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君はいつでも宝物をくれる

 ケガをしたあと、なんとなくサトに会いづらくなって、家に行ってない。

 学校で会っても避けられている感じがした。

 俺を見てくれなくなった。

 絵を描いているようにも見えなかった。

 何があったんだろう。

 あの日。

 風邪をひいた日。

 熱のせいで、不機嫌になっているだけだと思っていたのに。

「亮太、ケガ大丈夫?」

 前の席に座り、橋本が話しかけてくる。

「ああ。しばらく部活は休みだな」

「残念だったな……」

 沈黙になる。

 落ち込んでいるわけではない。試合に負けたのは悔しい。ケガをしたことも。

 だけど、次に向けて前向きに考えられている。

 部活も無理をしないで程度に参加している。

 一番前の席で、顔を机に突っ伏して寝ているサトを見る。

 溜息が漏れた。

 「今日さ、俺とデートしない?」

 橋本が、元気付けるように大きな声を出した。

 ぴくりとサトの肩が揺れたような気がした。

「わかった。どうせ、どこか行きたいところあるんだろう」

「バレた」とおどけたあと、チャイムの音で、自分の席に戻って行った。



 学校帰りに訪れたのは、市主催の美術展だった。

「俺の母ちゃんさ、陶芸教室通ってるわけ、でさ、見に行けってうるさくてさ。ささっと見るだけでいいから」

 わりいな。と言ってスタスタと目的の場所に進む。

 陶芸は、絵画の隣のフロアーだった。

 絵画、最後のコーナーに『空っぽ』平 暁士と表札されている絵があった。

 サトの絵は、沢山見てきたけど。これは、明らかに今までと違っていた。

 顔半分は、ほとんど塗りつぶされていて、片目には、棘のある瞳が写っていた。

 怖い。悲しい。寂しい。

 そんな印象に思った。

 これは、暁士なのか……?

 絵の前に突っ立っていると、橋本がやってきた。

「平って、あの平? へぇーすごい迫力のある絵を描くんだな。俺は良く知らんけど、もっと優しい絵を描くような奴だと思っていたよ」

 そうだよ。サトは優しい絵を描く。これは……この絵は、なんていうか、サトの絵じゃないようだ。それでも、きっとこれは、良い評価が得られるだろう。

 俺も絵のことを知っているわけじゃない。

 でも、この得たいの知れない迫力は、絵画としては凄いもののように思えた。

 ――ただ、好きじゃない。

 

 10月、サトは時の人となっていた。

 サトの絵が、市内に飾られる一枚となったからだ。

 あまり、感情を表に出さないサトも、クラスメイトの言葉を素直に笑って喜んでいた。

 つまらなかった。

 その笑顔が、無性にムカついた。

 なんでこんなに腹が立つのだろう。

 サトの才能にイラついているのだろうか?

 俺はケガをして試合にも負けたから?

 そんなことを考えている自分がかっこ悪くて情けなくなる。


 サトは、小さい頃から絵が好きだった。

 夢中になると、他のことも俺のこともほったらかしで絵を描いていて、それが嫌で、サトを振り回していた。

 ついてきてくれる心地よさが、優越感に浸れることが、なによりも嬉しかったのだ。

 俺は、サトみたいに絵に対しての情熱がなかったから、この年齢まで続けていることに素直に尊敬していた。

 今では、そう思えているけど、絵画教室を辞めるまでは、どこか恐ろしかった。

 あの情熱や集中は、俺にはない。

 彼の才能を妬んでいた。

 同じ土俵に立つのを止めて、ようやく解放されたような気持ちもあった。

 絵は好きだったけど、サトと比べられることが嫌だった。

 俺は、サトから追いかけられたい。

 彼がくれる羨望のような熱い眼差しは、俺が何をしても、ついてきてくれるという安心感があったからだ。

 あの時、「試合は見に行かない」という言葉は、もう俺を見てくれないということを言っているようで目の前が真っ暗になった。

(――なんか、俺、ほんと、かっこ悪い)

 

 部活の帰り、田中とゆきちゃんと三人で駅前まで歩いていた。

 ゆきちゃんは電車通学だ。

 学校は、近くだから、ゆきちゃんはよく部活の練習を見に来ていた。

 どうやら、二人は、とてもうまくいってるらしい。

 バス通学の俺も歩いて、田中はチャリを押しながら、ゆきちゃんの隣を歩いていた。

 夕方ともなると秋の空気に肌寒さを感じる。

 秋だね。という言葉に食欲の秋。なんていう言葉が続く。

「俺、栗ご飯が好きなんだ」

 田中の言葉に、ゆきちゃんが「今度お弁当でつくってあげる」と言っている。

 お熱いことで……。

 田中が駐輪場に行ってる間、二人で駅に向かって歩いていた。

 この後、ゆきちゃんと田中は駅ビルのファーストフードで食べてから帰るらしい。

 駅前のバス停留所にはまだバスが来ていない。

 時間を確認しようとスマホを取り出した時に、ゆきちゃんが話しかけてきた。

「亮太、大丈夫? 最近落ち込んでいる?」

「えっ?」

 突然そんなことを聞かれて、戸惑った。

「なんていうか……、上の空っつうの? から元気? って感じ」

 これがいわゆる女の感とかいうやつなのか……。

「私さ、お姉ちゃんがいるんだけどね……」

 と、ゆきちゃんの身の上話が始まった。

 ――6歳離れている姉は、最近やたらと冷たい。歳が離れているから、いつも仲が良いという感じでもなかったけど、何も言わずに視線だけが冷たいのが嫌だった。髪型とか化粧の仕方とか洋服を借りたとかで機嫌が悪いだけだと思っていた――。

「だからさ、意味わからんから聞いたのよ! そしたら、彼氏できたことが心配なんだって!」

 うざーい。と言って笑う。

「でもさ、聞かないとわからないもんなんだね。……心配とかしちゃうんだって……姉妹なんてさ一番近いから、わかったような気持ちになってたけど」

 (一番近くにいる存在か……)

 俺は、サトのことをどれだけ知っているのだろう。わかった気になっているだけ。

 最近、彼の目が、寂し気で、空っぽという感じがする……そんな瞳には俺は見えていないのかもしれないと思うと、それが怖くてしょうがない。

 ……実際、今彼がなにを考えているのかわからない。

 ……それなら、聞かないと。話を聞かないと。

「ゆきちゃん、ありがとう」

 亮太がお礼を言うと、「へ? なにが?」と首をかしげている。

 お待たせーと手をふりながら、田中が戻ってくる。

「そういえば、私、栗ご飯作り方しらないんだよね……どうしよ」

 田中に手を振りながらゆきちゃんが呟いた。

「じゃ、レシピ教えるよ」

「マジで!」

 サトのお母さんは、毎年、旬のものを作ってくれる。

 確か去年、栗ご飯を皆で食べた。

 美味しかったな。

 今度、家へ行ったとき、おばさんに聞いてみよう。

 そして、俺の気持ちを伝えて、サトの話を聞こう。

 

 サトのおばさんが、栗ご飯を作るからと誘ってくれた。

 久しぶりにサトの家に来た。

 久しぶりに話した。

 良かった。普通に話せてる。

 そうだよな。別に喧嘩したわけじゃないのに、なんでこんなになってしまったんだっけ……。

 でも相変わらず、サトは視線を合わせてくれない。

 

 リビングのテーブルに置いてあった、ローカル新聞に載っていた、サトの『空っぽ』という絵と喜んでいる記事を読んで、酷くイライラしてしまった。

 ――この絵は好きじゃない。

 たしか、そんな風に言ってしまった気がする。

 サトは、それから一言も発さず、俺のことも見なかった。

 気持ちを伝えて、話しを聞こう。なんて息巻いていたのに……。

 あの絵を見ると、心が揺れる。嫌なことを思い出させる。

 

 *****


 足のケガは良くなっていた。

 今日は部活を休み、病院に来ていた。

 たかが捻挫だが、クセになるケガだから、サッカーを続けたいならちゃんと治せと周りから言われていた。

 総合病院の受付ロビーは、沢山の人が座って待っている。

 その中に、5歳くらいの男の子が一人、つまらなさそうに座っていた。

 手の指に包帯を巻いていた。

 どこかから落ちた時とかに手をついたのかもしれない。頬にもかすり傷があった。

 

 両親が離婚したのは、俺が4歳のときだ。

 どういう経緯でそうなったのか知らないけど、父が出て行った。

 父は、あまり家族に興味を持つ人じゃなかった。遊んでもらった記憶はない。

 だから、居なくなってもあまり変わらなかったけど、母の仕事が忙しくなったことは嫌だった。

 そして、サトが隣に引っ越してきた。

 初めての挨拶は、いきなり伸ばしてきたサトの手が自分の頬に当たりバチっと静電気を起こした。

 突然のことでびっくりしたのを覚えている。

 サトの両親も働いていたから、二人で同じ保育園に通っていた。

 彼のじっと見つめてくる視線に戸惑ったことは何回もあった。

 それが嫌ではなかったけど、最初の頃は、仲は良くなかった。

 

 保育園で亮太が跳び箱から落ちてケガをすることがあった。

 跳び箱の上で、友達と遊んでいたのだ。

 ふざけ合っていたはずが、いつのまにか押す力が強いとかで言い争いになって亮太が落ちた。

 手から落ちたから、突き指程度で済んだ。顔にも少しかすり傷ができたくらいだ。

 その跳び箱の上で遊んでいた友達が大泣きした。

 落ちて痛いのは俺なのに、なんでお前が泣くんだよ。ってムカついた。

 泣きたいのは俺なのに……。

 そんで、お迎えの時に先生からその話を聞かされた母親が「泣かなかったの。偉かったね」と言った。

 その日は、サトの親もお迎え時間が同じタイミングになったから、家まで一緒に帰ったんだ。

 その帰り道、サトが泣き出した。

「りょうちゃんが泣いている。りょうちゃんの色が泣いている。僕も悲しい」

 最初は意味がわからないし、気味が悪いと思ったけど、 後から親同士が話して、それを子供でもわかりやすく俺にも話してくれた。

 サトが人の機微に敏感であることを知った。

 色が見えると知ったのは、絵画教室で先生とサトが話している時に教えてもらった。


 そんなことを思い出していると、席で一人待っていた5歳くらいの子の母親らしき人がきて、「もう体操クラブに文句いわなきゃ」とぶつぶつ文句を言って、一緒に帰って行った。

(母親というのも大変だよな)

 そこからか、俺の母さんとサトの母親の仲が良くなったのは。

 連絡取り合って、協力しあっているようだった。

 そして、段々、一緒にいる時間が増えて、兄弟みたいになった。

 すぐ横にいるのが当たり前の近い存在。

 

 サトが絵画教室に通い始めたから、俺も行きたくなった。

 それで、一緒に通っていた。

 でも、本当は絵が好きなわけじゃなかった。

 ただ一緒にいると楽しかっただけ。

 絵は描くというよりも、サトの邪魔をしていた気がする。

 ちょっかい出して、困った顔をしても、必ず俺の言う事を聞いてくれた。

 それに、サトはよく他の生徒からもいじられていた。

 クレパスで描かれた絵は、物や植物は同じなのに、人だけは俺たちには見えない色がついていた。

 『なんでこんな色つけてんだよ』『何を描いてんだ?』

 と言いたい放題だ。

 サトが泣きそうな顔をする。たまらず亮太が言い放つ。

 『うるせえよ。自分の絵はどうなんだよ。見せてみろよ』

 喧嘩に発展する前に先生が宥めるなんてことは、よくあった。

 サトが何も言わないから、俺が文句を言う役目みたいな感じになってた。

 でも、威勢よく文句を言い放ったあと、また責められて、そのあとはよく泣いた。

 それをサトが『ありがとう』と言って慰めてくれる。

 

 小学二年生に上がる頃には、サトがいじられて泣くようなことは無くなっていたし、色に対しての耐性がついたのか見えているものと上手に付き合い始めていたようだった。

 その頃のサトは、絵を描いている時はとても集中していて近寄りがたかった。

 段々と付き合う友達も変わってきて、その頃仲良くなった奴に誘われてサッカーを始めたんだ。

 サッカーは楽しかった。

 

 絵画教室を止めると言った時、サトは凄く悲しい顔をしていた。

 でも、俺は少し距離ができてホッとしていた。

 サトの絵に対する集中は、自分には出来ないものだったし、どんどん上手になる彼に嫉妬もした。

 同じ時期に始めたのに差がつくこと。

 サトにかっこ悪いところを見られたくなかった。

 いつまでも羨望の眼差しで俺を見ていてもらいたかった。

 俺が、絵画教室を止める日、サトを描いた。

 正直、どんな絵になったかなんて覚えていない。

 家のどこかに隠すようにしまった。

 恥ずかしかったからか、何かの恐れか、わからないけど。

 あまり良い仕上がりじゃなかったはずだ。

 

 ――75番。

 受付の電光掲示板に自分番号が表示され、窓口に向かう。

 会計を済ませて、出て行こうとしたときに声を掛けられた。

 振り向くと、絵画教室の松岡小百合先生が立っていた。


 病院を出たすぐ隣にある喫茶店へ入った。

「亮太くん、ひさしぶりね」

「はい。久しぶりです」

 先生の変わらない口ぶりに、不思議な安堵感を覚える。

「ケガでもしたの?」

 亮太の足から見えるネット包帯を見て問われる。

「サッカーの試合で、転んで……でも、もう治ってます」

 足首を回して見せる。

「先生は?」

「ああ、実はね、妊娠したのよ」

 少し頬を染めて、照れたような表情をした小百合は母の顔をしていた。

 鞄にマタニティマークのキーホルダーがぶら下がっていた。

「お、おめでとうございます!」

「ありがとう。でも、まあ、私もう40歳過ぎているのよね。ちょっと持病も持っているから、医者には慎重にって言われていてね……」

「……」

「ずっと子供が欲しかったから、嬉しくて。でも、まだわからないでしょ。ちゃんと生まれてきてくれるまではわからない」

「俺に何かできること、何か手伝うことがあれば言ってください」

 何か考え事をしたあと、「……じゃあ、今度、絵のモデルをしてくれない?」と言われる。

 力仕事とか水仕事を期待していたのに拍子抜けした。

「モデル……ですか?」

 小百合は満面の笑みで、頷いた。

 

 窓ガラスがカタッと揺れる。外をみると、風が落ち葉を巻き上げていた。

「サト君の選ばれた絵『空っぽ』見た?」

 その質問にただ頷いた。

「どう思った?」

 外の渦巻く風が自分の心にも吹く。

 なんて答えたらいいか迷う。

 しばらく沈黙のまま、小百合は回答を待ってくれている。

「好きじゃない……です」

 それだけを言うのが精一杯だった。

「私も最初見た時、驚いた。サト君自身も戸惑ているみたい……。彼、絵が描けなくなっているの」

「――――」

 衝撃だった。

 学校で描いている姿を見ていなかったけど、まさか描けなくなっているなんて思いもしなかった。

「でも、本人は描きたいと思っているのよ。ただ……気持ちと行動が伴わなくなっているみたい」

 声が出なかった。

 サトが絵を描けなくなるなんてことあり得ない。

「俺があの絵を好きじゃないって言ったから? そうなのかな?」

 小百合は首ふった。

「違うと思う。何か彼にとってショックなことがあったのだと思う。だけど、それを乗り越えようとしている。私は見守るしかないと思っているわ」

「……」

「私には話してくれなかったから、亮太くんになら、話してくれるかしらね」

 小百合は寂しそうに視線を落とした。

 ショックなことってなんだよ。

 なにがあったんだ。

 俺が聞いて、答えてくれるのか?

 ふと、サトの寂しげな空っぽの瞳を思い出した。

 見つめて欲しいと願っているのに、あの瞳には何もうつっていないのかもしれない。

 

 家に帰って、部屋のクローゼット奥にしまい込んだ、絵画教室の思い出を引っ張り出した。

 ――嫌なことを思い出させる。

 確認してみたくなった。俺の絵を。

 アルバムや、アルバムに入りきれていない写真に混じって、スケッチブックが出てきた。

 そこに、絵画教室最終日に描いたサトの肖像画が挟まっている。

 すごく下手で、笑えるが、その絵の瞳は、どこかで見たことがあるものだった。

 寂しい、怒り、悲しみ……。

(そうだ思い出した。この絵は、サトの目に映る自分自身を描いたものだ)

 彼みたく上手に描けない。かっこ悪い。誰にも見られたくない。

 確か、そんな風に書いた気がする。

 ――嫉妬?

 リビングに行って、市から配布されている小冊子を手に取る。

 確かサトの絵が載っていたはず。

『空っぽ』それと、自分が書いた絵を見比べた。

 似ているとかじゃない。似ているわけない。サトの絵の方が上手だ。当たり前だ。

 でも、このうつろな瞳は、同じ感情だったのではないかと思えてならなかった。

 

 玄関が開いて、買い物袋をぶら下げた母親が、「ただいま」と入ってくる。

 今日は、夜勤ではない。

 小冊子の絵とスケッチブックを持っている息子を見て、「なにしてんの?」と声をかける。

 母親は、スケッチブックを見て、懐かし気に話してきた。

「そういえば、昔はサト君とあんたはよく互いを描いてたわね。サト君のスケッチブック、うちに残ってんじゃない? 今度返してあげなさいよ。あんた、自分の絵だからって返さなかったでしょ」

 ……そうだっけ?

 部屋に戻って、足元にあるスケッチブックを見る。

 ――たいらさとし――と書かれているのが何冊もあった。

 その場にしゃがみ込み、それを手に取りめくった。

 

 向かい合って描いたであろう亮太の絵があった。

 次のページにも。その次のページにも。

 段々、亮太が真正面を見ていない絵も増えてくる。

 走っている。食べている。遊んでいる。泣いている。笑っている。

 グラウンドでサッカーをしている絵も出てきた。

 家の近くには、公園兼多目的グラウンドがあって、小学生の頃はそこでサッカーをしていた。

 最近は、そのグラウンドに行ってないけど、おそらくこの絵はその頃のものだろう。

 大きくなって、このグラウンドで遊ばなくなったけど、それ以外でもサトは亮太を描いていた。

 もちろん最近の絵も……。

 ソファでくつろいでいる横顔。ゲームをしている姿。サッカーボールと戯れていている……俺。

 ――――――!。

 全部、俺の絵。

 サトは、小さい頃から変わらず俺を見ていた。

 全身が、顔が沸騰するように熱い。

 彼の想いが自分の手元に溢れていた。

 こんなに沢山の宝物をくれていた。

 こんなことに今更気づくなんて……。

 

 

「ちょっと走ってくる」

 たまらなくなって、外に出た。足は、もう大丈夫だ。

 軽くなら走れる。というか、居ても立っても居られない衝動に駆られていた。

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