ色の布を足し、柄を合わせて縫い上げていた。さすが古参の裁縫師。
俺は、ほっと胸をなでおろし、ゲン工場長に追加報酬を決めた。
ゲン工場長は、報酬を断り、代わりに甚平女の子バージョンを商品化していいか聞かれたのでOKしておいた。
◇◇◇
夏祭り当日。
「レイザーさ~ん」
俺がSASUK〇の事務所前で、フランクフルとを売る準備を手伝っていると、浴衣を着たシャモと友達が走ってきた。可愛い。
浴衣は、全然乱れていない。普通に可愛い。
「「フランクフルト1つ下さい」」
シャモと友達は、屋根裏部屋の片付けで獲たお金を握りしめ、俺に差し出す。マジ可愛い。
「はい、2本ね。熱いから気を付けて、ケチャップとマスタードはあっちにあるよ」
シャモと友達は、ケチャップをいっぱいかけ、「熱っち」と言いながら、フランクフルトを完食。本当に可愛い。
「シャモー。町内会だから、変な奴いないだろうけど、ナンパとか、変なおじさんとか気を付けてー、困った事があったら、ここか、俺、ステージの後ろに居るから来てー、ぜったいだぞー。友達もねー」
「「はーい」」
二人は手を繋いで、次の屋台に走っていった。
白河・DG・夜舟様より頂きました。浴衣姿で踊るシャモと友達
白河・DG・夜舟様より頂きました。甚平女の子バージョン
白河・DG・夜舟様より頂きました。「フランクフルとおいひい」
レイザーはシャモにメロメロです。
次は、友達のエドちゃん主役?




